「ホワイト」と「ブラック」だけでまとめるモノトーン配色。
2つの色は、彩度が無い無彩色です。
色には、彩度と明度があり、これらが複雑に絡むため、2つの色を組み合わせる時、明度と彩度を考慮しながらコーディネートしていく必要がありますが、明度だけを持つ無彩色の「ホワイト」と「ブラック」は、違和感なくマッチするのが特徴です。
- ホワイトは、色の中で最も明るく、物を大きく見せる膨張色。「明るい」「冷たい」「清楚」などといった特徴があります。
- ブラックは、色の中で最も暗く、物を小さく見せる収縮色。「暗い」「強い」「重厚」などといった特徴があります。
組み合わせがしやすいモノトーン配色ですが、近年は、床材・壁紙・ドアや収納などの建具・サッシなど内装色にもブラック色がある為、どこに黒を使うかでインテリアのイメージが全く違うものになります。
このページでは、新築やリフォームで使える「床・壁・天井・ドア類を含めた内装モノトーンコーディネート」と模様替えに使える「モノトーンのインテリアコーディネート」のコツを紹介していきます。
①モノトーンの内装色
- 新築やリフォーム、リノベーションで床や壁、建具の色を丸ごと変える場合
- 既存の床や壁の上から張り替え可能な床材や壁紙を貼る場合
など、内装色をホワイトとブラックでコーディネートする際のポイントとコツの解説です。
内装色を変えない場合は「②モノトーンの家具色」へ。
①-①床面はホワイトとブラックどっちが良い?
①-①-①床がホワイトの(白っぽい)モノトーンインテリア
床面に、ホワイトを配色すると部屋が広く見えます。※壁面がホワイトの場合
ホワイトの床にブラックのソファをコーディネート。
ホワイトの床にホワイトのソファをコーディネート。
①-①-②床がブラックのモノトーンインテリア
床面に、ブラックを配色すると部屋が狭く見えます。※壁面がホワイトの場合
ブラックの床にブラックのソファをコーディネート。
ブラックの床に、白っぽいソファをコーディネート。
床面を「ホワイト、または白っぽい色」と「ブラック、または黒っぽい色」のどちらにするかで、空間の広さの感じ方が変わりますが、モノトーン配色のインテリアは、床の上に、ホワイトやブラックのソファ・テーブル・チェアを置いてコーディネートをすすめる必要があります。
上記に、それぞれの床色のリビングに、ホワイトとブラックの2パターンのソファをラグ無しでレイアウトしたインテリア実例を載せました。
床もソファも黒が最も重厚感があり、床もソファもホワイトが最も軽やかなリビングインテリアになっています。
どの組み合わせが理想に近いかを考えながら、床の色を決めていきましょう。
①-②壁面はホワイトとブラックどっちが良い?
①-②-①壁がホワイトの(白っぽい)モノトーンインテリア
壁面に、ホワイトを配色すると開放感や清潔感がアップして見えますが、空間の多くがホワイトになる為、ブラックの家具を置いてものっぺりとした印象になりがちです。
壁・天井・ソファをホワイト、ダイニングテーブル・ダイニングチェア・ラウンジチェア・収納家具をブラックでまとめたインテリア。
①-②-②壁がブラックのモノトーンインテリア
壁面に、ブラックを配色すると重厚感がアップして見えますが、閉鎖的な印象もします。
アクセントクロス・ソファ・ラウンジチェア・カーテンをブラック、残りの壁・天井をホワイトでまとめたインテリア。
ブラックの収縮効果を活かして、遠くに見せたい壁面にブラックを使うと圧迫感が少ない空間になります。
また、壁面には、コンセント口やエアコン、換気口(マンション等)が取り付けてあります。ブラックにしたい壁面に、これらがついている場合はブラックで揃えるようにしましょう。
①-③建具の色はホワイトとブラックどっちが良い?
①-③-①建具の色がホワイトのモノトーンインテリア
壁がホワイトの場合、ホワイトの建具をコーディネートすると、壁と一体感が生まれ、壁のような雰囲気になります。
①-③-②建具の色がブラックのモノトーンインテリア
壁がホワイトの場合、ブラックの建具をコーディネートすると、壁との境界線がはっきりし、メリハリのある空間になります。
ブラック系の壁とブラックの建具といったように壁と建具の色を揃えるコーディネートの方法もあります。壁をブラックにして、建具をブラック色にする場合は、枠色もブラックに揃えた方が違和感なく馴染みます。(下記の「LIXIL ラフィス」「Panasonic ベリティスクラフトレーベル」の枠の標準色はホワイトです。)
②モノトーンの家具色
ソファ・ラグ・コーヒーテーブル・テレビボード・ダイニングテーブル・ダイニングチェア・カーテン等、メインとなる家具をホワイトとブラックでコーディネートする際のポイントとコツの解説です。
ソファはホワイトとブラックどっちが良い?
リビングのメイン家具となるソファは大型家具です。狭いリビングなら、ソファだけで部屋がいっぱいになってしまうこともあります。
ソファがホワイトの(白っぽい)モノトーンインテリア
ソファがホワイトの場合、ソファの存在感が薄くなるため、広々とした印象になります。
スモーキーな薄めのブラウンのリビングダイニングに、ホワイトのコーナーソファをコーディネート。
グレーの床のリビングに、ホワイトの3人掛けソファをコーディネート。
ソファがブラックのモノトーンインテリア
ソファがブラックの場合、ソファの存在感が前面に出て、圧迫感のあるインテリアになります。
白っぽいグレーの床のLDKに、ブラックのコーナーソファをコーディネート。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、ブラックの寝椅子付き2人掛けソファをコーディネート。
ソファの色を「ホワイト」と「ブラック」のどちらにするかで、圧迫感が違って見えます。
また、この圧迫感は、ソファを置く場所や他の家具とのバランスにもよります。
- 床の色が暗く、部屋が狭い時
- 家具の数が多い時
- 他のエリアとの間仕切りのようにソファをレイアウトする時
- 窓を背にソファをレイアウトする時
- 明るいインテリアを作りたい時
- 清潔感のあるインテリアを作りたい時
- ソファを目立せたくない時
- 家具の数が少ない時
- 壁を背にソファをレイアウトする時
- 床の色が白っぽい時
- ダークなインテリアを作りたい時
- かっこいいインテリアを作りたい時
- 重厚感のあるインテリアを作りたい時
- ソファに存在感を出したい時
ラグはホワイトとブラックどっちが良い?
ラグはフローリングに近い考え方になります。(「①-①床面はホワイトとブラックどっちが良い?」参照)
床の色(フローリング)の雰囲気を明るく(または暗く)変えたい時に、真逆の明るさのラグを使うのがおすすめです。(黒っぽいフローリングにホワイトのラグ、白っぽいフローリングにブラックのラグ、等。)
ラグがホワイトの(白っぽい)モノトーンインテリア
くすんだ薄めのブラウンのフローリングのリビングに、ホワイトのシャギーラグをコーディネート。
ラグがブラックのモノトーンインテリア
薄いグレーのコンクリート調床のリビングに、ブラックのラグをコーディネート。
また、ラグは床の上に乗せ、ソファと一番近い位置にあるアイテムなので、床やソファとの色のバランスやも重要になってきます。
明るい床と暗い床にソファとラグの色を「ホワイト×ホワイト」「ホワイト×ブラック」「ブラック×ブラック」「ブラック×ホワイト」の4パータンでまとめた場合のイメージの違いを紹介しますので、どのバランスが好きか考えながらご覧ください。
コーヒーテーブルはホワイトとブラックどっちが良い?
コーヒーテーブルは、ソファやラグとのコントラストをつけるか否かで色の選び方が変わってきますが、ホワイトよりも、ブラックにした方が高級感がアップして見えます。
コーヒーテーブルがホワイトの(白っぽい)モノトーンインテリア
ブラックの3人掛けソファの前に、鏡面ホワイトの長方形コーヒーテーブルをコーディネート。
コーヒーテーブルがブラックのモノトーンインテリア
ホワイトの2人掛けソファの前に、ブラックの木製丸型コーヒーテーブルをコーディネート。
また、コーヒーテーブルは、ソファやラグ(ラグを敷く場合のみ)と近い位置にある為、ソファとラグを「ホワイト」と「ブラック」のどちらでまとめているかによって印象が変わります。
ラグ・ソファ・コーヒーテーブルの3点セットを「ホワイト」と「ブラック」でまとめた8パターンの配色を紹介します。
テレビボードはホワイトとブラックどっちが良い?
テレビボードは、壁を背にレイアウトする家具です。壁とのコントラストをつけるか否かで色の選び方が変わってきます。ホワイトにした場合は、存在感が薄くなり、ブラックにした場合は存在感が出ます。また、ホワイトよりも、ブラックにした方が家具自体が高級に見えます。
テレビボードがホワイトの(白っぽい)モノトーンインテリア
テレビボードがブラックのモノトーンインテリア
ソファ・ラグ・コーヒーテーブルと離れた位置にある家具なので、壁面との組み合わせを重視して色を選定しましょう。
③メインとアクセントをどちらにするか決める
③-①清潔感や広さを強調したい場合は、ホワイトをメインでブラックをポイントにする
ホワイトのキャビネット、ブラックカウンター、ブラックのカウンタースツールを組み合わせたキッチン。
ホワイトのキャビネットとホワイトカウンターでキッチンをまとめ、ペンダントランプ・アート用額縁・カウンタースツール・キャンドルホルダーでブラックを足したインテリア。
床をホワイト×ブラックのタイル、壁をホワイトでまとめ、キッチンをホワイトキャビネットとブラックカウンター、ダイニングをブラック、リビングをブラックでまとめたインテリア。
フローリング・ソファ・壁をホワイト、ラグ・テレビボード・コーヒーテーブルをブラックでまとめたリビング。
壁・ソファ・テレビボード・サイドテーブル・ブラインドをホワイト、ラグをブラックでまとめたリビング。
③-②重厚感を出したい場合は、ブラックをメインでホワイトをポイントにする
フローリング・フロアキャビネット・ダイニングテーブルの脚・ダイニングチェア・ペンダントランプをブラック、キッチンカウンター・カウンタースツールをホワイトでまとめたダイニングキッチン。
3人掛けソファ・パーソナルソファ・カーテン・コーヒーテーブル・サイドテーブル・テレビボード・アート用額縁をブラック、壁・テーブルランプ・カウンターチェアをホワイトでまとめたLDK。
アクセントクロス・ダイニングチェア・ソファ・ラウンジチェア・オットマン・テレビスタンドをブラック、壁・ドア・窓をホワイトでまとめたリビングダイニング。
床・天井まである収納家具・コーヒーテーブル・ブラケットランプ・クッションをブラック、壁・ソファ・雑貨をホワイトでまとめたリビング。
壁・窓・フロアランプをホワイト、ソファ・ダイニングテーブル・ダイニングチェア・収納家具・アクセントクロス・アート用額縁・テレビボードをブラックでまとめたリビングダイニング。
ブラックは高級感や重厚感を演出する色です。
その為、同じ面積・同じデザインのものをホワイト色とブラック色で同時に見た場合、ブラック色の方が高そうに見えます。
安価な家具やインテリア雑貨をコーディネートする場合、ブラックの高級感を利用して、実際よりも高く見せるように工夫しましょう。
④心地良いモノトーンインテリアにする5つの技
④-①無彩色だけの配色
④-①-①グレーを足す
ホワイトとブラックのモノトーン配色は、明度が一番高い色と一番明度が一番低い色の組み合わせです。2色しかない為、インテリアが単調に見えることがあります。同じ無彩色仲間のグレーを足すと上品な印象がアップして見えます。
ソファ・ラグ・コーヒーテーブル・ダイニングテーブルをホワイト、ダイニングチェア・アクセントクロス・ウォールシェルフをブラックでまとめ、壁紙・クッションスツール・クッションで薄い薄いグレーを加えたリビングダイニング。
寝椅子付き2人掛けソファ・壁・オープンラックをホワイト、コーヒーテーブル・サイドボード・テレビボードをブラックでまとめ、ラグ・クッション・ブランケットでグレーを加えたリビング。
④-①-②ブラックの代わりにダークグレーを使う
明度が一番低い色=ブラックの代わりに、暗いグレーや黒っぽいグレーを使うと洗練された印象がアップして見えます。
ソファ・クッション・壁をホワイト、クッション・フロアランプ・テレビボード・コーヒーテーブル・アートをブラックでまとめ、ソファの下のラグで暗めのグレーを加えたリビング。
テレビボード・ラウンジチェアをブラック、サイドテーブルをホワイト、壁・天井・ドアをグレーでまとめ、2人掛けソファ・オットマンでダークグレーを加えたリビング。
④-①-③モノトーン配色のラグやクッションを使う
ホワイトとブラックだけのコーディネートは単調になりがちです。ホワイトとブラックの両方を使ったパターン(模様)を取り入れることで、インテリアに動きが生まれ、おしゃれな印象がアップして見えます。
ブラックのフロアコーナーソファの前に、ブラック×グレー×ホワイトの正方形タイル柄のラグをコーディネートしたリビング。
ホワイトの3人掛けソファ、ブラックのラタン製のアームチェア2脚をコの字にレイアウトし、ブラック×ホワイトのストライプ柄のクッション2個とラグをコーディネートしたリビング。
ソファ・ベッド・スツール・コンソールテーブルをブラックでまとめ、ベッドの下に、ブラック×ホワイトの牛柄のレザー製ラグを敷いたベッドルーム。
④-②暖色を加えた配色
④-②-①スモーキーな木目や黒っぽい茶色の木目を足す
茶色の木目家具は、明る過ぎたり、鮮やか過ぎるとモノトーンの無機質な印象を損なってしまいます。グレーを混ぜたような茶色の木目や黒っぽい茶色の木目なら、鮮やかさが少なく、無彩色の静けさを邪魔しません。
④-②-②茶色を足す
ホワイトとブラックの無彩色でまとめた空間は、生活感がなく、緊張感のある空間です。モノトーン配色の邪魔にならない程度に、茶色を加えると、くつろぎ感がアップして見えます。
ホワイトとブラック、たった2色の組み合わせなのに、配色する場所や割合によって、インテリアの雰囲気が全く変わることが伝わったでしょうか。
ホワイトとブラックだけのモノトーンインテリアを作る時のコツは
- ホワイトとブラックをどこに配色するかを決めておく
- 開放感のあるモノトーンにするか、重厚感のあるモノトーンのするかを決めておく
- インテリアが単調過ぎると感じたら、グレーや茶色を足す
です。
この3つを頭に置いて配色を考えるようにしましょう。
また、ホワイトとブラックの無彩色の特徴は、以下ですので家具の色を決める際は、開放感だけでなく、高級感にも注意しながら選定するようにしましょう。