生活感が少ないインテリアや洗練された印象の空間を演出することができるグレー。
グレーをメインとしたグレーインテリアを作るには、どのようにコーディネートを進めていけば良いのでしょうか。
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「グレーをどの部分に使うか」「どの明るさのグレーを使うか」「グレーと何を組み合わせるか」を中心に、グレーインテリアの作り方を実例を挙げながら解説していきましょう。
①ベースカラーにグレーに使うかどうか
インテリアのベースカラーは、床・壁・天井にあたる箇所です。
新築やリフォーム・リノベージョンの場合は、床・壁・天井の色を決めることができる為、床材・壁紙・天井材にグレー色を使うことができます。
①-①グレーの床
グレー系のフローリングや木目をプリントしたフロアタイル。最近では、コンクリート調の床も人気です。
床材は、茶系の木目のフローリングが一般的です。その為、「床がグレーだと、どんな雰囲気の空間になるのか」を想像するのは難しいかもしれませんね。
床は、部屋の中で真っ先に目に入る箇所で、一番見える場所(壁を除く)なので、床の色が空間の雰囲気を左右すると言っても過言ではありません。
グレーのフローリングの空間は「冷たく見える」「寂しそうな雰囲気がする」「非日常的」と言った特徴があります。
近年では、赤みがかったグレージュ系のフローリングも出ており、無彩色のグレーのフローリングと比較すると温もりのあるインテリアを作ることができるようになっています。
両方ともソファとラグはグレー系。
グレージュのフローリング(上)のリビングの方が、無彩色のグレーのフローリング(下)のリビングよりも温もりがありリラックス感がある。
①-②グレーの壁(グレーの壁紙)
グレー系の壁紙は「どんなインテリアにも合う」「ほどよく生活感を落としたインテリアを作ることができる」「ありきたりな雰囲気を消して洗練された印象をアップする」などの理由から人気があります。
筆者はトレンドを追うのに、インスタグラムやピンタレストを定期的に見るようにしていますが、そこにアップされている最近のインテリア実例を見ていると「グレーの壁紙が定番化しつつあるな」と感じるほど、壁をグレーにしたインテリアをよく目にします。
ピンタレストのグレーの壁紙のインテリア
インスタグラムのグレーの壁紙のインテリア
グレーの壁紙は、「白っぽいグレーか黒っぽいグレーか」で印象がガラリと変わります。
- 白っぽいグレーは、壁紙全部をグレーにする時やほんのりと色のついた壁にしたい時。
- 黒っぽいグレーは、高級感やメリハリを出したい時。(メリハリを出す場合は全体的に貼るのではなく、一部だけ貼る。(アクセントクロス))
におすすめです。
壁と天井を薄めのグレーにして、テレビ背面のアクセントクロスをブラックにしたリビング。
壁・天井・梁をグレーにして、ダイニングの凹んだ壁にグレー系のポリゴンスタイルのアクセントクロスを貼ったリビングダイニング。
床を明るめの茶色のフローリング、天井を明るめの茶色の板張りにして、壁紙をグレーにしたリビング。
壁紙をグレー、アクセントクロスを暗いグレーにしたリビング。
壁と天井を薄いグレー、柱型とアクセントクロスを濃いグレーにしたリビング。
床と同様に、暖かな印象のグレー=グレージュ系の壁紙にすると、寒々しい雰囲気を緩和できます。
ソファ背面のアクセントクロスを薄めのグレージュにしたリビング。
①-③ベースカラー(床・壁)にグレーを使わない場合
茶系のフローリングとホワイト系の壁紙を組み合わせた一般的な内装にして、ソファ・ラグ・カーテンでグレーを加えていきます。
ファブリック系のアイテムをグレー系でまとめる場合は2通りのコーディネートの仕方があります。
②グレーに濃淡をつけてメリハリをつける
①は、全体的にまとまりがあり、生活感が薄く、洗練された印象のインテリアになります。
②は、ほどよく生活感があり、心地良いインテリアになります。
どちらの場合も、グレーの明暗によって、高級感や広さが違って見えますので、下記を参考にグレーの濃さを決めて下さい。
ソファとラグを同じ明るさのグレー(明るめのグレー)で揃えた統一感のある北欧スタイルのリビング。
ラグを明るめのグレー、ソファを暗めのグレーにしてメリハリと落ち着きを演出した北欧スタイルのリビング。
②どの茶色の木目と組み合わせる?
インテリアをグレーにするからと言って、室内にあるもの全てをグレーにする必要はありません。
例えば
など、茶系の木目と組み合わせても問題ありません。
ただし、茶系の木目には、グレーと同様にさまざまな濃さ(暗さ)があり、「どの明るさのグレー」と「どの明るさの茶色」を組み合わせるかで、印象が全く違うものになります。
床(フローリング)と収納家具・アームチェアの木を薄めの茶色の木目で揃え、壁紙・ソファ・ラグを薄めのグレーでまとめたリビング。茶色の木目もグレーも薄いので、開放感があり、上品な印象。
床(フローリング)とコーヒーテーブルを暗めの茶色の木目で揃え、壁紙・ソファを薄めのグレーでまとめたリビング。濃い茶系で高級感、薄いグレーで上品さを演出したメリハリのあるコーディネート。
床(フローリング)を暗い茶色、壁を暗い茶色の板張りにして、ソファ・ラグを暗いグレーでまとめたリビング。茶色もグレーも暗くして、重厚感を演出したコーディネート。
インテリアにグレーを使う!!失敗しないコーディネートのコツ
③アクセントカラーの色は暖色系or寒色系?
クッション・照明器具のシェード(傘)・雑貨などで足すアクセントカラー(差し色)は、インテリアをグンとセンスアップするのに最適です。
グレーインテリアは、明暗だけしかない無彩色コーディネートなので、アクセントカラーにどの色を選んでも大丈夫です。
③-①グレー+暖色
暖色は、赤・ピンク・オレンジ・イエローなどです。
グレーでまとめたインテリアは冷たい印象なので、暖色を足すことで温もりがアップして見えます。赤はエネルギッシュ、ピンクは女性らしさや可愛さ、オレンジは元気、稲ローは快活な印象を演出します。
ソファをダークグレー、ダイニングチェアをグレー、ラグをライトグレーでコーディネートし、クッションとアートで赤を加えた生活感少なめの格好良いリビング。
ラグとコーヒーテーブルを濃いめのグレー、ソファと壁(タイル)を明るいグレーでコーディネートし、水玉クッションで赤×ピンク、花とトレイでピンクを加えた大人カジュアルなリビング。
壁紙とソファとオットマンを白っぽいグレーで揃え、クッションとキャンドルで淡いピンクを加えたエレガントなリビング。
グレージュのフローリング、グレーの壁紙・ソファをコーディネートし、クッションとラグの柄で鮮やかなオレンジを加えた個性的なリビング。
床(タイル)・壁紙を明るめのグレー、アクセントクロスを濃いグレー、ソファをダークグレーでコーディネートし、ダイニングチェアとソファ用クッションで鮮やかなイエローを加えたカジュアル感のあるリビングダイニング。
③-②グレー+寒色
寒色は、ブルー系です。
グレーでまとめたインテリアは冷たい印象なので、ブルーを足すことでさらに冷感がアップしますが、爽やか・沈静・落ち着きなどを演出したい時におすすめです。
アクセントクロス・ラグを薄いグレー、ソファを白っぽいグレーでコーディネートし、クッションで暗い青を加えた上品なリビング。
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④更におしゃれ感をアップさせるかどうか
グレーでまとめたインテリアは、何もしなくてもグレーだけで洗練された空間を演出できるのが魅力です。
しかしながら、グレーは色みが無い為、「何か物足りない」と感じることも。
以下の3つを足すと、+αの要素が加わり、一層おしゃれなインテリアになります。
④-①金属色を加えてエレガントな雰囲気をアップ
ゴールドやシルバーの金属色はグレーとの相性も良く、インテリアに煌びやかな雰囲気やエレガントな印象を加えます。
濃いグレーのモルタル調床のリビングに、白っぽいグレーの3人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、グレー×薄いグレーの凹凸のあるストライプ柄のラグを敷き、艶消しゴールド脚とブラック天板を組み合わせた楕円形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファとコの字に、ブラック金属の細い柵みたいな脚とグレーのファブリック製座面を組み合わせたエレガントなアームチェアを4脚配置。アームチェアの前に、ゴールド×ブラックの1本脚の丸型サイドテーブルを置いて、高級感とエレガントな印象をアップしたインテリア。
うっすらと模様が入ったグレーの大きなラグ(カーペット)とグレーのアクセントクロスのリビングに、ホワイトレザーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、シルバー鏡面の箱型長方形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファ背面のアクセントクロス壁に、太いゴールドフレームのアートをディスプレイ。上品な印象の開放感のあるインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングとゴールド×濃いグレーの幾何学模様の壁紙のリビングに、グレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、グレー×茶色っぽい暗い赤のヴィンテージなラグを敷き、ゴールドの丸みのあるコーヒーテーブルをレイアウト。ソファの左右に、ゴールドのネストテーブルを配置。ソファ背面のミラーフレーム、マガジンラック、アート用額縁を上品なゴールドでまとめ、高級感を演出したインテリア。
グレージュの床のリビングに、濃いグレーの寝椅子付き2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、グレーのラグを敷き、ソファと同じ明るさのグレーの長方形オットマンとシルバーの丸型トレイテーブルをレイアウト。無彩色だけでまとめた統一感のあるインテリア。
④-②ブラックを加えて高級感をアップ
無彩色のブラックは、同じく無彩色のグレーと相性抜群です。クッションや小物でブラックを足すと、高級感がアップして見えます。
ブラックの寄木張りのフローリングのリビングに、暗めのグレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ブラックの菱形模様が入った明るいグレーのラグを敷き、ブラック金属脚とブラックの木製天板を組み合わせた丸型コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面の壁に、奥行きの浅いブラックのテーブルを置き、ブラックの額縁に入れたモノクロポスターを無造作に8枚ディスプレイ。ブラックをポイントに使った格好良いインテリア。
くすんだダークブラウンのフローリングのリビングに、ダークグレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下にソファよりも薄いグレーのヴィンテージなラグを敷き、ブラック金属脚と濃いグレー天板を組み合わせた長方形コーヒーテーブルをレイアウト。テレビボードもブラック。コーヒーテーブルの上に、ブラックの長方形トレイを乗せ、本をディスプレイ。暗めのグレーとブラックを組み合わせた高級感のあるインテリア。
グレージュのフローリングのリビングに、グレーのコーナーソファをコーディネート。
ソファの下に薄いグレー×ホワイトの凸凹したエレガントなボーダー柄のラグを敷き、ブラック金属脚とホワイト×グレーの大理石調天板を組み合わせた長方形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面に、ゴールド脚とブラックレザーを組み合わせた丸みのあるスツールを2脚配置。花瓶・本・ブランケットを黒でまとめ、エレガントで高級感のある空間を演出したインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、暗めのグレーのベルベット製2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ブラックの細い線が入ったグレーのチェック柄のラグを敷き、ブラックの長方形コーヒーテーブル、グレーのパーソナルソファ2台、薄いグレーの丸みのあるアームチェア2台をレイアウト。アームチェアの上にブラックの無地クッション、テレビボードの上にブラックの雑貨・花瓶・本を置いて、高級感をアップしたインテリア。
④-③観葉植物を加えて生命力をアップ
グレーの無機質さを緩和するのに最適な観葉植物。背の高い観葉植物は存在感があり、生き生きとした印象もアップして見えます。
ミディアムブラウンのフローリングのリビングに、明るめのグレーの2人掛けソファをL字に2台コーディネート。
ソファの下に、グレー×ホワイトの細かい幾何学模様のラグを敷き、グレーのファブリック製丸型クッションをレイアウト。ソファ背面に、ミディアムブラウンの木製オープンシェルフを置き、シェルフと壁の間に背の高い観葉植物をディスプレイ。「ソファ周りをエレガントに」、「壁面をナチュラルに」とゾーンを分けて異なる雰囲気にしたインテリア。
ミディアムブラウンのフローリングのリビングに、グレーの2人掛けソファを対面式に2台コーディネート。
ソファの下に濃いグレーの毛足の長いラグを敷き、ブラックの楕円形コーヒーテーブルをレイアウト。カウンターキッチンとソファの間に、背の高い観葉植物をディスプレイ。対面カウンターの背板を暗めの茶色の木目にして、観葉植物のグリーンと組み合わせ、リラックス感をアップしたインテリア。
グレージュのフローリングのリビングに、白っぽいグレーの2人掛けソファを対面式に2台コーディネート。
ソファの前に、白っぽいグレー×アイボリーのストライプ柄のラグを敷き、ゴールド金属脚とガラス天板を組み合わせた丸角コーヒーテーブルをレイアウト。壁に薄いグレーの壁紙を貼り、ブラックのシンプルなコンソールテーブルを配置。ソファの隣、コーヒーテーブルの上、コンソールテーブルの上に観葉植物をディスプレイ。植物のグリーンを点在させて、無機質な印象を少なくしたインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、黒っぽいグレーの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下にグレーのラグを敷き、ブラック鏡面の長方形コーヒーテーブル、グレーのファブリック製ベンチ、ブラックレザーのアームチェアをレイアウト。腰窓の前、ソファと壁の間、コーヒーテーブルの上、アームチェアの後ろに観葉植物をディスプレイ。窓に近い明るい場所に植物の緑を加えて、生き生きとした印象をアップしたインテリア。
グレーインテリアの作り方を「ベースカラーに使うかどうか」「どの茶色の木目と組み合わせるか」「アクセントカラーの選び方」「洗練+α」の4つのポイントに分けて実例とともに紹介しましたが、コーディネートの参考になったでしょうか。
ソファ1つを取っても、黒っぽいグレーのソファや白っぽいグレーのソファがあるように、グレーは、明度(明るさ・暗さ)のある色です。
グレーの明るさを手のひらサイズのサンプルで決める時は、「同じ色でもサイズが小さいほど濃く見える」を頭に置いておき、一段階明るめの色を選ぶようにしましょう。
「グレーを使ってどんなインテリアを作りたいか」をまだ具体的に決めきれていない方は、下記も参考にして下さい。