仕事柄、室内のカラーコーディネートを考える機会が多くあります。
色を考える際、まず最初に決めるのが部屋全体を「明るくする」or「暗くする」です。
なぜ明暗を真っ先に考えるのかと言えば、これを決めておくことで、床・壁・天井など部屋を構成する内装や後から追加する家具の色、カーテンやラグ、細かいところで言えば、照明器具の色(器具本体の色だけでなく、電球の色含む)が違ってくるからです。
この「明るい」「暗い」は、建築に関わる人だけでなく、住まう人も考えるべきだと筆者は考えています。
例えば、家の中で中心的な存在の集いの場、憩いの場であるリビングは、リラックスを重点的に考える場所ですよね。
それでは、リラックスできるのは「明るいリビング」「暗いリビング」のどちらでしょうか?
「明るい」と「暗い」どっちがリラックスできる?
よくインテリアコーディネートの教本に「リビングは明るく暖かい雰囲気で」と書いてありますが、下の「明るいコーディネート」と「暗いコーディネート」とでは、どちらが「リラックスできそうだ」と感じますか?
「薄暗がりなカラーコーディネートに落ち着きを感じる」という方もいれば、「明るくて開放的なカラーコーディネートにリラックスできそう」という方もいらっしゃるでしょう。
また、なかには、上記のどちらも好みではなく、緑や茶色などの自然の色を取り入れたナチュラルな雰囲気のリビングに落ち着きを感じるいう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 暗いリビングは大人向け
- 明るい(ナチュラルな)リビングは子供がいる家族向け
といった印象で、さらに
- 暗いリビングは、TV観賞・映画鑑賞・宅呑み・大人の集まりに合う。
- 明るい(ナチュラルな)リビングは、子どもとのコミュニケーション・読書・書き物に合う。
といったように、家族構成や生活スタイル、「そのリビングで主に何をするか?」によって、「明るい」「暗い」の好みや「どちらの方がリラックスできると感じるか」が変わってくるように思います。
「ある程度の重厚感」や「癒しを感じること」「緊張感をほぐすこと」はリビングに不可欠な要素ですが、先述した通り、住まう人のスタイルに合ったリビングコーディネートをしても間違いではないと思うのです。
とは言え、リフォームやDIYで床を含めた内装からカラーコーディネートを考えることができる場合は良いですが、既にリビングが完成している状態から考えるとフローリング・壁天井・建具の色に影響されてしまいがちです。
床色が暗いor明るいけど正反対のコーディネートは可能?
暗い色のフローリングで明るいリビングや明るい色のフローリングで暗いリビングを実現することは可能です。
床の色とソファや家具の色の組み合わせ方を中心にリビングインテリアを紹介しますので、一旦、頭をフラットにして、自分が作りたいのは、どんなイメージのリビングなのかを考えてみましょう。
明るいフローリングのリビング
明るいフローリング:ダークな家具のリビング
明るい床に、黒のレザー製コーナーソファ・黒のラグをコーディネート。
明るい床に、黒のレザー製コーナーソファ・暗い茶色のパターン柄のラグをコーディネート。
白っぽい床に、ダークグレーのソファ・黒っぽい木製のテレビボードをコーディネート。
明るい床に、黒のレザー製コーナーソファ・黒のテレビボードをコーディネート。
明るいフローリング:明るい家具のリビング
明るい床に、アイボリーのソファ・アイボリーのラグ・明るい茶色の木目のテレビボードをコーディネート。
明るい床に、ベージュのレザー製コーナーソファ・アイボリーのラグ・真っ白なテレビボードをコーディネート。
明るい床に、ベージュのソファ・薄い水色のラグ・ベージュのカーテン・真っ白なテレビボードをコーディネート。
中間のフローリングのリビング
中間のフローリング:ダークな家具のリビング
中間の茶色の床に、黒のレザー製ソファ・ダークブラウンのテレビボードをコーディネート。
中間の茶色の床に、アイボリーのソファ・黒のラグ・黒のレンガ壁・茶色のテレビボードをコーディネート。
中間の茶色の床に、暗い茶色のソファ・茶色のリビングテーブル・黒の扉のテレビボードをコーディネート。
中間のフローリング:明るい家具のリビング
中間の茶色の床に、明るいグレーのソファ・明るい茶色のテレビボード・明るい茶色のリビングテーブルをコーディネート。
中間の茶色の床に、明るいグレーのコーナーソファ・白っぽいパターン柄のラグ・明るい茶色のリビングテーブルをコーディネート。
中間の茶色の床に、黄色のソファ・グレーのリーフ柄のラグ・ホワイトのテレビボードをコーディネート。
中間の茶色の床に、白っぽいアイボリーのソファ・アイボリーのラグ・明るい茶色のリビングテーブル・暗い茶色のテレビボードをコーディネート。
中間の茶色の床に、白っぽい明るいグレーのソファ・白っぽい明るいグレーのラグ・ホワイトのリビングテーブル・ホワイトのテレビボードをコーディネート。
中間の茶色の床に、白っぽい明るいグレーのソファ・白っぽい明るいグレーのラグ・ホワイトのテレビボードをコーディネート。
暗いフローリングのリビング
暗いフローリング:ダークな家具のリビング
暗い床に、黒のソファ・黒のリビングテーブルをコーディネート。
暗い床に、グレーの壁・グレーのソファをコーディネート。
暗い床に、グレーのソファ・暗い茶色のテレビボードをコーディネート。
暗いフローリング:明るい家具のリビング
暗い床に、明るいグレーのソファ・明るい茶色のテレビボード・明るい茶色のリビングテーブルをコーディネート。
暗い床に、明るいグレイッシュなグリーンのソファ・明るいグレーのラグ・ホワイトのテレビボードをコーディネート。
暗い床に、明るいグレーのソファ・ホワイトのラグ・ホワイトのカーテン・黒のテレビボードをコーディネート。
暗い床に、白っぽいアイボリーのソファ・白っぽいアイボリーのラグ・黒のテレビボードをコーディネート。
暗い床に、ホワイトのソファ・ホワイトのレースカーテン・アイボリーのラグ・明るい茶色のテレビボードをコーディネート。
暗い床に、薄いグレーのソファ・薄い水色のソファ・ホワイトのテレビボード・薄いグレーのレースカーテンをコーディネート。
フローリングの色に惑わされることなく「明るい」or「暗い」を考えることは「どんなスタイル(モダンや北欧など)のリビングにするか?」よりも重要です。
「明るくて暖かそうなリビング」という一般概念ではなく、生活スタイル・家族構成・趣味嗜好に沿ったカラーコーディネートを目指してみましょう。
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