インテリアにはさまざまな色があります。
筆者はよく、カラーコーディネートに迷っているお施主様に対して「迷ったらとりあえずグレーを使いましょう」とおすすめしています。
その理由は、グレーが、どんな材質・どんな色とも相性が良いからです。
また、上グレーは、「上質な印象のホテルライクスタイル」、「生活感の少ないモダンスタイル」、「冷たさとフェミニンをミックスした北欧スタイル」など、テイストにこだわったインテリア空間を作りたい時に、メインカラーとして活用したい色でもあります。
ベッドルームも例外ではなく、グレーでまとめると、非日常的な睡眠環境を作り上げることができます。
とはいえ、これまでインテリアの色について興味がなかった場合、いきなり「ベッドルームをグレーに」と言われても、どうインテリアコーディネートを進めていけば良いか、わかりませんよね。
このページでは、グレーのベッドルームの特徴やコーディネートのコツ&実例を紹介していきます。
グレーのベッドルームの特徴は
グレーでまとめたベッドルームは
- 冷たい
- 非日常的
- 無機質
- 生活感が少ない
- 上質
- 上品
- 洗練されている
- エレガント
などの印象になります。
白っぽい壁や天井に、木目のフローリングと木目のベッドや家具を組み合わせたベッドルームと比較すると、非日常的な印象が強く、リラックス感はあまりありません。
1.電球色の光を取り入れて温もりを出し、くつろぎ感のある空間に。
収納家具を門のようなデザインで配置し、凹んだ壁に、ベッドリネンをグレー・グレージュ・ブラック・ホワイトでまとめたグレーのファブリック製ベッドをコーディネート。底に電球色の間接照明が入ったスモーキーなナチュラルブラウンの横木目扉のウォールキャビネットをハンギング。ウォールキャビネットとヘッドボードの間の壁面にも、ブラックの小ぶりな曲線デザインの電球色のウォールランプを2個取り付け、柔らかく、優しい印象をアップしたベッドルーム。
2.植物を足してリラックス感をアップ。
スモーキーなダークブラウンのフローリングとグレーのコンクリート調壁紙のベッドルームに、ベッドリネンをホワイト・アイボリー・グレーでまとめたグレーのファブリック製ベッドをコーディネート。ベッドの左右に、葉っぱのついた小花と膝下丈の観葉植物をディスプレイ。生命力のあるグリーンを足して、リラックス感をアップ。
グレーのベッドルームを作るコツ
ベッドルームにグレーを使う場合、最初に「全体的にグレー配色にする」か「木目とグレーを組み合わせる」を決めます。
ベッドルームを全体的にグレーにする
ベッドルームは
の3つがあります。
①は、新築やリフォームでイチから色を決めることができる場合、②と③は引越しや模様替えで変えることができる色です。
床の色(フローリングの色)は、一般的に茶色をベースとした温もりのある木目を使うことが多いですが、グレーのフローリングを使ったベッドルーム空間は、下記のような雰囲気になります。
また、近年は、木目調の床ではなく、コンクリートやモルタル系の床も人気です。
ベッドルームをグレーでまとめて無機質な印象にしたいのに、床に温もりが出過ぎるという場合は、大きめのグレーのラグを敷いて、暖かく感じる面を少なくすると良いです。
グレーは、鮮やかさがなく、「明るい・暗い」だけで成り立つ色です。
全体的にグレーを使う場合は、壁紙・ラグ・カーテン・ベッドリネン・ファブリック製チェアなどに使うグレーの明るさを変えて組み合わせると単調な印象が消え、洗練された印象がアップして見えます。
明るさの違うグレーを組み合わせたカラーコーディネートを考える時に、一考したいのが「柄の入ったグレー」です。
柄の入ったグレーは、面白味のない空間に動きをもたらし、おしゃれな印象もアップして見えます。
壁紙を薄いグレー、テーブルランプのシェードと掛け布団をグレーでまとめたベッドルームのベッドの頭側の凹んだ壁に、グレー×ホワイトの花柄のアクセントクロスをコーディネート。枕カバーをホワイト×ピンクの大きな花柄プリントにしてフェミニンな印象をアップしたインテリア。
グレージュ(赤みのあるグレー)は、近年のトレンド色で、グレーと相性が良いです。
掛け布団とヘッドボード周りの壁・収納家具をグレージュ、シーツ・枕カバー・ニッチ部をグレーにしたベッドルーム。
掛け布団と壁の一部をグレー、アクセントクロスと枕カバーをグレージュにしたベッドルーム。
木目とグレーを組み合わせる
新築やリフォーム・リノベーションで色を指定しない限り、フローリングやドア・収納扉(クローゼット扉)・ドアは木の色をしているのが一般的です。
また、ベッドやナイトテーブル、チェストやデスクなど、あとから買い揃える家具も木目の方が種類が多く、木目調の家具で揃えている方も多いでしょう。
木目とグレーを組み合わせたベッドルームインテリアは、お互いに足りないところを補完する為、グレーの無機質感と木目の温もりが際立った洗練された印象の空間になります。
ミディアムブラウンのフローリングのベッドルームに、ミディアムブラウンの木目の丸型ナイトテーブルとミディアムブラウンのヘッドボードのベッド、ミディアムブラウンの木目羽根のシーリングファンをコーディネート。ベッドリネンは薄めのグレー。暖かさと冷たさのバランスが取れたインテリア。
濃いグレーの壁紙のベッドルームに、ミディアムブラウンの横木目のヘッドボードのベッド、ミディアムブラウンの木目のシンプルなデザインのナイトテーブルをコーディネート。ベッドリネンを薄いグレー×ホワイトにして、すっきりとした印象をアップしたインテリア。
グレイッシュな茶系の木目やスモーキーな茶系の木目は、床や建具などを扱うメーカーで増えてきており、インテリアのトレンドとなっています。
床・建具や家具の木目の色を決める時は、鮮やかさが少ない茶系の木目を選ぶとグレーとうまく馴染みます。
スモーキーなダークブラウンの縦木目の壁材とダークグレーの壁紙を組み合わせたベッドルーム。
スモーキーな薄めのブラウンの横木目のテレビボードとベッドリネンを明るめのグレーでまとめたダークグレーのファブリック製フロアベッドを組み合わせたベッドルーム。
グレーのベッドルームのインテリア実例
ホテルライクスタイルのグレーのベッドルーム
黒っぽいダークブラウンのフローリングのベッドルームに、薄めのグレーの壁紙とうっすらと模様が入ったグレージュのアクセントクロスをコーディネート。
床に、アニマル柄っぽい暗いグレー×白っぽいグレーのグラデーション柄の大きなラグを敷き、ベッドリネンをオフホワイト×濃いグレーでまとめたグレーのファブリック製フロアベッドをレイアウト。窓に、壁色よりも薄いグレーの無地カーテンをハンギング。ナイトテーブルの木目をスモーキーなブラウンにして、上質な空間を演出したインテリア。
ダークブラウンのフローリングのベッドルームに、グレーの石のような柄のアクセントクロスをコーディネート。
床に、ブラウン×グレージュのうっすらと模様が入ったラグを敷き、ベッドリネンをオフホワイト×グレーでまとめたグレージュのファブリック製ベッドをレイアウト。壁を白っぽいグレージュにして、窓にグレーのハンギング。コーナーを背に、ブラウンレザーの回転式アームチェアを置いて、くつろぎ感をアップしたインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングのベッドルームに、グレーの壁紙をコーディネート。
ベッドリネンをホワイト×薄いグレー×ブラックでまとめたブラックの木製ベッドをレイアウト。ベッドの足側に、床色よりも濃いくすんだベージュのラグを敷き、ベッドの左右に、ブラックのエレガントなデザインのテーブルランプを乗せたミディアムブラウンの木目の引き出し付きナイトテーブルを配置。壁色で非日常的な印象をアップしたインテリア。
グレーのカーペット床ののベッドルームに、ベッドリネンをホワイト×グレーの小さなドット柄とホワイトでまとめた薄いグレーのファブリック製ベッドをコーディネート。
壁を白っぽいグレーにして、ベッドの隣に、グレー扉の背の高いワードローブをレイアウト。ヘッドボードの後ろに、ホワイトの金属シェードのテーブルランプを2個置いて、窓に、白っぽいグレーのカーテンをハンギング。薄めのグレーとホワイトを組み合わせて清潔感のある空間を演出したインテリア。
グレージュのカーペット床のベッドルームに、グレーの凸凹したデザインのアクセントクロスをコーディネート。
ベッドリネンを濃いめのグレー×ホワイトでまとめたグレーのファブリック製ベッドをレイアウト。壁にグレーの壁紙を貼り、窓に、壁色よりも濃いグレーのカーテンをハンギング。ナイトテーブルやサイドボードの木目をブラック系にして高級感を演出したインテリア。
モダンスタイルのグレーのベッドルーム
黒っぽいダークブラウンのフローリングのベッドルームに、グレージュのアクセントクロスと薄いグレーの天井をコーディネート。
ベッドリネンをグレー×ホワイトでまとめたグレージュ×グレーのベルベット製ヘッドボードのベッドをレイアウト。ベッドの左右に、ブラック金属のテーブルランプを乗せたシルバー鏡面の正方形ナイトテーブル、ベッドの足元に黒っぽいダークブラウンのトランク型収納家具を配置。グレーとグレージュをセンス良く組み合わせたフェミニンな印象のインテリア。
ミディアムブラウンのフローリングのベッドルームに、薄めのグレーのアクセントクロスをコーディネート。
ベッドリネンをグレー×ホワイトでまとめたグレーのファブリック製ベッドをレイアウト。ベッドの左右に、ホワイトの丸いシェードのテーブルランプを乗せた、ブラック金属脚とホワイト×グレーの大理石調天板を組み合わせたネストテーブルを配置。窓に壁色よりも濃いグレーのカーテンをハンギング。飾り気を少なくして、電球色の光でリラックス感をアップしたインテリア。
ライトブラウンのフローリングのベッドルームに、濃いグレージュの壁紙をコーディネート。
ベッドリネンをライトグレーでまとめた黒っぽいダークブラウンの木製フロアベッドをレイアウト。ベッドの左右に、ホワイトの背の高い筒型シェードのテーブルランプを乗せた黒っぽいダークブラウンの木目引き出しとブラック天板を組み合わせた長方形ナイトテーブルを配置。ダークカラーの木目家具で空間を引き締め、高級感も演出したインテリア。
ホワイトのフローリングのベッドルームに、グレーの壁紙&天井をコーディネート。
ベッドリネンをライトグレー×ホワイトでまとめた白っぽいナチュラルブラウンの木製ベッドをレイアウト。コーナーを背に、ライトグレーのファブリック製アームチェアを配置。全体的に白っぽい色にして、開放感のある空間を演出したインテリア。
グレーの大判正方形タイル床のベッドルームに、グレーの壁紙をコーディネート。
ベッドリネンをライトグレー×ホワイトでまとめたミディアムブラウンの木製ベッドをレイアウト。窓にオフホワイトのシェードを掛け、ベッドと壁の間に、ブラック金属のフロアランプを配置。ベッドとドアの木目の明るさを同じにして、統一感のある空間を演出したインテリア。
北欧スタイルのグレーのベッドルーム
ミディアムブラウンのヘリンボーン床のベッドルームに、グレーの壁紙をコーディネート。
ベッドリネンをライトグレー×ダークグレーでまとめたフロアベッドをレイアウト。ベッドの左右に、ブラック金属脚と薄めのブラウンの丸型天板を組み合わせた丸型ナイトテーブル、ブラックの丸型ナイトテーブルを配置。ベッドの頭側の壁に、大きさの違うモノクロポスターを4枚ディスプレイ。シワ加工や凸凹した素材のベッドリネンを活用して、グレーの単調な印象を少なめにしたインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングのベッドルームに、グレーの板貼り調アクセントクロスをコーディネート。
ベッドリネンをダークグレー×グレー×ホワイトでまとめたベッドをレイアウト。ベッドの足側に、黒っぽいダークグレーのラグを敷き、ベッドの隣に、ブラック金属フレーム脚と黒っぽいグレーの木製天板を組み合わせた長方形ナイトテーブルを配置。窓にグレージュのカーテンをハンギング。柄入りのグレーとグレージュを使って、親しみをアップしたインテリア。
スモーキーなナチュラルブラウンのフローリングのベッドルームに、濃いグレーのアクセントクロスをコーディネート。
ベッドリネンをダークグレー×グレー×ライトグレーでまとめたベッドをレイアウト。ベッドと壁の間に、葉っぱのついた枝を入れた透明ガラス瓶を乗せたブラックの木製丸型サイドテーブルを配置。窓に、壁色よりも濃いグレーのカーテンをハンギング。グレーを濃いめにして、大人っぽくエレガントな空間を演出したインテリア。
スモーキーなナチュラルブラウンのフローリングのベッドルームに、グレーの壁紙をコーディネート。
ベッドリネンをグレー×ライトグレー×ホワイト×ブラックでまとめたフロアベッドをレイアウト。ベッドと平行に、濃いグレーのムートンラグを敷き、ベッドの隣に、サボテンとグレーのペーパーバッグ型収納を配置。崩れ気味のデザインと観葉植物を足して、リラックスできる空間を演出したインテリア。
濃いめのグレーのコンクリート調床のベッドルームに、薄めのグレーの壁紙&天井をコーディネート。
ベッドリネンを暗くて濃いグレージュ×グレー×ホワイトでまとめたフロアベッドをレイアウト。コーナーに背の高いブラックの引き出し収納家具、ベッドの頭側の壁に、ホワイトの3段ウォールシェルフ、ブラック×ホワイトの掛け時計をレイアウト。鮮やかさの無い色ばかりを使った静かな印象のインテリア。
いかがでしたか。
グレーのベッドルームの作り方のコツが掴めたでしょうか。
先述した通り、グレーは明るさ・暗さだけで成り立つ色なので、違う明るさのグレー同士を横に並べても絶対に喧嘩しません。その為、インテリア初心者でも簡単にカラーコーディネートが行えます。
しかしながら、親しみのある色ではない為、「グレーに囲まれた空間にいると落ち着かない」という場合もあるでしょう。そんな時は、暖色・ブラウン・温もりのある金属色をグレーの無機質感を損なわない程度に、ポイントに足すと良いです。
このページでは、「グレーをどう使うか」「グレーと何を組み合わせると良いか」を中心にまとめました。
グレーでまとめたベッドルームを雰囲気別に見たい方は、下記をご覧ください。