黒は、インテリアをかっこよく演出する色です。
テーブル・椅子・ソファ・ラグなど、インテリアを構成するアイテムを黒にするよりも「部屋自体に黒を使いたい」という理由で「黒のフローリングを選ぼう」と思ってる方はいらっしゃいませんか?
でも「床を黒にすると、部屋がどんな風になるか想像できない。」というのが現実問題。
その理由は「床(フローリング)は茶色」が一般的なので、メーカーのカタログやWEB事例のコーディネートには、黒い床の部屋がほとんど載ってません。
その為
- 床が黒の部屋ってどんな感じ?
- 家具を木の色にして合うの?
- カラフルな色を組み合わせても大丈夫?
- 黒い床の暗いイメージを消す方法は?
など、黒い床の部屋の情報を集めるのは、ひと苦労。
この問題を解決すべく、床が黒の部屋のカラーコーディネートの仕方やインテリアの作り方を紹介していきましょう。
黒い床の部屋の特徴
下の2枚は、同じLDKを明るい茶色(ナチュラルやライト)の床と黒の床にした場合のイメージです。
この2つの部屋を比べると
- 黒い床の部屋の方が間口が狭く見える
- 黒い床の部屋の方が長細く見える
- 黒い床の部屋の方が正面の壁が遠くに見える
- 黒い床の部屋の方が床から天井までの距離が長く見える
- 黒い床の部屋の方が暗く見える
- 黒い床の部屋の方が冷たく見える
- 黒い床の部屋の方がかっこよく見える
などの感想を持つ方がほとんどでしょう。
世の中の様々な色は、物の見え方に影響する膨張職(進出色)と収縮色(後退色)に分けることができますが、黒は収縮色(後退色)で、同じ大きさでも小さく見える特徴があります。
上記の黒い床の部屋が狭く見える理由は、この特徴によるものです。
また、黒は、色みがない無彩色です。特に、ホワイトの壁と組み合わせると、冷たさが増し、緊張感がある空間になります。
その為、フローリングの色を決める時「積極的に黒を選ぶ」という方が少ないのですが、黒い床の部屋は、茶系の床の部屋では実現しにくい、非日常的なインテリアにしやすく、かっこよさも演出できます。
次に、黒の床色のコーディネートを紹介していきましょう。
黒い床の部屋のインテリア例
無彩色でまとめた冷たいコーディネート
先述した通り、黒は無彩色です。同じ無彩色仲間の「ホワイト」「グレー」を足すと、無彩色コーディネートになり、非日常的で生活感の無い部屋を演出できます。
都会的に
シャープなデザインや光沢のあるホワイトの家具と組み合わせるとスタイリッシュで都会的な印象のインテリアに。
黒の床のダイニングに、黒の木製テーブルと黒のチェアをコーディネート。
壁面に引き出し付きの黒のカウンターを取り付け、上部にモノクロ写真を黒の額縁に入れて2枚ディスプレイ。黒だけを使ったコーディネートですが、赤の花をポイントにして、おしゃれ感をアップ。
黒の床のダイニングに黒のアクセントクロスを貼り、黒のガラステーブルを置き、黒のレザー製ソファを対面式にコーディネート。
黒の床の上に黒のラグ。このダイニングも黒だけを使ったコーディネートですが、ガラスと革を組み合わせたものなので、高級な印象がアップ。
黒の床のリビングに、グレーのラグを敷き、グレーのコーヒーテーブルをコーディネート。
ソファは黒のレザー製で、コーヒーテーブルを挟むようにホワイトのレザー製スツールを2台プラス。赤のおしゃれなデザインのフロアランプを使って、寂し気な印象を少しだけ解消。
黒の床のリビングに、暗いグレーのコーナーソファをコーディネート。
コーヒーテーブルはシルバー色で、通路に、黒×ホワイト×グレーのストライプ柄のクッションをプラス。全体的に暗い印象のリビング。
黒の床のリビングに、グレーのコーナーソファと黒のテレビボードをコーディネート。
コーヒーテーブルは、黒のロータイプ。隣にあるダイニングスペースの家具は、テーブルがホワイトで、椅子が黒。木の色が全くない「生活してるの?」と思わせるインテリア。
エレガントに
「グレーを多く使う」「ゴールドを取り入れる」「パターン柄を取り入れる」で上品で優雅な印象のインテリアに。
黒の床のダイニングに、脚がゴールドのホワイト×グレーの大理石調のダイニングテーブルと脚がゴールドの黒レザーのダイニングチェアをコーディネート。
テーブルの下には、ホワイト×黒のアニマル柄のラグをプラス。隣にあるホワイトキャビネットのキッチンの取っ手やペンダントランプもゴールドにして、冷たさの中に華やかさを演出。
黒の床のダイニングに、ホワイトのラグを敷き、グレーのテーブルと黒のチェアをコーディネート。
壁面に黒のサイドボードを置き、上部に黒とゴールドを使った絵を2枚飾り、テーブルの上にゴールドのペンダントランプをハンギング。家具の脚は全て黒にして、統一感のあるインテリアを演出。
黒の床のダイニングに、黒の丸テーブル、黒のチェアをコーディネート。
天井から大きなシェードの円盤型のホワイトのペンダントランプを吊り下げ、壁面には、ホワイトの食器棚をレイアウト。丸いテーブル・框扉の食器棚・ペンダントランプのデザインがエレガントな雰囲気をアップ。
黒の床のダイニングに、黒の木製テーブルと黒のソファと黒のチェアをコーディネート。
壁は、ぼんやりとした柄の薄いグレー。黒のコンソールテーブルに、黒の三面鏡を乗せてディスプレイし、窓には、レースのようなカーテンを形を崩してコーディネート。ダイニングにはとても見えないおしゃれなインテリア。
黒の床のリビングに、黒い縁取りの薄いグレーのソファをコーディネート。
床から天井までの背の高い収納家具とコーヒーテーブルは黒で、黄緑の木製チェアをプラス。クッションもソファと同じデザインの上品なスタイルです。
黒の床のリビングに、薄いグレーのコーナーソファをコーディネート。
ソファの斜め向かいに、薄いグレーに細い黒の線で模様を描いたパーソナルチェアとオットマンを置いて、床に薄いグレー×黒のパターン柄のラグをプラス。上品な印象をアップする、薄いグレーとおしゃれな柄を使ったセンスのあるインテリア。
冷たい北欧テイスト
ホワイトやグレーを多く使いつつ「柔らかいフォルム」や「柔らかそうな素材」を意識して取り入れると冷たい北欧インテリアに。
黒のフローリングのリビングに、ホワイトの2人掛けソファとホワイトに薄いグレーのパターン柄のラグをコーディネート。
スツールのようなサイズのホワイトと木製のテーブルを2つ並べて、コーヒーテーブルに。天井から吊り下げてある、ふんわりとしたデザインのペンダントランプが、北欧感をアップ。
黒のフローリングのリビングに、黒のコーナーソファと明るいグレーのラグをコーディネート。
ソファの後ろの壁をグレーにして、コーナーソファの対角線上にホワイトの一人掛けソファをプラス。カーテンもホワイト。絵の飾り方、ぐしゃっとしたブランケット、露出した電球のペンダントランプの周りのハンドメイド感のあるシェードが北欧っぽい印象を演出。
黒のフローリングのリビングに、黒×ホワイトのパターン柄のチェアと黒×ホワイト×グレーのパターン柄のラグをコーディネート。
コーヒーテーブルは黒で、カーテンはホワイトのレースカーテンの上に、グレーのカーテンをプラス。パターン柄2種類の組み合わせ方が、センス抜群のインテリア。
黒のフローリングのリビングに、薄いグレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、斜めに黒の線が入った薄いグレーのラグを敷き、黒のコーヒーテーブルと黒の木製チェアをプラス。ひじ掛けが曲線になった椅子と観葉植物、葉っぱを大きくプリントしたような絵がインテリアに北欧っぽさをプラス。
「北欧グレーインテリアおしゃれテクニック5つと実例31選」
暗い茶色を加えた“かっこいい”コーディネート
黒の床は、ダークブラウンの木製家具や茶色のレザーをプラスすると、かっこいい雰囲気が更にアップします。
黒のフローリングのダイニングに、ホワイトのテーブルと焦げ茶のプラスチックチェアをコーディネート。
カーテンと壁はホワイト。大きな目の網を取り付けて、クリップでポスターを飾るディスプレイの仕方が、おしゃれ。
黒のフローリングのダイニングに、茶色の木製テーブルを置き、ホワイト×茶色の牛革のチェアをコーディネート。
柄と色がかっこいい。(フランスの家具メーカーligne roset(リーン・ロゼ)のFIL)リッチで明るい印象のダイニング。
黒のフローリングのリビングダイニングに、ダークブラウンの木製ダイニングテーブル、ダークブラウンのコーヒーテーブル、ダークブラウンの脚のコンソールテーブルをコーディネート。
ダイニングチェアは黒の木製で、ソファはグレー、ラグは明るいグレーの無彩色コーディネートに、暗い茶色の木の家具をプラスして、かっこいい雰囲気をアップ。カウンタースツールも、黒の木目が目立つ、茶色の木製。
黒のフローリングのリビングに、茶色のレザー製2人掛けソファとダークブラウンのコーヒーテーブル、ダークブラウンのテレビボード、ダークブラウンの木製チェアをコーディネート。
ラグは白っぽいアイボリーで、カーテンはホワイト。茶色をメインカラーにしたくつろぎとかっこ良さを感じるリビング。
黒のフローリングのリビングに、黒のレザー製3人掛けソファとダークブラウンのコーヒーテーブル、ダークブラウンのテレビボードをコーディネート。
ラグを明るいグレーにして、天井に黒のダクトレールとシーリングファンをプラス。無彩色に囲まれた空間に、質の良さそうな木の家具を置いて、目立たせることを意識したインテリア。
ベージュや茶色、茶色の木を加えた暖かいコーディネート
冒頭に書いた通り、床が黒で壁がホワイト系の部屋は、茶系の床の部屋と比べると、冷たい印象です。「明るい茶色の木を使った家具」や「ベージュ・アイボリーのテキスタイル」をプラスすると、インテリアに温かみが生まれ、冷たさを解消できます。
リラックススタイル
ベージュやアイボリーのファブリックと木の家具を組み合わせた無難な印象が強いインテリア。
黒のフローリングのリビングに、白っぽい茶色の2人掛けソファを置き、対面にアイボリーのレザー製一人掛けソファを2台コーディネート。
ラグはアイボリーで、レザー製のスツールテーブルは黒。壁の一面だけに、ダークブラウンの木目の壁紙クロスを貼って、黒のオープン棚をレイアウトし、本棚として活用。黒のリッチさを残しつつ、明るく、暖かい雰囲気を演出したリビング。
黒のフローリングのリビングに、暗いグレーの寝椅子付きソファをコーディネート。
ベージュのラグを敷き、木目が綺麗な茶色のコーヒーテーブルとテレビボードをプラス。ソファの後ろの壁が薄いグレーでモノクロ写真を6枚田の字型にディスプレイしたおしゃれなインテリアですが、ソファ・ラグ・家具の組み合わせ方は、無難な印象。
黒のフローリングのリビングに、黒の寝椅子付きソファを置き、ベージュのラグとコーディネート。
コーヒーテーブルは黒っぽいダークブラウンの木製。1つ前とよく似たカラーコーディネートで、テーブルが黒っぽい分、明るい茶色のウォールシェルフで、暖かい雰囲気をアップ。
ヴィンテージスタイル
同じ木の家具でも、使い古したヴィンテージなデザインを選ぶと、黒の床との相乗効果で、かっこいい雰囲気に。
黒のフローリングのリビングの床に、使い古した木製パレットを2段重ねて、コーヒーテーブルとして活用。
ソファはライトグレーで、ローボードはホワイト。薄いグレーと白のキチンとしたインテリアに、汚めの家具でDIY感を演出。
黒のフローリングのリビングに、黒のフレームと木を組み合わせたオープン棚をコーディネート。
板張り天井と黒の梁と黒のダクトレールを組み合わせたインダストリアルテイストのリビング。ゴツっとした見た目の重みのある収納家具がかっこいいインテリアを演出。
黒のフローリングのリビングの壁面に、スチールを組み合わせた、簡単なオープン棚をコーディネート。
棚の後ろの壁は、茶色と暗いオレンジのレンガ調。棚には、ヴィンテージショップで見つけてきたかのような、壁掛け時計、地球儀、看板、雑貨をディスプレイ。
シンプルな北欧テイスト
ベージュやアイボリーに薄いグレーをプラスすると「冷たい(床)・暖かい(布または家具)・冷たい(布または家具)」のバランスの取れた北欧っぽいインテリアに
黒のフローリングのリビングに、くるみボタン付きの明るいグレイッシュなベージュのソファをコーディネート。
コーヒーテーブルは明るい茶色の木製で、テレビボードは黒。テレビボードの後ろの壁を黒にして、右半分はベージュ、左半分は黒で色分けしたインテリア。
黒のフローリングのリビングに、丸みを帯びたデザインのグレーのソファとグレイッシュなベージュのラグをコーディネート。
コーヒーテーブルは、ホワイトで、折り畳み式のダイニングテーブルは茶色の木製。冷たくすっきりとした印象と明るく暖かい印象の両方を感じるインテリア。
カラフルな北欧テイスト
黒の床は何色と合わせても色が映えるのが、他の床色の部屋と違うところ。目を引く色を組み合わせた、北欧カラフルも実現可能です。
黒のフローリングのリビングに、オフホワイトの2人掛けソファと明るいグレーのラグをコーディネート。
通路側に、暗い青の丸いデザインのファブリックチェアと暗い黄色の丸型テーブルをプラス。明度や彩度を抑え気味にした反対色コーディネートでリビングにおしゃれ感と個性を演出。
カラフル北欧インテリアの作り方テクニックとコーディネート47選
ナチュラルな北欧テイスト
温もりを感じる木を使った家具を少量と観葉植物を組み合わせて、過ごしやすそうな北欧テイストに。
黒のフローリングのリビングに、明るい茶色の木の脚のテーブルと明るい茶色の木の座面のスツールをコーディネート。
テーブルの上に透明なガラス瓶に入れた観葉植物、床の上にナチュラルブラウンの籠に入れた観葉植物をディスプレイ。テーブルの上の観葉植物の前(壁面)には、明るい木のフレームのミラーを飾って、植物を2倍に。
暖かい北欧テイスト
冷たさと温もりを半分半分にした北欧インテリアは、暑い夏、寒い冬の両方に合います。
黒のフローリングのリビングに、ホワイトの鏡面扉のローボードを置き、明るいベージュのソファとベージュのラグをコーディネート。
ペンダントランプとフロアランプのシェードは、明かりを点けるとオレンジ色に見える布製。ソファの上に、暗い黄色のブランケットやクッションをプラスして、更に温もりのあるリビングを演出。向かって左側が冷たく、右側が暖かいコーディネート。
黒い床と有彩色のコンビネーション
無彩色の黒は、どんな色と組み合わせても色が映え、カラフルな色を少量使うだけでインテリアのアクセントにすることができます。
赤
黒のフローリングのリビングに、赤のラウンジチェアと赤色が入ったパターン柄のアクセントクロスをコーディネート。
ホワイト×暗い茶色×赤のエレガントなインテリア。ソファの後ろのホワイトのカウンターテーブルの上にも、赤の薔薇をプラス。
黒のフローリングのリビングに、赤のテレビボードと赤のラウンジチェアをコーディネート。
メインのソファは、スツールと同じ、ホワイト×グレーのストライプ柄。隣のダイニングスペースにも、赤のチェアと壁面収納家具をコーディネートしたスタイリッシュなリビングダイニング。
黒のフローリングのダイニングに、暗い赤のパターン柄のラグと暗い赤のガラス扉付きの食器棚をコーディネート。
温かさや懐かしさを感じる食事空間。バラバラでコーディネートしたチェアの中に、ブルーのパターン柄を使ったものや透けた素材のものがあるので、夏でも暑苦しく感じなさそう。
オレンジ
黒のフローリングのダイニングに、明るい茶色の丸型テーブルとオレンジ色の木製チェアをコーディネート。
脚と背もたれがオレンジ色、座面が黄色の変わったデザインのチェア。床が黒だと忘れてしまうくらい、明るく元気な印象のダイニング。
黄色
黒のフローリングのダイニングに、ガラス製の丸型テーブルを置き、暗い黄色の木製チェアをコーディネート。
乾燥した竹のような黄みがかった木製の背もたれと座面。明度と彩度が低い黄色なので、黒い床の重厚感はそのままです。
黒のフローリングのリビングに、明度と彩度が低い黄色のファブリック製ラウンジチェアをコーディネート。
ソファとラグをグレー、テレビボードの周りとコーヒーテーブルを暗い茶色でコーディネートした暗さを感じるリビングに、チェアの色で明るさをプラス。カーテンも白地に黄色の花をあしらったパターン柄。
青
黒のフローリングのダイニングに、ホワイト+ゴールドの丸型テーブルを置き、暗い青のファブリックチェアをコーディネート。
チェアの脚と取っ手もゴールドで高級感たっぷり。窓から見える景色が、ホテルの上階にあるレストランのような雰囲気で、家具コーディネートとぴったりな印象。
黒のフローリングのリビングに、ホワイトレザーのコーナーソファを置き、暗い青のクッション、ホワイトに青のレオパード柄、青のシェードのフロアランプをコーディネート。
青を前面に出さず、少しだけ使った高級感のあるインテリア。ラグの柄には、青と合う黄色が少量プラス。
緑
黒のフローリングのリビングに、鮮やかな黄緑のコーナーソファをコーディネート。
白い壁にホワイトのウォールシェルフを取り付け、ラグはホワイトに薄いグレーで鳥の足跡のような模様を入れたパターン柄。爽やかで、春先の心地良さを感じるインテリア。
紫
黒のフローリングのリビングに、明度が低い紫とホワイトのパターン柄のラグをコーディネート。
ダイニングテーブル、椅子の木やサイドボードは、重厚感を感じる暗い茶色。紫色を足すことで、優雅な印象がアップ。
床の色が黒だと、同じ無彩色のグレーやホワイトとコーディネートしがちですが、茶色の家具や温もりを感じる色と組み合わせても問題なし。
コーディネートの手順としては
①「冷たい雰囲気」か「温もりのある雰囲気」のどちらにするかを決める。
②冷たい雰囲気に決めたら、グレーとホワイトを中心にカラーコーディネート。
温もりのある雰囲気に決めたら、ベージュ・アイボリー・木の色をした家具をコーディネート。
の順番で決めていくと、色使いに迷いが出ず、インテリアが作りやすいのではないかと思います。
Advertisements