インテリアを作る時、ラグを敷いて、ソファをレイアウトし、リビングテーブルやテレビボードを置いて、照明器具やカーテンを下げて、室内を整えていきますが、インテリアには、無数の種類があり、どのスタイルにするかによって、選ぶ家具のデザインや色が違ってきます。
(代表的なインテリアの種類について→トレンドを網羅した最新インテリアテイスト19種類&厳選70実例)
近年は、さまざまなインテリアをネットで気軽に目にすることができる為、コーディネートのプロでなくても、凝った素敵なインテリアを作ることができます。ネットでは、「これは●●のメーカーの△△。」「××は、□□で買った。」など、コーディネートしているものをどこで手に入れたか親切に教えてくれる方もいらっしゃる為、真似するだけで、おしゃれなインテリア空間を作ることもできます。
そんな無数にあるインテリアの中でも、「ナチュラルな雰囲気」と「適度な生活感の無さ」を融合させた“北欧モダン”は、木造構造が多く、季節によって気温の変化がある日本の住まいや環境に合いやすい為、とても人気です。
北欧モダンインテリアの作り方のコツをたった1つの色に注目して簡単に作る方法を解説していきましょう。
北欧モダンインテリアとは?
北欧モダンインテリアは、北欧インテリアとモダンインテリアの良いとこ取りをしたインテリアです。
北欧インテリアは、自然を感じるナチュラルな色合いでカラーコーディネートした空間です。
テーブル・テレビボード・収納などの家具は、木目が見える優しそうなデザイン、ソファ・ラグ・クッション・ブランケットなどのファブリックは、ヨレヨレな見た目(汚いというよりナチュラルな風合い)、手触りが良さそうなデザインを使い、見た目に暖かそうな素材や適度な崩しを入れたリラックス感のある空間です。
一方、モダンインテリアは、「本当に生活しているの?」と思うような無機質な色合いでカラーコーディネートした空間です。
テーブル・テレビボード・収納などの家具は、直線を意識したシャープでシンプルなデザイン、ソファ・ラグ・クッション・ブランケットなどのファブリックは、キチンと整った印象の見た目、冷たさを感じるレザーや無彩色を使い、背筋が伸びるシュッとした緊張感のある空間です。
「北欧モダンインテリア」は、上記の「北欧」と「モダン」の2つの要素を混ぜた、無機質でありながらリラックス感もあるインテリアです。
モダンインテリアは、非日常的なイメージが強く、都会的な暮らしや生活感やファミリー感のない空間が好きな人の心を奪うスタイルです。しかしながら、生活感がない空間を作っても、そこで生活する以上、「履いていた靴は玄関の収納の中に入れる。」「鞄をリビングのその辺に置かない。」「ティッシュやリモコン類など生活感が出そうなアイテムを目に入らない場所にしまう。」など、常に、何もない状態をキープするのは難しいものです。
北欧モダンインテリアが人気の理由を挙げると
- 生活感の全くないモダンインテリアと比較して、人が暮らしているのが全く想像できない空間ではなく、適度に生活感がある空間なので暮らす人のストレスが少ない。
- ナチュラル重視の北欧インテリアと比較して、モダン要素を加えることで、淡い配色やナチュラルな素材を使ったインテリアの安っぽさを軽減することができる
などがあります。
では、北欧モダンインテリアをどのように作っていけばよいのでしょうか。
鍵となるのは、どんな部屋にも存在する“たった1つの色”です。この1つの色を意識すれば、比較的簡単に、北欧モダンインテリアを作ることができます。
北欧モダンインテリアを簡単に作るコツと手順
【手順1】床の色を把握する
インテリアの印象はメインカラーの色(家具やファブリックの色)によって決まります。
目指すインテリアは、無機質でありながら、ナチュラルも取り入れた北欧モダンです。
「北欧モダンインテリアにするから、とにかく淡い色で配色すれば良いのね。」と、ベージュやアイボリーなどの温もりのある色合いのソファやラグ、薄い茶色の木目の家具をコーディネートしても、ベースとなる空間の床がナチュラル系だった場合、無機質な要素が全くない単なる北欧ナチュラルインテリアになってしまいます。
どんな色(色合い)の家具(ソファやラグ含む)をコーディネートすれば北欧モダンを実現できるのかを把握する為、まずは、床の色に注目します。
床は、作りたいインテリアに合わせて変えることができない箇所です。「どんな色合い」で「どんな雰囲気なのか」を知っておくことが、とても大切です。
ベースカラーの床(ピンクの斜線の部分)とメインカラー(水色)の組み合わせで、北欧モダンインテリアを作っていきます。
北欧要素の強い床
茶色・淡い茶色・薄い茶色・白っぽい茶色など、見た目が「ナチュラル」な木目の床。木の温もりや木をスライスしたうような風合いのある床。
家具のない床・壁・天井だけの空間を見ても、北欧要素の強い床をコーディネートした空間は、「暖かそう」「リラックスできそう」といった雰囲気です。
モダン要素の強い床
暗い茶色・濃い茶色・黒っぽい茶色など、見た目が「暗め」の床。木目が見えにくく、温もりが少ない床。コンクリート調・モルタル調・大理石調タイルなど、木目のない床。
家具のない床・壁・天井だけの空間を見ても、モダン要素の強い床をコーディネートした空間は、「冷たい」「生活感がない」といった雰囲気です。
【手順2】床の色の雰囲気と逆の要素を持つ色や素材のソファ&ラグをコーディネートする
【手順1】で床が北欧要素かモダン要素かを把握したら、床と逆の要素の色合いのソファやラグをコーディネートしていきます。
モダン要素の強いソファ&ラグ
モダン要素の強いソファ&ラグの色は、グレー・ブラック・淡いくすみカラーです。
床・壁・天井だけの空間を見た時に感じた「暖かそう」「リラックスできそう」という雰囲気が、冷たいソファとラグの色で消えています。
北欧要素の強いソファ&ラグ
北欧要素の強いソファ&ラグの色は、ブラウン・ベージュ・アイボリー・淡いブルーなどです。
床・壁・天井だけの空間を見た時に感じた「冷たそう」「生活感がなさそう」という雰囲気が、温もりのあるソファとラグの色で消えています。
このように、床の色を基本に考え、床の要素と逆のソファ・ラグの色の組み合わせだけで、リラックス感と無機質を融合させた北欧モダンっぽい空間が簡単にできます。
続いては、この空間に合う家具を考えてみましょう。
【手順3】家具の色とデザインを決める
床がモダンの場合はソファ&ラグを北欧、床が北欧の場合はソファ&ラグをモダンにして、お互いの足りない部分を補うコーディネートを推奨しましたが、家具の場合は、北欧要素・モダン要素のどちらのデザインや色を選んでも問題ありません。
これは、「床と家具の雰囲気が揃う」か「ソファ&ラグと家具の雰囲気が揃う」のどちらかになり、「合わない」ということがないからです。北欧要素の強い家具にするか、モダン要素の強い家具にするかは、好みによる部分が大きいです。
北欧要素の強い家具の色とデザイン
北欧要素の強い家具の色とデザインは、薄いブラウンの木目・ホワイト・薄いグレーなどで、丸型・丸角など丸みのあるデザインです。
モダン要素の強い家具の色とデザイン
モダン要素の強い家具の色とデザインは、ブラック・暗い茶色の木目・グレーのモルタル調などで、直線的でシャープなデザインです。金属やレザーは、無機質な素材の代表的なもので、これらを使った家具もモダンな印象をアップさせます。
【手順4】ナチュラル要素を加える
北欧インテリアの一番の特徴は、ナチュラル(自然)・アース(地球)など、自然界を感じるインテリア空間であることです。これらを意識したインテリア雑貨やディスプレイを加えると、【手順3】で作り上げた空間がより北欧らしくなります。
観葉植物
インテリアに観葉植物を足すことで、ナチュラルな印象やリラックス感がアップして見えます。
観葉植物はどんなインテリアにも合うアイテムなので、観葉植物自身に「北欧要素が強い」「モダン要素が強い」の違いはありません。しかしながら、植物の入れ物(鉢・プランター・バスケットなど)の素材や色を何にするかで「モダン」「北欧」が違って見えます。
オフホワイト・アイボリー・ベージュのインテリア雑貨
クッション・ブランケット・花瓶・小物入れ・絵(ポスター)を飾る額縁などに、オフホワイト・アイボリー・ベージュなどの白っぽい色を取り入れるとナチュラルな印象がアップして見えます。
薄い茶色の木目のインテリア雑貨
テーブルや収納などのメインの家具だけでなく、ちょこっとした物を入れる箱や収納に薄い茶色の木目柄を取り入れるとナチュラルな印象がアップして見えます。
モノクロのインテリア雑貨
ブラック・グレー・ホワイトのモノクロのインテリア雑貨は、北欧らしさをアップします。色の組み合わせ方がが簡単なので、誰でも気軽に取り入れることができます。
いかがでしたか。
北欧モダンインテリアを作る前に、現在の床の色(素材感や雰囲気含む)に注目しておくと、どんな色のソファやラグを敷き、どんなデザインの家具を置けば良いか、すぐに判断できるのがわかったでしょうか。
手順をおらさいすると
2.床の要素と逆の要素を持つ色合いのソファとラグを選ぶ。
3.テーブルや収納などの家具は、「北欧要素」「モダン要素」のどちらのデザインでも可。
4.家具のモダン要素が勝ってしまい、北欧要素が足りない場合は、木製の家具(薄めの茶色の木目・曲線デザインの木製家具など)を増やす
5.ナチュラル要素を加える。
です。
具体的なコーディネート実例を見たい方は、下記を参考にして下さい。