近年は、リビングとダイニングの間に仕切りが無い開放的な間取りがトレンドです。
しかしながら
- 「寝室と個室」など部屋同士を区切る場合
- 「廊下と個室」など通路と部屋を区切る場合
など、空間を完全に分ける場合は「壁と通り抜け出来る開口部1箇所」を作り、その開口部に開きドアや引き戸を取り付けるのが、まだまだ一般的。
みなさんの住まいも、下記のように「壁+ドア」で間仕切ってあるのではないでしょうか。
ただ、この「壁とドア」のスタイルは、規格品のドア寸法に合わせて壁を作る為、壁の面積が多く、ドアの高さは2000mm程度なのでドアの上部にも壁ができます。(上部に壁が無いH2500mのハイドアもありますが…)
部屋と部屋、通路と部屋を間仕切る新しいスタイルとして、ヴィンテージやインダストリアルインテリアで流行の兆しを見せているのが、黒縁ドアや黒格子間仕切りです。
このスタイルのメリットは
- 開放感がある
- かっこいい
- 別の場所から部屋が見える
など。
黒縁ドアや黒格子の間仕切りをデザイン別に紹介していきましょう。
折れ戸
折れ戸タイプの黒縁スチールドア
リビングとダイニングの間に、横4分割の折れ戸タイプの黒縁スチールドアをレイアウト。
クローゼット扉のように手前に山ができるデザインで、折り曲げた時のドアの出っ張りは、両袖の壁に収まる仕様。
引違戸
黒縁スチールの引違戸
通路横の納戸に黒縁スチールとフロストガラスを組み合わせた引き戸をコーディネート。
格子デザインは横長の横4分割。収納物が丸見えにならないのは、木製のパネルタイプの引違戸でも同じですが、黒縁にした途端、かっこよさがアップ。
片引き戸
黒縁スチールの袖壁₊黒縁スチールの垂れ壁+黒縁引き戸
2つの仕事部屋を黒縁スチールの壁と黒縁引き戸を使って分けた例。
お互いのエリアが、ドアを空けなくても見える。会議には向いていない仕様ですが、開放感があります。
引き分け戸
黒縁スチールの引き分け戸
リビングと趣味室の間に、黒縁スチールの引き分け戸をコーディネート。
引き戸の格子部のデザインは、縦3分割、横4分割でやや縦長仕様。日本古来の障子戸のような見た目(障子は、もっと格子が細かい)ですが、黒とガラスの組み合わせにするだけでかっこ良さアップ。
黒縁スチールの垂れ壁+黒縁スチールの引き分け戸
リビングとダイニングの間に、黒縁スチールの引き分け戸をコーディネート。
天井高がある部屋なので、上にも黒格子をプラス。引き戸の格子部のデザインは、横7分割で一番下が黒のパネル仕様の横長。リビング側は、壁と天井が真っ黒のシアタールームみたいなデザインなので、引き分け戸が窓のような役目も。
両開きドア
黒縁スチールの両開きドア
玄関ホールとリビングの間に黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
格子部のデザインは横長の横4分割。ドアの隣にあるホワイトのオープンラックと似ているので統一感アップ。
玄関ホールとダイニングの間に黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
格子のデザインは横長の横3分割。1つ上のドアと比較すると、黒の横棒が1つ減っただけですが、格子部が細切れになってない方が開放感がアップして見えます。
黒縁スチールの袖壁+黒縁スチールの両開きドア
リビングと趣味室の間に、黒縁スチールの壁と黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
開口幅を均等に4つに分け、左右を壁、真ん中を観音開きに。格子のデザインは横長の横4分割で、リビング側の窓から入る光が趣味室まで届く仕様。
リビングと通路の間に、黒縁スチールの壁と黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
1つ前のドアより幅が狭いタイプで両方のドアを空けないと通れないほどコンパクト。格子のデザインはやや縦長の横4分割。
リビングとダイニングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
間口を均等に4分割にして、縦2分割、横4分割のやや縦長の格子デザイン。ドアを全開にすると、袖壁部にぴったりと収まる設計。
黒縁スチールの垂れ壁+黒縁スチールの両開きドア
リビングと寝室の間に、黒縁スチールの垂れ壁と黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
天井高があるので、ドアの上に欄間を設けたデザイン。ドアの格子部のデザインは、横3分割で、ドアハンドルの高さ分の上下に黒の線を入れたような仕様。
黒縁スチールの垂れ壁+黒縁スチールの袖壁+黒縁スチールの両開きドア
玄関ホールとリビングの間に、黒縁スチールの壁と黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
ドアの格子部のデザインは、縦横2分割で縦長仕様。本来なら壁になる場所を全て、黒縁スチールとガラスにしたパターン。玄関の出入りが全てリビングから丸見え状態ですが、暗くなりがちな廊下が広々と見える効果も。
リビングと仕事部屋の間に、黒縁スチールの壁と黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
ドアの格子部のデザインは、横3分割で縦長仕様。一番下は、黒パネルで仕事部屋からソファの背もたれが見えない仕様。トップライトがついた斜め天井の吹き抜けリビングの光が仕事部屋まで届くように工夫。
リビングと寝室の間に、黒縁スチールの壁と黒縁スチールの両開きドアをコーディネート。
間口を縦4分割にして、壁・ドア・ドア・壁の順でデザイン。格子部は横4分割で正方形に近い形。均等に揃った格子が、スキッとしたリビング&寝室を演出。
片開きドア
黒縁スチールの壁+黒縁スチールの片開きドア
吹き抜けリビングの半分の高さにある寝室に、黒縁スチールの壁と黒縁スチールの片開きドアをコーディネート。
間口を縦4分割にして、壁・ドア・広い(分割2個分)壁の順にレイアウト。格子部は横2分割で開放感たっぷり。
黒縁スチールの間仕切り壁(L型)+黒縁スチールの片開きドア
通路とリビングが隣にあるキッチンスペースの2面に、黒縁スチールの間仕切り壁と黒縁スチールの片開きドアをコーディネート。
間口が長い方は縦8分割、間口が短い方は縦5分割。大きな柱型と壁を利用して、黒縁の格子を取り付けることで開放的なキッチンを演出。
玄関ホールから2階、玄関ホールからリビングへ繋がる2箇所に、黒縁スチールの間仕切り壁と黒縁スチールの片開きドアをコーディネート。
格子のデザインは縦4分割、横5分割の縦長仕様。一番下を黒のパネル仕様にして、安定感のある見た目に。
リビングダイニングと寝室の2面の壁に、黒縁の格子壁と黒縁の片開きドアをコーディネート。
方立を太めにしたレトロなデザイン。ガラス部は、波板ガラスで寝室が丸見えにならない仕様。
間仕切り壁
黒縁スチールの壁
吹き抜けの2階の壁に、黒縁スチールの格子をコーディネート。
格子部は縦4分割、横5分割の正方形に近いデザイン。格子パネル仕様にすることで吹き抜け部からの光が2階の通路に届く仕様。
黒縁スチールの間仕切り(垂れ壁パネルあり)
ダイニングから丸見えのカウンターキッチンのカウンター上から天井に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
両端900mmはカウンターから天井まで、シンク前は大きく開口を空けてカウンタースツールをプラス。両端のパネルの一番下は真っ黒なパネル仕様にして、観葉植物をディスプレイ。
リビングとシャワールームの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
真ん中に大きな開口を空け、両サイドに格子が2列並ぶようにデザイン。天井廻り縁を切り欠いた仕様なので、丸角に見え柔らかい印象。
キッチンとダイニングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
真ん中に大きな開口を空け、両サイドの格子は1列でデザイン。高さ方向は5分割にして横長の格子に。
リビングとダイニングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
真ん中に大きな開口を空け、両サイドの格子は2列でデザイン。高さ方向は2分割にして縦長に。垂れ壁部は、間口を均等に8分割にして、正方形に近い格子に。
黒縁スチールの間仕切り(垂れ壁パネルなし)
キッチンとリビングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
通路スペースを確保し、縦4分割、横2分割でデザイン。ソファの背もたれとL型キッチンが背中合わせになるパネルの下部は、黒パネル仕様。
キッチンとリビングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
2か所の空間を縦2分割、縦6分割でデザインし、上下を低く、真ん中を高くした格子で構成。お互いのエリアが丸見えにならないスクリーン調のガラス。
リビングとダイニングキッチン、リビングとホールの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
等間隔の縦分割、等間隔の横3分割で格子のデザインは縦型。3箇所をTの字の黒縁フレームで区切ることで開放感アップ。
リビングとダイニングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
真ん中を広く空け、両端に横4分割1列でデザイン。白っぽいスクリーンタイプにして、丸見えにならないように工夫。
ダイニングとリビングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。縦3分割横8分割の正方形に近い格子パネル3枚を均等にレイアウト。開口がないはめ殺しタイプ。
リビングとダイニングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
柱と窓の間に、縦2分割、横5分割、下部黒パネルを3枚デザイン。ダイニングからリビングへの移動は、柱の反対側にあるスライドドアから。
リビングとダイニングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
縦3分割、横5分割の格子デザイン。壁面に袖壁のように狭い幅でレイアウト。
リビングと仕事部屋の間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
壁をTの字でデザインし、低い腰壁の上に横5分割にした1枚パネルをプラス。仕事部屋の向かい合う壁にそれぞれレイアウトしたソファとデスクが見えるので開放感抜群。
リビングと仕事部屋の間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
通路スペースを確保して、下部が黒パネルになった格子デザインのパーテーションを立ててるような雰囲気。格子部分は縦3分割、横2分割を2枚。
廊下とリビングの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
縦2分割、横3分割の大きな格子デザイン。リビングのソファから、玄関と2階を行き来する人が目に入るレイアウト。
リビングと廊下の間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
縦3分割、横4分割の横長デザイン。格子を背に3人掛けソファをレイアウト。
リビングと玄関ホールの間に、黒縁スチールの間仕切りをコーディネート。
縦2分割、横4分割の縦長デザインの格子を3枚並べてレイアウト。柱間に取り付けたはめ殺しデザイン。
黒縁ドアや黒格子間仕切りを使った部屋は、開放感抜群で「壁があるのと無いのでは、こんなに印象が違うの?」と思った方も多いでしょう。
ただ、こういったデザインのドアや間仕切りは、規格品が無いのがデメリットです。
筆者は、木材を使ったデザインを考え、大工さん(骨組み)+家具屋さん(オーダードア)+塗装屋さん(黒く塗る)で作ります。
規格品ではないので、格子の数やガラスの面積も自由自在。(上のデザインは、下部の黒パネルを高めに設定して海外のカフェっぽい雰囲気を演出)
ただ、壁+ドアと比較すると、黒縁・黒格子間仕切りは、壁面が少ない分、防音効果が薄れてしまうことも覚えておきましょう。