住まいの中で
- フローリング・壁・ドアなどの部屋を構成する部材
- カーテン・ラグ・ソファ・ベッドカバーなどインテリアを構成する大型ファブリック
- クッションカバー・食器など飾りとして使うインテリア小物
どのアイテムを選んでも、必ずカラーバリエーションがあるのがグレーです。
グレーは、どんよりとした曇りの日や濁った水を連想してしまう色なので、“寂しい”“暗い”“ネガティブ”といった印象がありますが、インテリアに取り入れると洗練された上品な空間を作ることができます。
下記の写真は、同じリビングの3面の壁に「真っ白な壁紙クロスを貼った場合(左)」と「ソファの後ろの壁に暗いグレーのアクセントクロスを貼った場合(右)」の比較です。
いかがですか?
暗いグレーの壁紙クロスを貼った右側のインテリアの方が、おしゃれな雰囲気がUPして見えませんか?
このように、インテリアにおけるグレーは、部屋全体を洗練された上質空間に仕上げるのに向いているのです。
では、インテリアにグレーを使いたい時、どの部屋のどの部分にどんな風に取り入れると良いのか?
「部屋のイメージ」「グレーを使う場所」「グレー+1色のワンランク上のコーディネート」「グレーで作るテイスト別インテリア」の4つのテーマに絞って、解説していきましょう。
グレーを各部屋に使うとどんな感じになるかを見てみよう
グレーのキッチンインテリアとセンスアップポイント
グレーの框付扉の対面オープンキッチン。
グレーの框付扉キッチンキャビネットとゴールドのバー取っ手&つまみ取っ手のコーディネート。
キャビネットやタイル・キッチンパネルにグレーを使うと、上品で清潔感のあるキッチン空間を演出できます。
キッチンが他の部屋と完全に分離されている(つまり、壁に囲まれた独立キッチン)場合は、間取りと色の影響で孤独感を感じやすくなるため、ゴールドやピンクゴールドなどの金属を使った取っ手を活用し、華やかさをプラスしてみましょう。
また、電気オーブンレンジ・ポット・コーヒーメーカー・炊飯器などの家電を露出して置く場合は、赤や黄色など原色を使ったものを選び、アクセントカラーとして取り入れるとメリハリのあるワンランク上のキッチンコーディネートに。
グレーのダイニングインテリアとセンスアップポイント
グレーのタイル床・グレーのパターン柄の壁紙クロス・グレーの天井クロスをコーディネートしたダイニングに、ガラステーブルとホワイト&黒のチェアを組み合わせた例。
ダイニングの2面の壁をダークグレーとライトグレーにして、ホワイトの円形テーブルと黒のチェアをコーディネート。
・壁面オープン家具と天井の隙間にオレンジ色を使ったアートを3枚
・テーブルの中心に向かってオレンジ色のペンダントライトを吊り下げる
アクセントカラーの取り入れ方がセンス良すぎます。
茶色のスキッとしたテーブルに、グレーのレザー製チェアを組み合わせ、カーテンもグレーでコーディネート。
オレンジ色っぽい茶色のテーブルを使うことで、食欲が沸きそうなダイニングを演出。
グレーでコーディネートしたダイニングは、上品な印象をもたらします。
ダイニングは、テーブルの上に料理が乗ったお皿がなくても「食事風景」を容易に想像できる場所なので、ダイニング空間に生活感を出したくない場合にも、グレーをメインとしたカラーコーディネートはおすすめです。
ただし、食欲の面からは、グレーは減少傾向にある色です。
グレーを使いつつ、明るく楽しく食欲が増すダイニングを作りたい場合は、オレンジ色や黄色のペンダント照明・ランチョンマットをプラスすると良いでしょう。
グレーのリビングインテリアとセンスアップポイント
壁面:ダークグレー、ソファ:黒・グレーでコーディネートしたリビング。 壁面:グレー、ソファ:明るいグレー(ベージュ)でコーディネートしたリビング。 壁面:明るいグレー、ソファ:壁よりも明るいグレーでコーディネートしたリビング。リビングをグレーでコーディネートする時は、グレーの明度(明るさ・暗さ)によって印象が変わってきます。
暗いグレーは重厚感のある上品なリビングを演出する反面、狭く感じてしまうことも。
ホワイト寄りの明るいグレーは、開放的で洗練された印象のリビングを演出します。
グレーの仕事部屋インテリアとセンスアップポイント
ダークグレーの本棚に囲まれた書斎(仕事部屋)。 グレーの壁面に向かってパソコンデスクをレイアウトし、鮮やかなイエローの花瓶でアクセントカラーを取り入れた例。 明るいグレーの壁に、明るいグレーのウォールキャビネットや引き出しキャビネットをコーディネートした仕事部屋。仕事部屋をグレーでコーディネートすると、集中できる落ち着いた空間が完成します。
重厚感を感じる書斎を作りたい時は暗めのグレー、洗練された上品な印象の仕事部屋(作業部屋)にしたい時は明るめのグレーがおすすめです。
ただし、白っぽいグレーのみで構成された部屋は、緊張感も生んでしまうので、文具入れやファイルケースなどで、原色を取り入れ、アクセントカラーにすると良いでしょう。
グレーの寝室インテリアとセンスアップポイント
暗めのグレーの壁に、黒のカーテンやダークグレーのベッド、ダークグレーのパーソナルソファをコーディネートした重厚感重視の寝室。 グレーの壁に、ホワイトのベッドカバー、グレーの掛け布団・グレーの枕をコーディネートした北欧スタイルの寝室。 白っぽいグレーの壁に、暗めのグレーの掛け布団をコーディネートしたシンプルな寝室。グレーでコーディネートした寝室は、静寂を感じる落ち着いた空間を演出します。
また、白と組み合わせると清潔感、黒と組み合わせることで重厚感といったように、残り2種類の無彩色(白と黒)との組み合わせ方で印象が180度変わってきます。
フロアランプやテーブルランプに、電球色を使った照明器具を選ぶと、アクセントカラーを取り入れなくても、温もりのある寝室を演出することができます。
グレーインテリアを作りたい時に使えそうなアイテム
ソファ・ラグ・カーテン
リビングに必要なインテリア=ソファ・ラグ・カーテンを全部グレーで統一する場合、同じようなグレーでまとめてしまうと、単調で味気ない雰囲気になってしまいます。
グレーの明度を変えてニュアンスをつけるように工夫しましょう。
グレーの暗さ:カーテン>ソファ=ラグ=カーテン=壁
グレーの暗さ:カーテン>ソファ=ラグ=壁
グレーの暗さ:ソファ>カーテン>ラグ=壁
グレーの暗さ:カーテン>ソファ=ラグ>壁
壁
壁面をグレーにしたい場合は、壁紙クロス・グレイッシュな木(板)・タイル・コンクリートなどを活用します。
壁紙
一面がオープンになったリビングの壁二面にグレーの壁紙クロスを貼った例。
ソファの背後の壁にグレーのアクセントクロスを貼った例。
木
長方形リビングの短い方の壁に、グレーの木の板を斜めに貼った例。
ソファの背後の壁に、ヴィンテージなグレイッシュな板を横張にした例。
タイル
リビングの通路側の壁に、ダークグレーの長方形タイルを芋張りにした例。
リビングの壁に、コンクリートっぽい見た目の長方形タイルを貼った例。
コンクリート
ソファ背後の壁をコンクリートにした例。
LDKの壁をコンクリート打ちっ放しにした例。
家具
インテリアにグレーを取り入れる時、ファブリック(生地)を真っ先に思い浮かべてしまいますが、木製家具にもグレーのカラーバリエーションを持ってるものがあります。
テーブル
グレーのリビングテーブル。
グレーの脚のダイニングテーブル。
扉付き収納家具
オープン収納家具
ウォールシェルフ
フローリング
リフォームで床を張り替える場合は、茶系ではなくグレー系のフローリングを選ぶ選択肢も。
また最近では、既存のフローリングの上から貼ることができる、フローリングっぽい見た目の「フロアータイル」が通販で取り扱われています。
これにはグレーの品揃えがあるので、床色を簡単にグレー系変えることができます。
グレーインテリアをセンス良く見せるワンランク上の+1色使い
グレーをメインにコーディネートした部屋は、清潔感や上品さがUPする反面、寂し気な雰囲気も演出してしまいます。
「コーディネートが単調」「孤独を感じる」「何となく寂しい」と感じてしまった時は、赤・青・黄・緑などの有彩色を取り入れて、インテリアにメリハリをつけてみましょう。
グレーインテリア+赤
ドアとクッションでダークレッドをプラス。
クッション、一人掛けソファ、サイドテーブルでくすんだレッドをプラス。
グレーインテリア+ピンク
クッションでビビッドなピンクをプラス。
一人掛けソファでくすんだピンクをプラス。
グレーインテリア+オレンジ
クッションでビビッドなオレンジをプラス。
クッションでビビッドなオレンジと白っぽいオレンジをプラス。
グレーインテリア+イエロー
一人掛けチェアで鮮やかなイエローをプラス。
カウンターやテーブル、シェルフの小口で鮮やかなイエローをプラス。
グレーインテリア+ブルー
壁紙クロスでダークブルーをプラス。
クッションと一人掛けソファで明るいブルーをプラス。
グレーインテリア+グリーン
観葉植物・クッション・テーブルで濃淡の違うグリーンをプラス。
観葉植物とクッションで鮮やかさの違うグリーンをプラス。
グレーインテリア+パープル
花でダークパープルをプラス。
クッションとカーテンでくすんだパープルをプラス。
グレーで作るテイスト別インテリアコーディネート
インテリアを決める時、テイストを決めておくと、家具のデザインやアート、インテリア雑貨をプラスする際、テーマを絞った選定ができるので、コーディネートがチグハグになりにくいです。
グレーをメインにしたカラーコーディネートに合う3つのインテリアテイストを紹介しましょう。
北欧インテリア
グレーインテリアの代表格とも言える北欧テイストは、グレーやホワイトの無彩色コーディネートに、温もりを感じる木を使った(木の色をした)家具を組み合わて作ります。
更に、観葉植物をプラスして、静寂と生命力を感じる空間を演出すると、上級者っぽいコーディネートになります。
モダンインテリア
グレーを使って、生活を匂わせないモダンテイストを作るには、白っぽいグレーを使うのがおすすめです。
クッションや家具の一部に黒を取り入れて引き締めると、格好良さがUPします。
インダストリアルインテリア
アルミダクトやコンクリートを使った天井や壁を剥き出しにしたまま使うことが多いインダストリアルテイストは、グレーとの相性が良いです。
冷たい素材と冷たい色に囲まれた空間に、暗めの茶色の木製家具や茶色のレザーをプラスすると、上質で居心地の良い空間ができます。
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