壁インテリアをおしゃれに格上げするコーディネートの1つに「ウォールシェルフを取り付ける」があります。
海外インテリアを見てみると「リビングにウォールシェルフがついていないものはほとんどない」と言えるくらい、とってもメジャーなもので、幅(長さ)・奥行き・厚みが自由に設定でき、シェルフの材質・色・ブラケットの有無などデザインが自在なのが魅力です。
ウォールシェルフに並べるアイテムも、絵・写真・インテリア雑貨・観葉植物など、制限なしに好みのものを選んでOKなので、自分らしいインテリアを作るのに適しています。
また、家具とは違い、壁面を活用するウォールシェルフは、部屋自体の大きさの影響を受けにくく、「視線を集める場所を作る」という点でも、ぜひ取り入れたいアイテムです。
壁の素材の違いによるウォールシェルフの取り付け方を解説しつつ、おしゃれなインテリアを紹介しましょう。
ウォールシェルフを取り付ける前に
「壁があればウォールシェルフを取り付けることができる」これは大きな間違いです。
壁を作る素材には「石膏ボード」と「合板」の2種類あります。
- 石膏ボードは、どこにでもビスを直接打てない壁
- 合板は、ビスが効く壁
と覚えておきましょう。
■軽量鉄骨下地+石膏ボードの壁
■木下地+石膏ボードの壁
■木下地+合板の壁
そもそも、「何ですべての壁を合板にしないのか?」と思われる方も多いでしょうが、石膏ボードは合板よりも安いので、筆者がリフォームに携わる際、壁の前に何かを取り付ける(ビスをもむ)予定がない場合は、石膏ボードで壁を作ることが多いです。
石膏ボードの壁も合板の壁も、上からクロスを貼ってしまえば、見た目は同じなので表面からの違いを見分けることはできません。
自宅の壁が合板か石膏ボードの壁かを見分ける方法に、「画鋲を挿してみる」があります。
画鋲が壁にすんなり入り、スポっと抜ける壁は石膏ボードです。
また、石膏ボードの壁は、画鋲を抜いた時、画鋲に白い粉がついていたり、穴の周りに白っぽい粉が残ります。
「壁掛けカレンダーを月ごとに破る度、引っ張る力に負けて画鋲が抜ける。」なんて経験はありませんか?
簡単に言うと、石膏ボードの壁は、粉を固めた板で作った壁なので、一回空いた穴にもう一度画鋲を挿しても、ホールドする力がなく、違う場所を探して、また画鋲を挿すという行為を繰り返し、壁に無数の小さな穴が開いてしまう、なんてことになるのです。
では「石膏ボードには、ウォールシェルフを取り付けられないのか」と言えば、そうではなく、
- ①下地が木なら下地を探し、下地を狙ってビスをもむ
- ②ボードアンカーを打ち込んで、アンカーにビスをもむ
- ③石膏ボード専用のシェルフを使う
の3種類の方法で取り付けることが可能になります。
②の場合、DIYで使えるおすすめのボードアンカーにカベロックが紹介されていることがありますが「ウォールシェルフ自体が重い(長い・材質)」「ウォールシェルフに飾る物が重い」など、取り付ける物が重いと、抜けたり、落ちたりする可能性があるので、強度に注意しましょう。
ウォールシェルフのサイズを確認しよう
ウォールシェルフには、長さ・幅・厚みに決まったサイズはありません。
- 幅:900・1200・1500・1800mm
- 奥行:150~300mm
程度が一般的です。
奥行きや幅が大きくなるほど、ウォールシェルフ自体が重くなるので、「どこに何を飾る?」を考えてからシェルフのサイズを決めるようにしましょう。
- ソファの背もたれの上に取り付ける場合、ソファに座った時「ウォールシェルフが頭に当たらない高さに取り付ける」か低い位置の場合は「奥行き」に注意
- 通路に取り付ける場合は、通行の邪魔にならない出幅(奥行き)
- 本を飾る場合、写真集(A4版)で210×297mm。写真集を飾る場合、最低30cm程度の奥行きが必要
- ウォールシェルフを取り付ける壁の隣の壁にドアや扉(クローゼット、家具等)がある場合は、開閉した際にドア(扉)がウォールシェルフとぶつからないか確認
また小さなインテリア雑貨を高い飾る場合、ウォールシェルフの奥行きが深いとディスプレイが見えなくなってしまうので、ウォールシェルフと飾る物のバランスに注意しましょう。
額縁に入れた絵や本を表紙を向けて飾る場合は、手前に折り返しがついたコの字型が便利です。
ウォールシェルフの取り付け方
ウォールシェルフを壁に固定する方法には 主に以下の2タイプがあります。
ブラケットで受ける
ブラケットは様々な種類があるので、棚板とアングルのテイストを揃えることで、「壁をおしゃれに見せることができる」というメリットがあります。
ブラケットを隠す
ブラケットを隠すと壁面に棚が浮いているように見えるので、スキっとした印象になります。
取り付け位置は下記参照
テイスト別おしゃれなウォールシェルフインテリア
モダン
モダン:1段
グレーの壁に、茶色の木製ウォールシェルフを取り付け、絵を2枚ディスプレイ。
ウォールシェルフは、ダイニングテーブルと同じ色にして、統一感をアップ。ブラケットを見えないタイプにして、スッキリとした印象に。シェルフの取り付け位置は、壁の高さの真ん中付近。
リビングの床一面にロータイプのホワイトのオープン収納家具を置き、収納家具の幅に合わせて、ホワイトのウォールシェルフを取り付け、黒の額縁に入れたモノクロ写真を前後に並べてディスプレイ。
取り付け位置は、収納家具の天板と天井の間を半分にしたところ。オープン収納家具の上にもモノクロ写真を並べ、シリーズ家具のような雰囲気を演出。ブラケットは見えないタイプ。
壁を背にソファをレイアウトし、ソファの背もたれから10cmほど上に、茶色の木製ウォールシェルフを取り付けて、シルバーの額縁に入れた絵を2枚ディスプレイ。
ウォールシェルフの幅は壁の端から端までで、奥行きは柱型と同じ。長いウォールシェルフですが、ずらずらと物を並べるのではなく、壁面にも絵を飾って高さ方向のバランスを調整。ブラケットは見えないタイプ。
液晶テレビの上にテレビの幅の2倍くらいの長さの茶色の木製ウォールシェルフを取り付けて、観葉植物とインテリア雑貨を左右にディスプレイ。
ウォールシェルフの材質と色は、テレビボードと統一。テレビの上に、ウォールシェルフが1本あるだけで、壁の殺風景な印象が解消。ブラケットは見えないタイプ。
モダン:2段
液晶テレビの上に、幅の違う2枚のホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って取り付け、ホワイトと黒のフォトフレームに入れた写真をディスプレイ。
ウォールシェルフの材質と色は、テレビボードと統一し、1枚がテレビボードと同じ幅、もう1枚が半分のサイズ。左端を揃えて、アンシンメトリーに。
壁と通路を背に、コーナーソファをレイアウトし、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って取り付け、ホワイトの額縁に入れた小さな絵をディスプレイ。
絵のデザインは全て同じ。2段のシェルフは、少しだけ被るように端を揃えずに取り付け、アンバランスな雰囲気を演出。
テレビと通路の間の空いたスペースに、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って2段取り付け、丸と四角のインテリア雑貨をそれぞれにディスプレイ。
ウォールシェルフとテレビボードの色を統一。取り付け高さは、天井高を半分にした場所で、上段は右、下段は左を広く空けてディスプレイ。
明るいグレーのソファを壁を背にレイアウトし、幅1.5mほどのホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って2段取り付け、花瓶やインテリア雑貨、観葉植物を等間隔にディスプレイ。
左右の幅を揃えて、キチンとした印象をアップ。ディスプレイは、真ん中に背が高い物(上段)、幅が広い物(下段)を置いて、視線が集まるように工夫。
薄い茶色の2人掛けソファを壁を背にレイアウトし、ソファと同じくらいの幅のホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って取り付け、絵・観葉植物・本・インテリア雑貨をぎっしりディスプレイ。
赤・黄色・オレンジ・水色など目立つ色をカラフルにコーディネート。上段に下に垂れる植物を飾りナチュラルな雰囲気を演出。
モダン:3段
テレビ上部の壁に、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って3段取り付け、本とインテリア雑貨をディスプレイ。
ウォールシェルフはテレビボードと同じホワイトで統一し、ラグやソファ背面の絵と同じアクセントカラーの赤をディスプレイにも取り込んだスタイリッシュなインテリア。幅はテレビボードと揃え、奥行きは柱型より3cm程度出たサイズ。
テレビの横に茶色の木製ウォールシェルフを見えないブラケットを使って3段取り付け、絵・本・時計・インテリア雑貨をディスプレイ。
素材をテレビボードと合わせ、テレビの端からテレビボードの端の間のスペースを埋めるように上下に等間隔にコーディネート。テレビの上とウォールシェールフの上段、テレビの下とウォールシェールフの下段の位置を揃えて、整然とした雰囲気をアップ。
テレビの横に黒の木製ウォールシェルフを見えないブラケットを使って3段取り付け、暗い茶色の花瓶とフォトフレームをディスプレイ。
1つ前よりもやや高めの位置に等間隔にレイアウトし、右端は柱型にピタリと隙間なくコーディネート。3段のシェルフに飾ってあるものは、全部同じですが、位置を変えることで、おしゃれな印象をアップ。
モダン:4段
テレビの横に、厚さが少ない黒の木製ウォールシェルフを見えないブラケットを4段使って取り付け、観葉植物と本をディスプレイ。
長いウォールシェルフ2段と短いウォールシェルフ2段を左端をテレビボードと揃えてテレビを囲むようにコーディネート。ホワイト壁に、ホワイトのテレビボードを組み合わせた、寂しい雰囲気のテレビ周りをおしゃれに演出。
北欧
北欧:1段
コーナーに沿ってL型ソファをレイアウトし、明るい茶色のウォールシェルフをソファと同じようにL字に取り付け、本とインテリア雑貨をディスプレイ。
三角形のホワイトのブラケットでシェルフを支え、ナチュラルな印象をアップ。天井から50cm程度下がった、高い位置に取り付けてあるので、ディスプレイというより収納のような印象。
テレビ横の空いた壁に、ナチュラルブラウンのウォールシェルフを黒のブラケットを使って取り付け、観葉植物と絵をディスプレイ。
棚下を支えるブラケットではなく、三角形の下に棚板を通すタイプ。テレビボード(兼ベンチ)の上と天井の間を半分にした場所よりもやや高めにして、遠くから見た時、目に入りやすい位置に。
壁を背にソファをレイアウトし、背もたれと天井の間を半分にした位置に、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って取り付け、絵とインテリア雑貨をディスプレイ。
壁と一体化した色を使い、さり気なくおしゃれ感をアップ。2人掛けソファの対面にあるソファから目に入る位置ではなく、隣のダイニングから目に入りやすい、やや高めの位置を意識してコーディネート。
ホワイトレザーのコーナーソファを壁と窓を背にレイアウトし、背もたれの50cmほど上に、ホワイトの鍵型のウォールシェルフを取り付け、絵をディスプレイ。
低い位置にあるウォールシェルフは、ソファに座った時、邪魔に感じない奥行きが10cm程度。ソファ用クッションと絵の色使いを統一した、おしゃれなインテリア。
グレーの寝椅子付きソファをコーナーを背にレイアウトし、背もたれの70cmほど上に、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って取り付け、絵・サボテン・インテリア雑貨をディスプレイ。
中心に大きなサボテンの絵を飾り、大きな観葉植物を飾ったのと同じような効果を演出。優しいピンクを使った絵を活用した北欧らしいコーディネート。
北欧:2段
2人掛けソファを壁を背にレイアウトし、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って2段取り付け、本・観葉植物・インテリア雑貨・写真をディスプレイ。
ソファの幅よりも短いウォールシェルフを2本用意し、下段をソファの左端、上段をソファの右端に合わせてコーディネート。高さ方向は、ソファの背もたれと天井の半分の位置から、上下15cm程度離れた場所。
上段に際し込みレールタイプの茶色の木製ウォールシェルフ、下段にホワイトのブラケットで受けたホワイトのウォールシェルフを取り付け、観葉植物とインテリア雑貨をディスプレイ。
上段は壁の幅、下段は暖炉の幅と合わせたデザイン。暖炉が無いリビングでも、壁の幅とテレビの幅といったように、応用が効きそうな取り付け方。
北欧:3段
テレビの端と壁の間に、ホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットで3段取り付け、写真・インテリア雑貨をディスプレイ。
ウォールシェルフとテレビボードの色を揃え、統一感のあるインテリアを演出。取り付け位置は、テレビボードの上と天井の間を均等に4分割した場所。
テレビの横にホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットで3段、テレビの上にホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットで1段取り付け、インテリア雑貨をディスプレイ。
テレビの幅の5倍くらいありそうな幅の広いテレビボードをわざと取り付けて、壁面を埋める感じに。取り付け位置の高さ方向は、ソファに座った時、自然に視界に入る場所。
壁を背にグレーの3人掛けソファをレイアウトし、背もたれの上に同じ長さホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットで3段取り付け、モノクロ写真をディスプレイ。
3段のウォールシェルフは一番上と一番下をソファの左端、真ん中をソファの右端と揃えてコーディネート。高さ方向は、背もたれと天井の半分の位置に真ん中のウォールシェルフを取り付けて、上下50cm程度空けた場所。
北欧:5段
ソファと柱型の間に、茶色の木製ウォールシェルフをはしごのようなデザインの黒のブラケットで5段取り付け、インテリア雑貨をディスプレイ。
棚板の位置を収納物に合わせて変えられるデザイン。ソファの上にもホワイトのウォールシェルフを見えないブラケットを使って取り付けて、絵と観葉植物をディスプレイ。
インダストリアル
インダストリアル:1段
ソファの後ろの壁に、シルバーのウォールシェルフを見えないブラケットで取り付け、ポストカード・インテリア雑貨をディスプレイ。
ウォールシェルフはキッチンや洗面などに使うようなステンレスっぽいデザイン。かなり低い位置についているので、壁に頭をもたげるとウォールシェルフとぶつかってしまう可能性大。
床から3/4の位置に、奥行きが深いホワイトのウォールシェルフをホワイトのブラケットで1段取り付け、絵・写真をディスプレイ。
壁の幅を目いっぱい使ったギャラリーのような飾り方。奥行きが深くても、高い位置に取り付けてあるので、ソファのくつろぎにも、通行の邪魔にもなりません。
テレビの上に、暗い茶色の木製ウォールシェルフを見えないブラケットで取り付け、照明器具・観葉植物・絵・本・インテリア雑貨をディスプレイ。
取り付け位置は、床から3/4程度の場所。テレビ横のコンセントにコード付きのペンダントランプを挿して、ウォールシェルフまで持ち上げ、間接照明っぽく演出。ウォールシェルフの幅は、壁の幅を左右60cm程度残したサイズ。
インダストリアル:2段
窓の横左右の90cm程度に、暗い茶色のウォールシェルフを見えないブラケットで2段ずつ取り付け、写真・インテリア雑貨をディスプレイ。
取り付け位置は、窓の高さの半分より高め。ポットや鳥かごなど、ヴィンテージなコレクションをセンスよく飾った、かっこいいインテリア。
テレビの上と横に、暗い茶色の木製ウォールシェルフを見えないブラケットで2段取り付け、本・インテリア雑貨をディスプレイ。
上部のウォールシェルフはテレビの幅よりも長くして、右側の短いウォールシェルフとかぶるようにコーディネート。テレビとキッチンカウンターの間の壁には、L型のブラケットを使って暗い茶色の木製ウォールシェルフを2段取り付け、ワイン・お酒・ワイングラスを収納。
ソファの後ろの壁に、茶色の木製ウォールシェルフを見えないブラケットで2段取り付け、アルファベットの絵・インテリア雑貨をディスプレイ。
同じ長さのウォールシェルフを2本用意し、上段をソファの左端、下段をソファの右端と揃えてコーディネート。下段のウォールシェルフの取り付け位置は、ソファに座っても頭が当たらない場所。
リビングのコーナーを背にヴィンテージな一人掛けソファをレイアウトし、壁に、ナチュラルな木を使ったウォールシェルフをナチュラルな木の三角形ブラケットを使って2段取り付け、写真・花をディスプレイ。
時代を感じる古い写真と木製のフォトフレームを組み合わせ、レトロな雰囲気をアップ。取り付け位置は、壁の中心よりも、やや高め。
インダストリアル:3段
ソファとダイニングの間に、黒の配管パイプを使って木製のL型ウォールシェルフを3段取り付け、レトロなインテリア雑貨をディスプレイ。
ディスプレイ棚と仕切り壁を兼用したアイデアDIY。デザインは上段と下段がL型で、真ん中は奥行き方向のみ。
デスク前の壁に、黒っぽい茶色のウォールシェルフをゴールド×黒のブラケットで3段取り付け、絵・本・インテリア雑貨をディスプレイ。
長いウォールシェルフ1本と短いウォールシェルフ2本を用意し、デスクの幅と左右と揃えて、短い(右揃え)、長い(デスク幅と同じ)、短い(左揃え)でコーディネート。ブラケットがアンティークデザインなので、高級感もアップ。
インダストリアル:4段
壁面にシルバーの配管パイプを取り付け、ナチュラルブラウンの木のウォールシェルフを取り付け、絵・本・インテリア雑貨・観葉植物をディスプレイ。
壁際は4段で、中央は2段。手作りのアンバランスな見た目がヴィンテージな雰囲気をアップ。
インダストリアル:5段
茶系のレンガ壁に、茶色の木製ウォールシェルフを見えないブラケットで5段取り付け、絵・本・インテリア雑貨・観葉植物をディスプレイ。
幅1.5m程度で、厚みがあるタイプ。壁の高さを目いっぱい使ってカフェのような雰囲気を演出。
いかがでしたか?
ウォールシェルフは、手軽にインテリアをおしゃれにできるアイテムです。
素材・色・サイズ・飾り方を駆使して、殺風景な壁面を自分色にコーディネートしてみましょう。