フローリングや家具の茶色と相性の良いベージュは、インテリアによく使う色です。
また、茶色には、ソファやラグやクッションやカーテンなどの生地を使ったアイテムにもカラーバリエーションがあり、茶色とベージュを同じ空間の中にコーディネートは、温もりがあり、リラックス感を演出します。
ベージュと茶色の組み合わせは一通りではなく、ベージュと茶色の木の組み合わせを大きく分けると「ベージュ×ダークブラウン(暗い茶色)」「ベージュ×ブラウン(茶色)」「ベージュ×ライトブラウン(明るいブラウン)」の3種類があり、それぞれの茶色の濃さでインテリアの印象が違って見えます。
ベージュとダークブラウンの木の組み合わせは、落ち着いた印象。
ベージュとブラウンの木の組み合わせは、親しみがあり心地よい印象。
ベージュとライトブラウンの木の組み合わせは、ナチュラルな印象。
このように、茶色の木目の濃さで雰囲気がガラリと変わるベージュ×茶色のインテリアですが、この他に「どこにベージュを使い、どこに茶色を使うか」でも、表情の違うインテリアになります。
過去のコラム「ベージュ×ブラウンインテリア-ソファ・ラグ・カーテン等45実例」では、「ソファとラグ」「壁とソファ」など、場所別にコーディネートを紹介しましたが、このページでは、ベージュと茶色のありきたりな組み合わせを“色の選定(主に茶色の暗さ)の仕方”と“空間全体のどの部分に使うか”で広さを演出したり、重厚感を出したり、くつろげる空間を作る方法を紹介していきましょう。
ベージュと茶色で開放感のあるインテリアを作る方法
開放感①全体的に淡い色でまとめる
床の色を薄い茶色、木を使ったチェアやミラーフレームやコーヒーテーブルの木目を薄い茶色にして、ベージュと組み合わせると広々とした印象に。
白っぽい色や淡い色は、広さを演出するのに適した色です。
狭いリビングや部屋を解放的に見せたい時は、白っぽいベージュや薄い茶色を中心にコーディネートするのがおすすめです。
茶色のフローリングと薄いベージュの狭いリビングダイニングに、グレイッシュな薄いベージュの2人掛けソファをコーディネート。
ソファと対面に、薄い茶色の木目キャビネットとホワイト扉を組み合わせたナチュラルなデザインのテレビボードをレイアウト。ダイニングチェアとダイニングテーブルをテレビボードと同じ明るさの茶色の木目にしてまとまりのある空間を演出したインテリア。
くすんだ薄めの茶色のフローリングのリビングに、モダンなデザインのベージュのコーナーソファをコーディネート。
ソファの下に、スモーキーなベージュのラグを敷き、茶色の木目の箱型長方形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファ正面の壁に、薄い茶色の木目のオープンシェルフとホワイト扉のキャビネットを組み合わせた背の高いテレビボードを配置。ラウンジチェアとサイドテーブルの小さめの家具で黒を足して空間を引き締めたインテリア。
濃い茶色のフローリングのリビングに、ベージュ×ホワイトのうっすらと模様が入った壁紙をコーディネート。
壁を背に、白っぽいベージュの2人掛けソファをレイアウト。ソファの下に、黄色が強めのベージュの曲線デザインのラグを敷き、茶色の丸型コーヒーテーブルを配置。ランタン風のペンダントランプや曲線デザインのアームチェアを置いて、エキゾチックな空間を演出したインテリア。
解放感②ベージュを多くし茶色をポイントに使う
全体的に淡い配色のインテリアは、ナチュラルな雰囲気になりがちです。「開放感①全体的に淡い色でまとめる」のようなナチュラルなインテリアがあまり好きではない方は、淡いベージュの面積を多めにして、茶色をポイントに加えるコーディネートを目指しましょう。茶色のポイントに目がいき、ナチュラルな印象が薄いインテリアになります。
ダークブラウンのフローリングと白っぽいベージュの壁紙のリビングに、白っぽいベージュの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、薄いベージュのラグを敷き、白っぽい茶色の木製長方形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面に、白っぽいグレーのファブリック製アームチェアを2脚配置。ソファの上に、グレイッシュな暗い茶色の無地クッションを2個乗せて、落ち着きをアップ。床とクッションを似た色にして、まとまりのある空間を演出したインテリア。
茶色のヘリンボーン床と白っぽいベージュの壁紙のリビングに、白っぽいベージュの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、白っぽいベージュのラグを敷き、ホワイトの長方形トレイテーブルと黒の丸型トレイテーブルをレイアウト。ソファの上に、薄めの茶色の無地クッションを乗せ、ホワイトのトレイテーブルの上に黒っぽい茶色の花瓶、黒のトレイテーブルの上に茶色の花瓶を乗せ、ソファの隣に背の高い観葉植物をディスプレイ。自然を感じる緑と茶色をポイントに使った北欧スタイルのインテリア。
くすんだ暗い茶色のフローリングのリビングに、薄いベージュの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、ソファと同じ明るさのベージュのラグを敷き、ブラウンレザーの長方形オットマンテーブルをレイアウト。クッションとアートで淡いピンクと水色を足してエレガントな空間を演出したインテリア。
ベージュと茶色で重厚感のあるインテリアを作る方法
重厚感①壁紙やアクセントクロスを暗い茶色にする
ベージュと茶色の組み合わせは、親しみがあり、無難な印象のインテリアになりがちです。壁紙を淡いベージュから暗い茶色に変えるだけで、重厚感がグンとアップして見えます。茶色は、インテリアと相性が良い色なので、壁のような大きな面積に使っても「壁の色だけが浮いて見える」ということがなく、空間に上手く馴染みます。
茶色のフローリングのリビングに、暗い茶色のアクセントクロスをコーディネート。
白っぽいベージュの2人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、薄いグレーの毛足の長い小さめのラグを敷き、暗い茶色のファブリック製長方形オットマンテーブルを配置。ソファの隣のサイドテーブルの木目、アクセントクロス、オットマンテーブルを暗めの茶色で統一し、重厚感のある空間を演出したインテリア。
スモーキーな暗い茶色のフローリングのリビングに、ダークブラウンのアクセントクロスをコーディネート。
アクセントクロス壁に、暗い茶色の木製ウォールシェルフをハンギング。床に、茶色×ベージュの高級感のある大きなラグを敷き、オフホワイトの2人掛けソファを対面式に2台配置。サイドテーブルとコーヒーテーブルの脚でゴールドを加え、ラグジュアリーな雰囲気をアップしたインテリア。
茶色のフローリングのリビングに、ファブリックのようなデザインの暗い茶色のアクセントクロスをコーディネート。
スモーキーな薄いベージュのコーナーソファをレイアウト。ソファの前に、薄いグレーのシンプルなデザインの長方形コーヒーテーブルを置き、ソファの上に、白っぽいベージュの無地クッションを配置。壁色(アクセントクロス)以外は淡い色にして、開放感も演出したインテリア。
重厚感②暗い茶色の床や暗い茶色の木目家具を使う
床や家具に使われている茶色には、薄い茶色や濃い茶色・黒っぽい茶色など、様々な明るさがあります。
床(フローリング)や木を使った家具を選ぶ時、木目の明るさを暗いものにすると重厚感が増して見えます。
先に紹介した、壁色の一部を暗い茶色する方法とミックスしてもOK。
暗い茶色の木目は、傷や埃が目立ちやすいというデメリットがあるものの「家具自体が高そうに見える」というメリットもあります。
暗い茶色のフローリングのリビングに、暗い茶色の木目の背の高いテレビボードをコーディネート。
床に、濃いベージュ×ブラウンのヴィンテージなオリエンタルラグを敷き、黒っぽいブラウンレザーの2人掛けソファと長方形オットマンテーブルをレイアウト。ソファ背面に、黒っぽいブラウンの木目のカウンター型テーブルを置き、黒の木製脚とブラウンレザーの座面を組み合わせた丸型スツールを3脚配置。クラシック感と高級感のあるインテリア。
ダークブラウンのフローリングのリビングに、黒っぽい茶色の造り付け収納家具をコーディネート。
床に、白っぽいグレー×ベージュのラグを敷き、黒っぽい茶色の3人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、黒っぽい茶色の木製長方形コーヒーテーブルを配置。作り付け家具背面の壁に、うっすらと模様が入ったブラウンの壁紙を貼り、間接照明を照射。リッチ感のあるクラシカルスタイルのインテリア。
暗めの茶色のフローリングのリビングに、黒っぽい茶色の造り付け収納家具をコーディネート。
家具の間の壁に、暗めの茶色のストーン調のタイル壁をプラス。タイル壁を背に、ベージュの2人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、ベージュ×濃いブラウンのカウハイドラグを敷き、ソファと対面に薄いブラウンレザーのパーソナルソファ&オットマンを配置。サッシとサッシ周りの壁をブラウンにして、重厚感と落ち着きのある空間を演出したインテリア。
重厚感③茶色を腰より下に暗い茶色をまとめる
「壁や家具を暗い茶色でまとめてしまうと狭く見えそう。」「暗い色が多いインテリアは圧迫感が出そう。」と感じる場合は、腰より下の部分だけを暗い茶色にして重厚感を演出する方法があります。
この場合、壁紙の色はホワイト系かベージュ系で良いので、壁と天井の白い部分が多く見える為、広々とした印象になります。床の色が開放感のある薄い茶色の場合も、床の上に黒っぽい茶色を乗せることで重厚感がアップして見えます。
茶色のフローリングとベージュの壁紙のリビングに、暗い茶色のファブリック製ラウンジチェアをダークブラウンの木目の丸型コーヒーテーブルを囲むように4脚コーディネート。
チェアの下に、ベージュ×グレー×イエロー×ブラウンのパターン柄のラグを敷き、壁を背に、暗い茶色の木目のサイドボードをレイアウト。窓に、暗い茶色の無地カーテンをハンギング。チェア・テーブル・収納家具・カーテンの茶色を全て同じ明るさで揃えた、まとまりのあるインテリア。
茶色のフローリングとホワイト系壁紙のリビングに、暗い茶色の2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、黒×赤×水色×ベージュのヴィンテージなオリエンタルラグを敷き、黒っぽい茶色のクッションをレイアウト。床を埋めるように、黒っぽい色を配色し、どっしりとした印象の空間を演出したインテリア。
薄い茶色のフローリングとホワイト系の壁紙のリビングに、暗い茶色のファブリック製コーナーソファをコーディネート。
ソファの下に、黒っぽい茶色の大きなシャギーラグを敷き、茶色の金属フレーム脚とガラス天板を組み合わせた曲線デザインのコーヒーテーブルと黄緑レザーの正方形スツール2脚をレイアウト。リビングの中央に、暗い茶色をぎゅっとまとめたモダンスタイルのインテリア。
スモーキーな薄い茶色のフローリングのリビングと薄いベージュの壁紙のリビングに、黒っぽいブラウンレザーの2人掛けソファを対面式にコーディネート。
ソファ同士の間に、くすんだ茶色のラグを敷き、ブラック金属フレーム脚とくすんだ濃いめの茶色の木製天板を組み合わせた長方形コーヒーテーブルをレイアウト。2箇所の窓に挟まれた暖炉周りの壁に、黒っぽい茶色のアクセントクロスを貼り、ソファと色を統一。暗い茶色をポイントのように取り入れて、重厚感のある空間を演出したインテリア。
ベージュと茶色でくつろぎ感のある空間を作る方法
くつろぎ感①床面を淡くして茶色を乗せる
一番最初に紹介した「全体的に淡い色でまとめる」方法は、開放感のある空間ではあるものの「白っぽい色が多過ぎて落ち着かない。」と感じる方もいらっっしゃるでしょう。
そんな時は、薄い茶色の床の上に、茶色の家具を乗せることで落ち着いた空間を演出することができます。
重厚感のところで紹介した配色と似てますが「黒っぽい茶色や暗い茶色を使わない」ことがポイントです。
薄い茶色のフローリングとベージュの壁紙のリビングに、くすんだブラウンの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、床色よりも薄いベージュのシャギーラグを敷き、茶色レザーの長方形オットマンテーブルをレイアウト。ソファとL字に、濃い茶色の木製脚と薄いグレーのファブリック製座面を組み合わせたアームチェア2脚、ソファと対面に、明るい茶色の木とグレー×ベージュ×ブラウンのパターン柄のファブリック製座面を組み合わせたアームチェアを配置。床・壁・ラグを似た明るさにした開放感もあるインテリア。
薄い茶色のフローリングのリビングに、くすんだブラウンの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、黄色が強めの薄いベージュ×ホワイトのパターン柄の大きなラグを敷き、黒っぽい茶色の金属っぽいデザインの丸型コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面に、茶色の木とくすんだ薄いグリーンのファブリック製座面を組み合わせたアームチェアを2脚置き、窓を茶系の木目にして、ナチュラルな空間を演出したインテリア。
薄い茶色のフローリングのリビングに、ブラウンレザーの3人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、スモーキーなベージュのラグを敷き、ソファの茶色と似た明るさの茶色の木目の丸型コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面に、シルバー金属脚とベージュっぽい薄い茶色の網目模様の座面を組み合わせたモダンなデザインのチェアを2脚配置。2面を窓に囲まれた解放的なリビングに、広さとくつろぎ感を演出したインテリア。
薄めの茶色のフローリングのリビングに、ブラウンレザーの3人掛けソファをコーディネート。
ソファの前に、黒の線で菱形模様を描いた薄いベージュのラグを敷き、ブラック金属脚と茶色のヴィンテージな木製天板を組み合わせた長方形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファの上に、白っぽいベージュのムートンラグを乗せて、温もりをアップした北欧スタイルのインテリア。
くつろぎ感②くすんだベージュ(グレージュ)と茶色を組み合わせる
グレージュは、グレーっぽいベージュです。ベージュは、黄色をベースとした色なので、ベージュをコーディネートしたインテリアは、楽しさや親しみ感のある空間になりがちです。
一方グレージュは、鮮やかさが少なく、落ち着いた印象や上質な印象を演出する色で、近年のトレンド色でもあります。インテリアに使う茶系の木目にも、鮮やかさが少ないスモーキー系やグレー系の茶色が出ていて、この2つを組み合わせたインテリアは、上質なくつろぎ感のある空間になります。
茶色のヘリンボーン床のリビングに、スモーキーなブラウンの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの下に、薄めのグレージュのラグを敷き、薄めの茶色の木目の楕円形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面に、黒っぽい茶色の木とブラウンレザーを組み合わせたヴィンテージなアームチェアを配置。上質&エレガントな北欧スタイルのインテリア。
スモーキーな薄めの茶色のフローリングとグレージュの壁紙のリビングに、赤みが強めの濃いブラウンの3人掛けソファをコーディネート。
ソファ正面の壁に、くすんだ茶色×ホワイトのモダンなデザインのテレビボードをレイアウト。窓に、壁色よりも濃いグレージュのカーテンを下げ、ソファの後ろにスモーキーな茶色の木目の腰壁を立て、ダイニングスペースを配置。ソファ以外をくすんだベージュ&茶色でまとめたリラックス感のあるインテリア。
茶色のフローリングとグレージュの壁紙のリビングに、グレージュの壁紙&天井をコーディネート。
床に、ベージュのラグを敷き、グレージュのファブリック製アームチェアをスモーキーな薄めの茶色の木目の丸型テーブルを囲むように4脚レイアウト。電球色のダウンライトで床面を照らし、くつろぎ感のある空間を演出したインテリア。
ベージュと茶色の同じ色を使ったコーディネートでも、割合や濃さによって様々な表情のインテリアを作ることができるのが伝わったでしょうか。
「何となく、ベージュと茶色を組み合わせる」よりも、「どこにベージュを使いどこに茶色を使うか」「ベージュと茶色の濃さや鮮やかさをどうするか」を考えてからコーディネートした方が、センスを感じるインテリアになりますので、下記の表(画像)を参考にしながら色決めをしてみてください。