「白いインテリアを作りたい。」
白は、「圧迫感が少なく、広々とする。」「何色とでも合わせやすい。」などポジティブな印象があり、「壁や天井を白でまとめた空間で過ごしている。」という方も多いのではないでしょうか。
また、白は空間の邪魔をしにくい色なので、インテリアをシンプルにまとめたい時に欠かせない色でもあります。
しかしながら、白インテリアには、メリットだけでなく、デメリットもあり、コーディネートを間違うと、寒々しく感じる空間や単調な印象の空間を作ってしまいます。
白を基調としたインテリアコーディネートをしたい時のヒントとなる5つの知識と空間ごとの実例を紹介していきましょう。
白いインテリアのメリットとデメリット
狭い空間に、コーディネートするのがおすすめの「白」。
白は主に、壁や天井に使う色ですが、収納家具・テーブル・椅子・ソファ・ラグ・カーテン・クッションなどで取り入れるインテリアコーディネートもあります。
白いインテリアのメリットは?
白いインテリアのメリットは、「明るく見える。」「広く見える。」「清潔感がある。」です。
同じ空間でも、壁と天井の色を白にした場合と濃い色にした場合では、白の方が明るくて広く見えます。この感覚の違いは、下の「白い壁&天井のリビング」と「ダークグレーの壁&天井のリビング」の画像を見比べると一目瞭然。
白い壁&天井のリビング(左)が光がたっぷり入った明るい空間で広々とした印象なのに対し、ダークグレーの壁&天井のリビング(右)は、暗くて狭い印象です。
白いインテリアのデメリットは?
白いインテリアのデメリットは、「寒々しく見える。」「汚れが目立つ。」「緊張感がある。」です。
明るく見え、圧迫感が少なくて、清潔感のあるインテリアを作ろうと室内にある全てを白でまとめてしまうと、冷たくて緊張感のある空間になってしまいます。この感覚の違いは、下の「壁・天井・ソファ・オットマン・ラグを白でまとめたリビング」と「壁・天井を白でまとめたリビング」の画像を見比べると一目瞭然です。
壁・天井・ソファ・オットマン・ラグを白でまとめたリビング(左)は、壁・天井を白でまとめたリビング(右)と比べて、リビング全体が寒々しく、緊張感のある(リラックス感が少ない)空間に見えます。
白いインテリアでまとめると良い空間
上で述べた通り、インテリアを白でまとめることには一長一短がありますが、白の特徴を最大限に活かしたコーディネート法もあります。白を使うのに適した場所は、
- 清潔感を必要とするキッチン・お風呂・洗面・トイレなどの水回り
- 窓が小さい、狭いなど、光があまり入らない狭い部屋
- 掃き出し窓が小さく、暗く見えるリビング
などです。
白とちょっぴり違う白に似た色
白に似た色には、「クリーム色」「アイボリー」「ベージュ」「薄いグレー(ライトグレー)」などがあります。
前者の3色は、暖色をベースとした淡い色(白っぽい色)なので、白でまとめたインテリアよりも温もりが増して見えます。薄いグレー(ライトグレー)は、無彩色なので無機質な印象や冷たい印象のインテリアになります。
白のデメリットを緩和する色2つ
白のデメリットで「緊張感を生む」を挙げましたが、白の広さを演出する特徴を最大限に活かして、リラックスできる空間を演出する方法に、「茶色」や「緑」を取り入れるがあります。
茶色は木や土、緑は植物の色なので、真っ白な空間に、ちょっぴり取り入れるだけで、落ち着いた印象になります。
白いインテリアの空間別コーディネート実例
白い玄関
白のタイル床の玄関に、昼白色の細いライン照明を入れた白い壁&天井をコーディネート。
ドアも白にして、近未来的な空間を演出したインテリア。
濃いめのグレーのコンパクトな正方形タイル床の玄関に、白の棚柱と白の棚板を組み合わせたオープンシェルフをコーディネート。
下駄箱も白。フローリング・玄関框・付け框・階段を薄い茶色の木目にして、清潔感溢れる空間を演出したインテリア。
薄めのグレーのモルタル調床の玄関に、白のフロートタイプの玄関収納をコーディネート。
ドア・窓枠・サッシ・框も白。フローリングを白っぽい茶色の木目にして圧迫感の少ない空間を演出したインテリア。
白いキッチン空間
くすんだ薄めの茶色のフローリングのキッチン空間に、白の框扉の壁付+アイランドキッチンをコーディネート。
アイランドキッチンの真上に、くすんだ薄いブラウンの丸いシェードのペンダントランプを3灯ハンギング。対面側に、黒の金属脚と薄い茶色の木の編み込み座面のカウンターチェアを3脚レイアウト。ベージュっぽく見える薄い茶色をポイントで取り入れたナチュラルな印象のインテリア。
茶色の床のキッチン空間に、白の框扉のコの字型対面キッチンをコーディネート。
調理機器側の壁に、白のウォールシェルフを1段+3段取り付け、白の鉢に入れた観葉植物を4個ディスプレイ。対面カウンターの上に、白の金属シェードのペンダントランプを3灯ハンギング。キッチン空間を真っ白にして、癒しのグリーンを少しだけ加えたインテリア。
グレイッシュなブラウンのフローリングのオープンキッチンに、白の扉のアイランドキッチンをコーディネート。
キッチン背面のキッチン収納も白。アイランドの隣に、薄めの茶色の長方形木製ダイニングテーブルをくっつけて、黒の木製脚とグレーのファブリック製座面を組み合わせたアームチェアをレイアウト。アイランドキッチンの真上に、白のシェードの大きなペンダントランプを1灯ハンギング。梁とテーブルで木の色を加えて、リラックス感をアップしたインテリア。
白いダイニング空間
茶色のフローリングのダイニングキッチンに、白の框扉のL型対面キッチンをコーディネート。
キッチンの隣のダイニングスペースに、黒のギザギザ模様が入ったベージュのラグを敷き、茶色の木製脚とガラス天板を組み合わせた長方形ダイニングテーブルをレイアウト。テーブルの周りに、白のムートンラグを乗せた、薄めの茶色の木製脚とホワイトの座面を組み合わせたチェアを配置。テーブルの短い方の面に、濃いめの茶色レザーのチェアを置いて、温もりとくつろぎ感を加えたインテリア。
白のタイル床、白の壁&天井、白のドアのダイニングに、シルバー金属脚とガラス天板を組み合わせた長方形ダイニングテーブルをコーディネート。
テーブルの周りに、シルバー金属脚と白の座面を組み合わせたチェアをレイアウト。カーテン・収納家具・ドア・ミラーフレームも白。白の空間に、白の家具を組み合わせ、金属色やガラスを加えて、無機質な空間を演出したインテリア。
白の床&壁&天井のLDKに、白の金属脚とガラス天板を組み合わせた長方形ダイニングテーブルをコーディネート。
テーブルの周りに、白の金属脚と白の座面を組み合わせたチェアをレイアウト。ダイニングから見えるソファやテーブルランプのシェード、螺旋階段も白。壁の一部をグレージュにして、開放的で上質な空間を演出したインテリア。
白いリビング空間
ダークブラウンのフローリングと薄いグレーの壁紙のリビングに、白の2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、黒の線が少し混じった白っぽいグレーのラグを敷き、引き出し付きの白の長方形テーブルをレイアウト。テーブルの下に、白のストレージボックスを2個配置。ソファ用クッションで黒っぽい茶色、編み込みデザインの丸型座クッションで薄いグリーンを加えて、寒々しさを緩和したインテリア。
グレイッシュな暗い茶色のフローリングのリビングに、白の2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ベージュの大きなシャギーラグを敷き、白っぽい茶色と黒っぽい茶色をミックスした天然木の長方形テーブルをレイアウト。ビーズクッション・ソファ用クッションを白っぽいベージュやアイボリーにして、ほんのり色を加え、温もりをアップしたインテリア。
茶色のフローリングのリビングに、白の2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、グレーの線×白の幾何学模様のラグを敷き、シルバーの楕円形テーブルをレイアウト。壁や窓に沿って、白のテレビボード、白の寝椅子、白のアームチェアを配置。空間のほとんどを白にして、開放的で清潔感のある空間を演出したインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、白のコーナーソファをコーディネート。
ソファの前に、黒の線×ベージュの菱形模様のラグを敷き、白の丸型テーブルをレイアウト。テレビボード・1人掛けソファ・窓用シェードを茶色、または茶色の木目で統一。背の高い観葉植物や壁面に飾った絵で緑を加えて、くつろぎ感をアップしたインテリア。
白いベッドルーム
ベージュのカーペット床の狭いベッドルームに、ベッドリネンを白でまとめたコンパクトなベッドをコーディネート。
ベッドの頭側に、天井まである白の間仕切り収納家具をレイアウト。狭いスペースを白を基調としてまとめ、窮屈な印象を少なめにしたインテリア。
グレーのヴィンテージなフローリングのベッドルームに、ベッドリネンを白でまとめたフロアベッドをコーディネート。
大きな面積を取るベッドを白だけにしたシンプルで殺風景な印象の北欧スタイルのインテリア。
白っぽいナチュラルブラウンのフローリングの狭いベッドルームに、引き出し収納付きの白のベッドをコーディネート。
ベッドの隣に、薄い茶色の木目×ホワイトのデスクをレイアウト。デスクに白の金属製スツールを組み合わせ、ベッドの頭側に、薄めの茶色の木製丸型テーブルを配置。木目をポイントで取り入れて、リラックス感をアップした北欧スタイルのインテリア。
白いワークルーム
ナチュラルブラウンのフローリングの狭いワークルームの掃き出し窓に向かって、シンプルなデザインの白のデスクをコーディネート。
黒×白×シルバーのワークチェアをレイアウト。チェア背面の壁に、白のシンプルな腰までの高さの収納家具を配置。カーテンもオフホワイトにして、すっきりとした印象の空間を演出したインテリア。
ホワイトの床のワークルームの大きな窓に向かって、浅型引き出し付きの白のカウンターデスクをコーディネート。
デスクの両側の壁に、白の収納をレイアウト。デスク背面のスペースに、濃い茶色×濃い紫のヴィンテージなオリエンタルラグを敷き、白のレザー製2人掛けソファを配置。大きな窓がある開放的な空間を白を基調としてまとめ、圧迫感の少ない空間を演出したインテリア。
グレイッシュなベージュの床のワークルームの壁に向かって、白のデスクをコーディネート。
キャスター付きの黒の金属脚と白の座面を組み合わせたワークチェアをレイアウト。デスク横の壁に、幅の狭い、白のオープンシェルフを取り付け、カラフルな本・カメラ・雑貨をディスプレイ。家具をシンプルにまとめ、小物の色で個性を出したインテリア。
インテリアを白にすることのメリットやデメリット、白を使うのに最適な場所(空間・部屋)がわかったでしょうか。
白は、空間を邪魔しない色でもある為、白を基調とした空間に、赤・オレンジ・紫などの目立つ色を取り入れてシンプルかつスタイリッシュなインテリアを作ることもできます。
また、白をレースやシフォンなどのふんわりとした素材を使ったアイテムで取り入れると、優しさを感じる空間になりますので、色だけでなく、素材感も意識してコーディネートしてみましょう。