床の色が「黒っぽい」または、「濃い茶色」や「暗い茶色」だった場合、白っぽい茶色や薄い茶色の床の空間と比べると狭苦しく見えがちです。
下の2つは、ソファ・ラグ・チェア・オットマン(テーブル)の色は全く同じで、床の色だけが違う空間です。
同じ面積の部屋なのに、「床の色が暗い」というだけで、狭い印象を受けます。
では、暗い色の床は、明るい色の床と比較すると狭く見えるのは仕方のないことですが、床以外の色を気にすることで、開放的な印象をアップさせることができます。3つの方法を紹介しますので、インテリアコーディネートのヒントにしてください。
暗い床と白っぽい壁&天井を組み合わせる
近年は、壁や天井に色のついた(白以外の)壁紙を貼ったお宅が増えています。しかしながら、暗い色の床の空間では、床の色と対比させるように、白っぽい色の壁や天井と組み合わせると、開放的な印象がアップして見えます。
上記の2つは、床・ソファ・ラグ・チェア・オットマン(テーブル)の色は全く同じで、壁&天井の色だけが違う空間です。
グレーの壁&天井の空間よりも、ホワイトの壁&天井の空間の方が解放感があり、リビング全体が明るく見えます。
暗い色のフローリングの吹き抜けリビングに、真っ白な壁をコーディネート。
床に、薄めのグレーのラグを敷き、黒っぽい茶色のレザー製2人掛けソファをレイアウト。ソファとコの字に、ダークブラウンの木製肘掛けとグレージュのファブリック製座面を組み合わせたアームチェア2脚、グレーのファブリック製ラウンジチェア2脚を配置。ソファの前に、艶のある真っ黒な長方形テーブルを置いて高級感をアップ。壁と一体化したホワイトの埋め込み収納を使って、解放感をアップしたインテリア。
暗い茶色のフローリングのリビングに、白っぽいグレーの壁&天井をコーディネート。
床に、白っぽいグレーのラグを敷き、白っぽいベージュの2人掛けソファを対面式に2台レイアウト。中央に黒っぽい茶色の金属製フレームとガラスを組み合わせた楕円形のテーブルを配置。全体的に淡い色でまとめ、圧迫感のない空間を演出したインテリア。
黒っぽい茶色のフローリングのリビングに、白の壁&天井をコーディネート。
床に、白っぽいグレー×濃いグレーのふかふかしたラグを敷き、グレーのコーナーソファをレイアウト。ソファとコの字に、ブラックレザーの丸みのあるアームチェアを配置。テレビボードとコーヒーテーブルをブラック×木目デザインにして、かっこいい雰囲気をアップ。壁と天井以外を濃いめの色で配色した落ち着きのあるインテリア。
スモーキーな暗い茶色のフローリングのリビングに、白っぽいベージュの壁&白の天井をコーディネート。
床に、細い模様が入ったグレーのラグを敷き、壁を背に、白っぽいグレーのフロアコーナーソファをレイアウト。ソファの前に、ブラック金属脚と薄いグレーのコンクリート調天板を組み合わせた長方形テーブル、ソファと対面に、黒のキャビネットとくすんだ濃いめの茶色の木目扉を組み合わせたテレビボードを配置。グレー・くすんだ茶色・黒を組み合わせて上質な空間を演出したインテリア。
暗い茶色のフローリングのリビングに、白っぽいグレーの壁&白の壁、白の天井をコーディネート。
床に、白っぽい茶色のラグを敷き、丸窓を背に、白っぽいベージュの2人掛けフロアソファをレイアウト。もう1つの丸窓の下に、白っぽいグレーのシンプルなデザインのサイドボードを配置。リビングテーブルとバタフライチェアで濃い色を足して、空間を引き締めた北欧スタイルのインテリア。
暗い床と白っぽい色のラグを組み合わせる
リフォームで床材を張り替えない限り、床そのものの色を変えることは不可能です。
しかしながら、床の上に乗せるラグの色を白っぽい色にすると、開放的な印象がアップして見えます。
上記の2つは、床・壁・天井・ソファ・チェア・オットマン(テーブル)の色は全く同じで、ラグの色だけが違う空間です。
空間の一番下に、白っぽい色を配色することで空間全体が軽やかな印象になり、開放的に見えます。
艶のある暗い茶色のフローリングのダイニングに、くすんだベージュのニット風デザインのラグをコーディネート。
中央に、明るい茶色の木製正方形ダイニングテーブルをレイアウト。テーブルの周りに、薄い茶色の木製脚とグレージュの座面を組み合わせた丸みのあるデザインのアームチェアを配置。カーテンをホワイト、ペンダントランプをピンクゴールドにして、ナチュラルな空間を演出したインテリア。
暗い茶色のフローリングと薄いグレーの壁のリビングに、オフホワイトのラグをコーディネート。
壁を背に、薄いグレーの3人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、茶色の木製脚とホワイト×グレーの大理石調天板を組み合わせた楕円形テーブルを配置。ソファと反対側に、薄い茶色の木製ラウンジチェア、薄い茶色の木目のサイドボード、薄い茶色の木目の鉢に入れた観葉植物を並べて、ナチュラルで上品な空間を演出したインテリア。
赤みが強い暗い茶色のフローリングとくすんだ濃いベージュの壁紙、グレーの天井のリビングに、白っぽいグレーのシャギーラグをコーディネート。
窓側のコーナーを背に、グレーのコーナーソファをレイアウト。ソファの前に、濃いめの茶色の木製正方形テーブル、ソファと対面に、濃いめの茶色の木目のテレビボードを配置。ソファとラグ以外を濃いめの色でまとめた、落ち着きとナチュラル感のあるインテリア。
くすんだ濃い茶色のフローリングとベージュの壁紙のリビングに、白っぽい茶色のラグをコーディネート。
大きな窓を背に、薄いベージュの3人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、ブラウン×ブラウンの大理石調天板を3枚重ねたデザイン性の高い長方形テーブルを配置。ベージュと茶色を組み合わせて、温もりとリラックス感のある空間を演出したインテリア。
暗い茶色のフローリングと濃いめのグレーのマットなアクセントクロス、グレーのコンクリート天井のリビングに、濃いアイボリー×白っぽいアイボリーのラグをコーディネート。
壁を背に、白っぽいベージュレザーの2人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、ブラック金属脚と薄い茶色の木製天板を組み合わせたベンチ型テーブル、ソファと斜めに、ソファと同じデザインのパーソナルソファ、コーナーを背に、ホワイトのコンパクトなテレビ用テーブルを配置。壁&天井をグレーにして、非日常感をアップしたインテリア。
濃い茶色のフローリングのリビングダイニングに、ベージュのシャギーラグをコーディネート。
壁を背に、ホワイトの2人掛けソファをレイアウト。リビングテーブルとダイニングテーブルをブラック、リビング収納家具とダイニングチェアを濃い茶色の木目にして、重厚感をアップしたインテリア。
暗い床と薄い(明るい)色の家具を組み合わせる
「家具の色は、床色に合わせて選ぶと、まとまりが出る。」と言われていますが、暗い色の床の空間では、コレが空間を余計に狭苦しく見せてしまう原因になることもあります。
暗い色の家具は、明るい色の家具と比較すると、重厚感や高級感がありますが、空間の解放感を重視したいなら、薄い(明るい)色の家具を選ぶようにしましょう。
上記の2つは、床・壁・天井・ラグ・チェアの色は全く同じで、ソファ・オットマン(テーブル)の色だけが違う空間です。
白っぽいソファ&オットマンを置いた空間は、ソファが白っぽい壁と一体化して見え、広々とした印象です。白っぽい色や薄い色、明るい色は、「汚れが目立つ」というデメリットがありますが、空間を広く見せたいなら、壁の色と明るさを揃えて、ソファの存在感をなくしましょう。
テーブルやテレビボードや椅子など、木の色をした家具をコーディネートする場合も、薄い(明るい)色を選びましょう。
黒っぽい茶色のフローリングのダイニングに、オフホワイト×ブラックのカウハイドラグを敷き、ホワイトの長方形ダイニングテーブルをコーディネート。
テーブルの周りに、白っぽい茶色の曲線デザインの木製チェアを配置。テーブルの真上に、ホワイトの大きめの金属製ペンダントランプを2灯ハンギング。床以外を白っぽい色でまとめ、白の面積を多くして、開放的で清潔感のある空間を演出したインテリア。
暗い茶色のフローリングのリビングダイニングに、白っぽいグレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、くすんだベージュのラグを敷き、明るい茶色の木×ベージュの丸型スツールテーブルを3台レイアウト。ダイニングスペースに、ベージュのラグを敷き、茶色の木製長方形テーブル、ホワイトの曲線デザインの木製チェアを配置。クッションと雑貨で濃い青を足して、海っぽい涼しげな空間を演出したインテリア。
木目が見える暗い茶色のフローリングのリビングダイニングに、グレージュの3人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ホワイト×薄いブルーのランダム模様のラグを敷き、濃い茶色の木製脚と濃いグレーの天板を組み合わせた丸型テーブルをレイアウト。ソファ正面の壁に、ホワイト×グレーの立体的なデザインのアクセントクロスを貼り、ホワイトのテレビボードを配置。ダイニングスペースはホワイトで統一。個性的な柄を取り入れて、モダンな印象をアップしたインテリア。
暗い茶色のヴィンテージなフローリングのリビングに、明るいグレーのコーナーソファをコーディネート。
ソファの下に、白っぽいベージュの大きなラグとホワイト×濃いグレーの小さめのラグを重ねて敷き、ホワイトの長方形テーブルをレイアウト。ソファ正面の壁に、シンプルなデザインのホワイトのテレビボード、ソファ側面のコーナーの壁に、ホワイトの3段ウォールシェルフをハンギング。ソファ以外の家具をホワイトで統一して、清潔で解放感のある空間を演出した北欧スタイルのインテリア。
くすんだ濃い茶色のフローリングとグレーの壁紙のリビングに、オフホワイトの寝椅子付き2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ベージュのラグを敷き、白っぽい茶色の木製丸型テーブルをレイアウト。ソファとコの字に、ブラウンレザーのラウンジチェアを2脚配置。木製ウォールシェルフ、カウンター型収納の木の色を明るめの茶色にして、ナチュラルで広々とした空間を演出したインテリア。
黒っぽい茶色のフローリングのLDKに、薄いグレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、薄いグレー×白っぽいグレーのヴィンテージ感のあるデザインのラグを敷き、シルバー金属脚とくすんだ薄い茶色の木製天板を組み合わせた丸型テーブルをレイアウト。対面キッチンの扉は、リビングテーブルと似た白っぽい茶色の木目。グレーの面積を多めにして、冷たく、生活感のない空間を演出したインテリア。
濃い茶色のフローリングのLDKに、ホワイトの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ベージュの大きなラグを敷き、ゴールド金属脚とホワイト×グレーの大理石調天板を組み合わせた丸型テーブルをレイアウト。窓際のダイニングスペースに、ベージュのラグを敷き、明るい茶色の木製長方形テーブル&チェアを配置。リビング側に、ラウンジチェアや照明器具で濃いイエローを足して、温もりとくつろぎ感をアップしたインテリア。
暗い色の床の空間を開放的に広く見せる3つの方法を紹介しましたが、コーディネートの参考になったでしょうか。
一番最初に紹介した「壁や天井に白っぽい色を使う」は、深く考えないでも出来るコーディネートですが、近年は、壁の一部に白以外の色を使うアクセントクロスが定番化しつつあります。
暗い色の床にアクセントクロスを使う場合、床色に合わせて暗い色を選ぶと、残りの壁や天井の白さが際立ち、より開放的に見えることがあります。これは、黒っぽい色に、物を遠くに見せる後退効果がある為です。
後退効果を生かしたカラーコーディネートの仕方が気になる方は、下記のコラムもご覧ください。