床に家具、家の中にある大半の素材と相性が良い「緑」。
緑と聞くと、植物や山などの自然を思い浮かべ「リラックスできるインテリアにしたい時に使う色」と思ってしまいがちですが、緑の効果は、これだけではありません。
緑は、色による「暑さ・寒さ」「狭さ・広さ」の影響を受けにくいことが特徴なので
- 年間を通して快適に感じる
- 寒色・暖色どちらとも合う(例:「緑と青」「緑と赤」など)
といったメリットがあり、カラーコーディネートがしやすい色の代表です。
また、緑には「黄緑」と「緑」の2種類がありますが、彩度・明度違いのどんな黄緑・緑でも、茶色の家具と合うので「この明るい緑に、この暗い茶色の家具は合うかしら?」といったような組み合わせ方に悩むことが少ない万能カラーです。
その為、壁の一面だけ色を変えるアクセントクロスに悩んだ時、黄緑・緑を選定すると、失敗することがありません。
■黄緑のアクセントクロスを貼ったLDKのイメージ
■緑のアクセントクロスを貼ったLDKのイメージ
「黄緑」「緑」のアクセントクロスを使ったコーディネート例を木の色や他の色との組み合わせ方に注目しながら見ていきましょう。
アクセントクロス:黄緑
暗い茶色×アクセントクロス:黄緑
黒っぽい茶色のフローリングのリビングに、明度が高く彩度が低い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁の前に、ウォールシェルフ付きのホワイト×黒のテレビボードをプラスし、くつろぎスペース側は、赤のレザー製パーソナルソファとグレーのパーソナルソファをレイアウト。無彩色コーディネートの中に、ほんのりと優しい緑で着色したようなインテリア。
グレーのカーペットを敷いたリビングに、明度が低く彩度が低い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
コーヒーテーブル、サイドテーブル、ラウンジチェアのそれぞれの木の脚は全てダークブラウン。アイボリーのソファ、くすんだオレンジ色のクッションをプラスし、温かくリラックスできるリビングを演出。
黒に近い茶色のフローリングの縦長リビングの長い壁に、明度が高く、彩度が低い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
ホワイトのレザー製3人掛けソファとホワイト×黄緑(アクセントクロスと同色)の植物柄のラグをプラス。ソファの上にも、アクセントクロスと同じ黄緑のクッションをコーディネートした統一感のある色使い。床以外は、ホワイトを基調としたカラーコーディネートなので、広々&スタイリッシュな印象。
茶色×アクセントクロス:黄緑
茶色のフローリングのダイニングに、はっきりとした黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
テーブルはホワイトの丸型で、チェアは明るいグレーのファブリック製。アクセントクロスを貼った壁にシルバーフレームのミラーを飾り、チェアの脚と色を統一。無彩色とシルバーを組み合わせ、都会的な印象のダイニングを演出。
茶色のフローリングのダイニングの対面キッチン側の壁に、黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
床色と同じ茶色のダイニングテーブルと椅子をプラス。窓側の壁を黒にして、ダイニングチェアの座面やAV機器との色を統一。袖壁ではなく、対面壁にアクセントクロスを使った珍しいコーディネート。
茶色のフローリングのリビングダイニングに、鮮やかな黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
窓側の壁にアクセントクロスを貼り、違う面のホワイトの壁に、床色と同じ茶色のサイドボードをレイアウトし、中央に床色と同じ茶色の木製ダイニングテーブルセットをプラス。サイドボードの対面にオレンジ色のソファを置いて暖色をプラスした、温もりと癒しを感じるインテリア。
茶色のフローリングのダイニングのニッチ壁に、黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁に、腰までの高さの茶色の木目扉のキャビネットをレイアウト。手前のダイニングスペースにも茶色の木製のダイニングテーブルと椅子をコーディネートし、くつろぎ感のある食事スペースを演出。
茶色のフローリングのダイニングに、暗い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
コーナー寄りにシルバーの丸型テーブルと透明チェアをプラスし、開放的で清潔感のある食事空間を演出。アクセントクロスを貼った壁に、アクセントクロスと同じ色で数字を書いたホワイトのポスターを飾り、おしゃれな印象をアップ。
茶色のフローリングのダイニングに、彩度が低く、明度が高い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁の前に茶色にも見えるオレンジのサイドボード、ダイニングスペースの中央にホワイトの楕円形テーブルとホワイトのレザーチェアをプラス。「テーブル周りは冷たく、壁付近は暖かく」のバランスが取れたインテリア。
明るい茶色×アクセントクロス:黄緑
明るい茶色のフローリングのリビングに、黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
茶色のソファ、明るいグレーのラグ、茶色の木のコーヒーテーブルをプラスして、自然を感じるインテリアを演出。1人掛けソファの隣に、アクセントクロスと同じ黄緑のスツールテーブルを置いて、観葉植物を飾り、癒し感を更にアップ。
暗い茶色×茶色×アクセントクロス:黄緑
黒っぽい茶色のフローリングの寝室に暗い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
ドア、サッシ、カウンターデスクに、床よりも明るい茶色の木を使い、赤のチェアや赤×青×水色×黄色×グレーのタイルカーペットのようなラグを敷き、にぎやかな印象をアップ。アクセントクロスを貼った壁のニッチ部には青緑のアクセントクロスを貼り、2種類の色をセンス良くコーディネート。
茶色の床のダイニングに、目立つ黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁の前に、暗い茶色の木製サイドボードとウォールラックをディスプレイ。ペンダントランプとテーブルにオレンジ色をプラスして、楽し気なダイニングを演出。
黒の床のリビングに、薄い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
木製収納家具、フロアランプのシェード、ラウンジチェアのオットマンで茶色をプラス。メインの3人掛けソファはベージュ、ラグは明るいグレー、ラウンジチェアは赤。暖色をポイントに使った、おしゃれな色使い。
黒のタイル床のリビングに、彩度が低い黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
白っぽいベージュのラグを敷き、黒のレザー製3人掛けソファ、茶色のレザー製チェア、黒のコーヒーテーブル、ダークブラウンのテレビボードをプラス。派手過ぎない黄緑と黒・茶色を組み合わせた、落ち着きを感じるインテリア。
明るい茶色×茶色×アクセントクロス:黄緑
明るい茶色のフローリングの寝室に、黄緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁と反対側の壁に、茶色の木目の収納開き扉をプラス。ベッドカバーは暗い青、枕は暗い赤の寒色×暖色コーディネートにして、ベッドサイドに明るい茶色の木製ナイトテーブルとベージュのシェードのテーブルランプを置き、リラックスできる空間を演出。
アクセントクロス:緑
暗い茶色×アクセントクロス:緑
暗い茶色のフローリングのダイニングのニッチ部に、鮮やかな緑のアクセントクロスをコーディネート。
暗い青のラグを敷き、ダークブラウンの木製テーブルと明るいグレーのレザーチェアをプラス。優雅で高級感のあるダイニングインテリア。
暗い茶色のフローリングのダイニングに、明度・彩度ともに中間くらいの緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁の前に、ダークブラウンの木製サイドボードを置いて、上部に明るいグレーフレームのミラーを2枚ディスプレイ。ダイニングテーブルとチェアも明るいグレーにして、上品な食事空間を演出。
茶色×アクセントクロス:緑
茶色のフローリングのリビングに、黒っぽい緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁の前に、床色と同じ茶色の木目のサイドボードを置き、明るいグレーの2人掛けソファとホワイトのコーヒーテーブルをプラス。ラグは、暗いオレンジ(茶色)と暗い青のオリエンタル柄で、サイドボードの上にも、ラグと同じ青を使った絵をディスプレイ。温もり、冷たさ、爽やかさ、癒しなど、様々な表情を持つインテリア。
グレーのタイル床のリビングに、明度が高く、彩度が低い緑のアクセントクロスをコーディネート。
天井とテレビボードの後ろの壁は茶色の木目。暗い黄色の2人掛けソファと赤の1人掛けソファをL字に置き、真ん中に水色、オレンジ、グレー、茶色のストライプ柄のラグをプラス。カラフルな色を使いつつ、落ち着きも演出したインテリア。
茶色のフローリングのリビングに、白みがかった緑のアクセントクロスをコーディネート。
アイボリーの3人掛けソファ、ベージュのラグ、床色と同じ茶色の木製コーヒーテーブルを組み合わせ、ナチュラルな印象をアップ。フロアランプのシェード、サイドテーブル、チェアのひじ掛けでホワイトをプラスして、暖か過ぎないリビングを演出。
明るい茶色×アクセントクロス:緑
白っぽい茶色のフローリングのダイニングに、暗い緑のアクセントクロスをコーディネート。
ダイニングテーブルとダイニングチェアの脚は床色と同じ明るい茶色で、チェアの色は暗い紫。緑と紫、2種類の中性色を組み合わせた、おしゃれで静けさを感じるインテリア。
明るい茶色のフローリングのダイニングに、明度が高い緑のアクセントクロスをコーディネート。
ダイニングテーブルとダイニングチェアの一部は床色と同じ茶色で、テーブルの天板と残りの椅子は黒。ダイニングテーブルの下に、ホワイト×黒のカウハイドラグを敷き、かっこいい雰囲気をアップ。
グレーのコンクリート床のダイニングに、明度が低く、彩度が高い緑のアクセントクロスをコーディネート。
ダイニングテーブルとダイニングチェアは、明るい茶色の木製で、チェアに暗い赤のクッションをプラス。暗い緑と質感の良さそうな木製家具の組み合わせが、インテリアの高級感をアップ。
明るい茶色のフローリングのリビングに、彩度が低い、薄っすらと木目が入ったアクセントクロスをコーディネート。
下2/5はホワイトの腰壁で、残り3/5がアクセントクロス。グレーのソファと明るいグレーのラグを組み合わせ、非日常的な空間を演出しつつ、クッションやブランケットでオレンジ色(茶色)を足し、癒しをプラス。
明るい茶色のフローリングのリビングに、暗い緑のアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロスを貼った壁の前に、明るいグレーの3人掛けソファを置き、ソファの前に、ドア色と同じホワイトのラグをプラス。暗い緑と明度が高い無彩色を組み合わせて、高級感を演出したインテリア。
茶色×暗い茶色×アクセントクロス:緑
茶色のフローリングのダイニングに、黒っぽい緑のアクセントクロスをコーディネート。
床色よりも暗い茶色の木製ダイニングテーブルとサイドボードをプラスして、壁色と似たような暗さの黄緑のファブリックチェアをコーディネート。自然や癒しを感じる色を使いつつ、暗い雰囲気にした高級感のあるインテリア。
明るい茶色×暗い茶色×アクセントクロス:緑
明るい茶色のフローリングのダイニングに、黒っぽい緑のアクセントクロスをコーディネート。
ダイニングテーブルとチェアは、暗い茶色で、収納家具はホワイト。アクセントクロスを貼った壁に、暗い茶色の木製ウォールシェルフを取り付けて、観葉植物を7個ディスプレイした植物だらけのインテリア。
白っぽいベージュタイル床のリビングのニッチ部に、黒っぽい緑のアクセントクロスをコーディネート。
残りの壁とソファは明るいグレーで、ラグは白っぽく黄みがかった茶色。ニッチ部には、暗い茶色のサイドボードを置き、上品で高級感のあるインテリアを演出。
暗い茶色のフローリングのダイニングに、明度が高く、彩度が低い緑のアクセントクロスをコーディネート。
ダイニングテーブルは、オレンジ色っぽい明るい茶色で、チェアは黒。レトロな色使いが、落ち着きのあるダイニングを演出。
暗い茶色×茶色×明るい茶色×アクセントクロス:緑
ベージュのタイル床のダイニングに、白っぽい緑のアクセントクロスをコーディネート。
ダイニングチェア、カーテンレール、コーナー用ウォール収納は床色よりも暗い茶色で、食器棚は更に暗い茶色。家具の茶色がバラバラですが、全部緑と合うせいか、チグハグな印象は無し。
いかがでしたか?
緑は、あまりにも自然な色なので、カラー選定の際に「真っ先に選ぶ」ことが少ないかもしれません。
特に、目立たせることを目的としてアクセントクロスを貼る場合は、日常で目にすることが少ない「赤」「青」「黄色」に惹かれてしまうことも。
これらの色は「家具やクッション・カーテン・ラグなどの買い替えの際、またカラーコーディネートで頭を悩まさなければならない」ということを忘れてはいけません。
緑は、「飽き」や「コーディネートのしやすさ」の観点から考えると、優秀な色なので「無難な雰囲気は嫌だ。でも、個性も出したい」という時にピッタリな色だと、筆者は考えます。