白い壁の部屋とコーディネートしやすい白っぽいグレーやベージュ・アイボリーのインテリア。
これらの色をファブリックに取り入れたインテリアは、普遍的でどんな世代にも合い、飽きがこないのが魅力です。
しかしながら、逆の見方をすれば、「変わり映えしない」「これといった特徴が無い」「物足りない」とも感じるコーディネートでもあります。
また、「そもそも、薄いグレーとベージュやアイボリーは合うの?」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
その答えやベージュ×グレーのインテリアをもさっと見えなくするコツを紹介していきましょう。
ベージュ×グレーの無難なインテリア
淡いベージュとライトグレーは、どちらも白っぽい色で、ベージュは暖色、グレーは寒色です。
- ベージュのソファにグレーのラグ
- グレーのカーテンにベージュのラグ
など、この2色を組み合わせるのは変な気がしてしまいます。
変だと思う理由は「ファッションでグレーとベージュのコーディネートをあまりしないからではないか」と筆者は考えます。
でもインテリアでは、ベージュ×グレーの組み合わせは、ごく一般的。ナチュラルなインテリアや北欧インテリアをはじめとしたインテリアテイストや清潔感のあるコーディネート、部屋を広々と見せたい時に積極的に使いたい配色です。
淡いベージュのソファとライトグレーのラグをコーディネートし、透明のコーヒーテーブル、鏡面ホワイトのテレビボードを組み合わせたモダンなリビング。
乱雑さを感じない広々と感じるインテリア。暗い茶色の床色のリビングでも、この組み合わせをすることで、開放感を感じる空間を演出。
ライトグレーのソファとベージュの麻ラグをコーディネートし、ナチュラルブラウンの木製テレビボードを組み合わせたナチュラルなリビング。
観葉植物が似合う、癒しを感じるインテリア。
ライトグレーのソファとベージュのラグをコーディネートし、ホワイトの扉がついた木製テレビボードを組み合わせた北欧リビング。
冷たさと暖かさの両方を組み合わせた年中使えるインテリア。長細いリビングダイニングに白っぽい色を使って開放感を演出。
しかしながら、周囲と馴染む似た色同士の組み合わせなので「何か物足りない」と感じてしまうことも。ベージュ×グレーのインテリアをセンス良く見せるテクニックを4つのポイントに絞って紹介していきましょう。
センスアップポイント①:明るさ暗さにメリハリをつける
ベージュとグレーを組み合わせる時は、どちらかの色の明度を下げるとメリハリを感じるコーディネートになります。
暗いグレーのソファとベージュのラグをコーディネートしたリビング。
ラグは、ナチュラルブラウンのフローリングとほぼ同じベージュにして、ラグの存在を消し、ソファを暗くすることで、ソファの存在感がアップ。
やや暗めのグレーのソファとベージュのラグをコーディネートしたリビング。
1つ目のソファよりも明るいグレーなので、冷たい印象。ラグとコーヒーテーブルを似た色にして、ソファが目立つインテリアに。
淡いベージュのソファと暗いグレーのラグをコーディネート。
ラグを黒っぽい色にすることで、インテリアが引き締まって見えます。ソファは白い壁と馴染んだ色なので存在感が薄く「3人掛けの大きなソファが狭いリビングを占領している」という印象がしません。
センスアップポイント②:パターン柄のラグをコーディネートする
1つ目のような「暗い色(特にグレー)を使いたくない」という場合は、無地のラグではなく、柄が施されたラグにすることで、明るく広い雰囲気を保ったままのおしゃれコーディネートが実現します。
ラグ:ベージュ
ライトグレーの2人掛けソファと茶色の線が斜めに入った淡いベージュのラグをコーディネート。
コーヒーテーブルとテレビボードをホワイトにした北欧インテリア。床の8割を占めるラグに、茶色の線を足すだけで、メリハリを演出。
グレーの2人掛けソファと茶色の線が斜めに入った淡いベージュのラグをコーディネート。
1つ目と似たデザインのラグですが、こちらは両端にギザギザ模様入り。家具は、暗めの茶色の木製を中心に組み合わせて、引き締まった印象をアップ。
ライトグレーの寝椅子ソファとクロコダイル柄のような茶色の線が入ったベージュのラグをコーディネート。
不規則なラグの模様がリビングにくだけた印象とおしゃれさを演出。明るい茶色の木製家具を組み合わせた北欧リビングです。
ライトグレーのコーナーソファとホワイトにベージュの模様が入ったラグをコーディネート。
これまでのラグとは違い、ホワイトをベースにしたラグなので開放的な印象がアップ。コーヒーテーブルにもホワイトを採用。
グレーのソファと黒・茶色・グレーで菱形を描いたベージュのラグをコーディネート。
個性的な柄がモダンなリビングを演出。柄入りのラグを選ぶときは、このラグのようにハッキリと柄が目立つものではなく、薄っすらと柄が入ったデザインでもおしゃれな雰囲気を演出することができます。
ライトグレーのコーナーソファと版画のような模様が薄っすら入ったベージュのラグをコーディネート。
「何となく柄が見える程度」のラグなので、インテリアの邪魔をせず、上品な印象。
ラグ:グレー
淡いベージュの3人掛けソファと黒の線が斜めに入ったライトグレーのラグをコーディネート。
グレーのラグのところの一番最初にある組み合わせとソファとラグの色を逆にしたもの。床面をライトグレーにした方が冷たさがアップ。
ベージュの2人掛けソファとホワイト×グレーの花柄のラグをコーディネート。
コーヒーテーブルとテレビボードはホワイトで冷たい印象ですが、ソファとダイニングチェアをベージュにすることで居心地の良さを演出。
ベージュの2人掛けソファと明度が違うグレーを使った北欧柄のラグをコーディネート。
冷たさを感じるグレーなのに、編み物のようなデザインが温もりをアップ。コーヒーテーブルは、明るい茶色の木製です。
ベージュの2人掛けソファとグレーのオリエンタル柄のラグをコーディネート。
床面ヒンヤリ。ソファにもライトグレーのクッションやブランケットが組み合わせてありますが、ベージュとグレーが隣同士にあっても「変な組み合わせ」だと感じません。
ベージュのコーナーソファとグレーの菱形のパターン柄のラグをコーディネート。
ラグの模様が目立って見える個性的なインテリア。大振りの柄は、狭い部屋に使うと余計に狭く見えてしまうので、注意しましょう。
ベージュの3人掛けソファとグレーのパッチワークデザインのラグをコーディネート。
「センスアップポイント①:明るさ暗さにメリハリをつける」と「センスアップポイント②:パターン柄のラグをコーディネートする」を組み合わせたインテリア。黒っぽいラグがかっこいいリビングを演出。
センスアップポイント③:パターン柄のクッションを取り入れる
「柄入りラグが見つからない」「どんな柄のラグをコーディネートしたら良いか迷って決められない」という場合は、ラグを無地にして、ソファに柄入りのクッションを組み合わせてみましょう。
クッションなら、値段が安く、「失敗した」と後悔することがあっても、わりと簡単に取り替えることができます。
ソファ:ベージュ
ベージュのソファとライトグレーのラグを組み合わせ、黒×ホワイトのパターン柄のクッションを2種類、2個ずつ、合計4個コーディネート。
同じ色のクッションで、1種類は大柄、もう1種類は小ぶりな柄というメリハリをつけた、おしゃれな組み合わせです。
ベージュのソファとライトグレーのラグを組み合わせ、黒×ホワイトのパターン柄のクッションを2種類コーディネート。
1つはゼブラ柄でもう一つは菱形。両方とも繊細なデザインなので、上品な印象がアップ。
ベージュのソファとライトグレーのラグを組み合わせ、ベージュ地に茶色のギザギザ模様が入ったクッションを2個コーディネート。
これまでは、ラグとクッションの色を同じ無彩色(ホワイトと黒)にしたパターンでしたが、これは、ソファとクッションの色を合わせたパターン。同系色なので、ソファと馴染み、温もり感もアップ。
ソファ:グレー
ライトグレーのソファと白っぽいベージュのラグを組み合わせ、ホワイトと黒とグレーの無彩色を使った、鳥柄、菱形、ゴシック柄の3種類のクッションをコーディネート。
パターン柄の取り入れ方がおしゃれ。ホワイト・黒・グレーは明度が違うだけなので、この3種類の色を使ったクッションなら、どんな柄同士を組み合わせても「合わない」と感じることはありません。
ライトグレーのソファとベージュのラグを組み合わせ、ホワイト×黒の水玉、ホワイト×グレー×黒の幾何学模様、ベージュ×ホワイトの水玉のクッションをコーディネート。
「ソファに合う無彩色のクッション」と「ラグと色を合わせたクッション」の2種類の色使い。他にグレイッシュな薄いピンクのクッションも混ぜて、ほんのり暖かく、にぎやかなソファ周りを演出。
ライトグレーのソファとベージュのラグを組み合わせ、ホワイト地に緑のリーフ柄のクッションをコーディネート。
窓辺にディスプレイしてある観葉植物を意識したクッションの柄。ソファ周りに緑をプラスすることで癒しのリビングを演出。
センスアップポイント④:黒を足す
黒は、インテリアを引き締めるのに最適な色です。
特に、ベージュ×グレーの白っぽい組み合わせに、黒を混ぜると、黒が際立って見えるので、他の色でコーディネートしたインテリアよりも効果を発揮します。
黒の面積が大きいと、ベージュ×グレーの広々とした印象が失われてしまうので、ほんの少し足すことを意識しましょう。
ソファ:ベージュ×ラグ:グレー
ベージュの3人掛けソファとライトグレーのラグを組み合わせ、フロアランプ、サイドテーブル、コーヒーテーブルの脚、チェアの脚、絵の額縁を黒でコーディネート。
細く華奢な場所に黒を取り入れて、インテリアを引き締め。壁の前に置いてあるベンチは、ダークブラウン。
ベージュの2人掛けソファとライトグレーのラグを組み合わせ、丸型のコーヒーテーブルとワゴン収納を黒でコーディネート。
1つ目よりも黒の面積は多めですが、明るい茶色の木製チェアや茶色の木製ウォールキャビネットを使うことで黒とのバランスを取り、温もりを演出。
ベージュのソファとライトグレーのラグを組み合わせ、クッションとチェアを黒でコーディネート。
リビングの中心を黒で引き締めたインテリア。コーヒーテーブルも黒の丸型です。
ベージュの2人掛けソファとライトグレーのラグを組み合わせ、コーヒーテーブル、ブランケット、クッション、ブランケット、絵の額縁を黒でコーディネート。
額縁やテーブルを使って壁と床に黒の線を足し、ベージュ×ライトグレーの殺風景な印象を解消。「座ってる時」「立ってる時」のそれぞれの目線の位置に観葉植物を置いて、癒しもプラス。
ソファ:グレー×ラグ:ベージュ
グレーのソファと白っぽいベージュのラグを組み合わせ、クッション、コーヒーテーブル、グレーのチェアのひじ掛けを黒でコーディネート。
壁にもモノトーン写真をディスプレイ。カクカクした場所に黒を使ったかっこいいリビング。
グレーのコーナーソファとベージュのラグを組み合わせ、メッシュチェア、コンソールテーブル(ベンチ)、絵の額縁、観葉植物の鉢を黒でコーディネート。
1つ目よりも黒の面積が少なく「モノトーンの部屋」という印象が強いリビング。ソファには、柄が目立たないグレイッシュな茶色や緑のパターン柄のクッションを置いて、癒しを少しだけプラス。
グレーのコーナーソファとベージュのラグを組み合わせ、ブランケット、チェア、シャンデリアの電球、絵の額縁を黒でコーディネート。
床・壁・天井の3か所に黒を取り入れたパターン。ソファの前のコーヒーテーブルや壁面のオープンラックがホワイトなので、黒がほとんど目に入らないインテリア。
グレーの2人掛けソファと黒の線入りのベージュのラグを組み合わせ、コーヒーテーブル、チェアを黒でコーディネート。
黒っぽい床に、明るいベージュのラグを敷き、その上に黒の家具を乗せることで、黒を強調。黒の引き締め効果がわかりやすいインテリア。
無難に見えるベージュとグレーの組み合わせも「濃さを変える」「柄を意識する」「黒を足す」ことで劇的におしゃれなコーディネートになることがわかりましたね。
既にベージュとグレーでコーディネートしている部屋で「濃さを変える」は無理ですが「黒を足すは」簡単です。
クッション、本、インテリア雑貨、ストレージボックス、食器など手近なものを使ってプラスしてみましょう。
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