収納家具・オープンラック・テレビボード・リビングテーブル・ダイニングテーブル・ダイニングチェアなど部屋に置く家具を買う時、白っぽい茶色にするか、明るい茶色にするか、黒っぽい茶色にするかの3つの選択肢があります。
上記は、ダイニング空間に全く同じデザインで色違いの3種類のダイニングテーブルとベンチ・木製チェアを置いた例。
左から、ライトブラウン、ミディアムブラウン、ダークブラウンです。
一番左のライトブラウンの家具は軽そうに見え、広々とした空間を演出するのに適しているのに対し、一番右のダークブラウンの家具は、高級感や重厚感を演出しています。
家具屋さんで、家具のデザインを決め、色を決める時に、高級感を感じる暗い茶色の家具を選んだ経験がある方も多いのではないでしょうか?
筆者は、普段カラーコーディネートをする側の仕事をしてますが、木製カウンター、見切り材、無目枠など家具以外のちょっとした木製部材の色を決める時、「同じ値段なら、高級感のある暗い茶色(ダークブラウン)」といったように、ダークブラウンを使って、インテリアを引き締めることが多いです。
さて、このダークブラウン、高級・重厚・おしゃれといった印象がありますが、インテリアは木の色だけでなく、ソファカバーの色・カーテン・ラグ・クッション・壁紙クロスなど、多くの布と組み合わせて構成していきますよね。
「ダークブラウンの家具には、とりあえず、似た色である黒を組み合わせておけばOK。」
そんな安直な発想もありますが、これでは、せっかくの家具の魅力が半減してしまいます。
ダークブラウンの家具を引き立てつつ、センスも感じる色の組み合わせを5つ紹介していきましょう。
華やかさを演出するイエロー
ダークブラウンは、明るさよりも暗さを感じる色です。
その為、ダークブラウンのリビングテーブルとダークブラウンのテレビボードを置いたリビング、ダークブラウンのダイニングテーブルとダイニング椅子を置いたダイニング、ダークブラウンのベッドとデスクと収納家具を置いた寝室など、ダークブラウンの家具に囲まれた部屋は暗さを感じがちです。
この暗い空間に、陽気な印象をプラスするのが、暖色の黄色です。
- ソファ用クッション
- 花瓶や花
- 絵
- 椅子
- 照明器具のシェード
に黄色を取り入れてみましょう。
ダークブラウンの木製長方形テーブルとダークブラウンの木製椅子を組み合わせたダイニングの一部の椅子のクッションを黄色にしてコーディネート。
壁の前に置いてあるダークブラウンのサイドボードの上にも黄色の瓶をプラス。
壁がベージュ色で、暗い雰囲気のダイニングですが、椅子の黄色が、楽しい食事風景を演出。
キッチン、テーブルを綺麗な木目のダークブラウンで統一したダイニングキッチンの木製ダイニング椅子の背もたれ&座クッションを黄色でコーディネート。
6脚ある椅子は全て、ダークブラウンの木+黄色。
窓際にあるダイニングなので、光と黄色の効果を使って明るい雰囲気を演出。
フローリングと建具がダークブラウンのダイニングの壁面に、ダークブラウンのサイドボードを置き、イエローの横長ポスターを黒の額縁に入れて立て掛けた例。
暗い空間に、イエローのアクセントカラーを効果的にプラス。
サイドボードがある面以外の壁にも、赤を使ったポスター、暗いグリーンを使ったポスターを飾り、両方ともイエローが数%混じったデザインを選定。
腰高の収納家具、リビングテーブル、ひじ掛け付きレザー椅子のひじ掛けを全てダークブラウンでコーディネートしたリビングの壁に、黄色を使ったポスターをディスプレイ。
ポスターが入れてあるフレームは家具と同じダークブラウン色。
トールタイプの収納家具、サイドテーブル、一人掛けチェアのフレームをダークブラウン色で統一し、イエローのレザー製ソファをコーディネートしたリビング。
大きなソファを2台、向かい合わせて置くことができる10畳以上ある広いリビングですが、全体的にダークな空間に、イエローソファで華やかさを演出したセンスを感じる色使い。
家具ショップの展示では、ダークブラウンの家具とイエローソファの前にある、モスグリーンのソファを組み合わせた落ち着きを感じるコーディネートがしてあることが多いですが、メインのソファをイエローにするとアーバンな印象もアップ。
デスクと収納が一体になったダークブラウンの収納家具の上に、イエローの花、対面にあるソファの横に、イエローのフロアランプをコーディネートしたリビング。
ホテルの個室のような落ち着きを感じる空間に、数%のイエローで明るさをプラス。
お気に入りのダークブラウンの家具が目に入るようにコーディネートしたい時は、イエローの配分を少量にするのがおすすめです。
温もりをプラスするベージュ
「木を使った家具を置くと、インテリアに温もりが出る」と言いますが、ダークブラウンは黒に近い色。
その為、白っぽい茶色(ライトブラウン)やオレンジがかった茶色(ミディアムブラウン)と比較すると暖色のイメージが薄く、温もり感が少なめです。
暖色は、温もりだけでなく、リラックスできる空間を演出する意味合いもあるので、LDK・ダイニング・リビングの家具にダークブラウンを使いつつ、居心地の良さを演出するには、ベージュをプラスすると良いです。
ベージュには、赤みがかったベージュや黄みがかったベージュなど「暖色を強く感じるベージュ」とグレー寄りのベージュ(グレイッシュなベージュ)があり、前者は“ほんわかとした温もり”、後者は“洗練された温もり”を演出します。
また、ベージュは白に近い色なので
- カーテン
- ラグ
- 椅子やソファの布
など、大きな面積に取り入れることで、ダークブラウンの暗い閉鎖的な空間に開放的な印象もプラスします。
黒に近いダークブラウンのテーブルとサイドボードをコーディネートしたダイニングに、暗いベージュのダイニングチェアとベンチをコーディネート。
シックでかっこいいインテリア。
カーテンと窓周りの壁には温かみのあるアイボリーを使い、サイドボードの上にはベージュのタイルを使用。
ダークブラウンのアイランドキッチンの隣にあるダイニングスペースに、ガラステーブルとファブリックダイニングチェアをコーディネート。
チェアの脚は、キッチンと同じダークブラウンの木製。
腰から下にダークブラウンを散りばめた、かっこよさと開放感を感じるダイニングキッチン。
黒に近いダークブラウンのサイドボードとダークブラウンのコーヒーテーブルを置いたリビングのソファ・ラグ・一人掛けソファをベージュでコーディネート。
階段横の間仕切りが無い寒々しい空間をリラックスできるリビングに。
ソファとサイドテーブルの横に置いた補助照明のシェードも温もりのあるベージュ色。
テレビボードとコーヒーテーブルをダークブラウンにしたリビングに、グレイッシュなベージュのソファをコーディネート。
温か過ぎず、寒過ぎずを意識したカラーコーディネートは、一年間を通して快適なリビングを演出。
黒の大きなチェック柄のクッションをソファの上に乗せ、暗い茶色の家具に囲まれた重厚感のある空間にカジュアルさをプラス。
ダークブラウンのフローリングのリビングダイニングに、ダークブラウンのダイニングテーブルセット、ダークブラウンのコーヒーテーブル、ダークブラウンのテレビボードをコーディネートし、アイボリーのソファとベージュのラグをプラス。
光が入る明るいリビング側に白っぽい色(ソファとラグ)を集めることで、広さと温もりを演出。
マンションの縦長リビングにも使える配色例です。
ダークブラウンのフローリングのLDKの壁にダークブラウンのサイドボードをコーディネートし、ダイニングチェアとリビング用ラグをベージュにした例。
リビング側のソファとダイニングテーブルは、アイボリーとホワイト。
白っぽい色を多く使い、温もりと居心地の良さを演出したリラックスできるLDK。
広さと上品さをプラスするグレー
ダークブラウンは、黒寄りの茶色です。
ダークブラウンのフローリングの部屋とライトブラウンのフローリングの部屋を比較した場合、ダークブラウンのフローリングの部屋の方が狭い印象を受けます。
このことからもわかる通り、家具をダークブラウン系で揃えた部屋は閉鎖的な雰囲気になりがちです。
(窓や開口部の大きさ、部屋自体の広さにも影響されまずが…)
この、暗く、重く、狭く感じる空間で、ダークブラウンの家具のかっこよさを残しつつ、広く見せる色にグレーがあります。
先述したベージュ同様
- カーテン
- ラグ
- 椅子やソファの布
などにおすすめです。
また、グレーは明度の違いで、様々なグレーが存在し「黒っぽいグレー」と「白っぽいグレー」に分けることができます。
「黒っぽいグレー」よりも「白っぽいグレー」を使うと、広さを強調した、洗練された印象のインテリアを演出できます。
更に、「白っぽいグレー」と組み合わせることで「ダークブラウンの家具を強調する」という視覚効果もあります。
ダークブラウンのフローリングのリビングに、ダークブラウンのテレビボード、明るいグレーのラグ、明るいグレーのソファをコーディネート。
対面キッチンカウンターがあるリビングの2/5(向かって左)をダークブラウン、3/5(向かって右)を薄いグレーで配色したメリハリを感じるインテリア。
ダークブラウンのテレビボード、ダークブラウンのコーヒーテーブル、ダークブラウンの木製ひじ掛け付きチェアを置いたリビングのソファを薄いグレーでコーディネート。
暗い木を使った家具を点在させるレイアウト。
ラグで温かみを感じる暖色をプラス。
ダークブラウンのウッドパネルを横張りにした壁の前に、白っぽいグレーのソファを置き、ダークブラウンのコーヒーテーブルをコーディネートしたリビング。
床には、グレー色のカーペットをプラス。
かっこよさと上品さの両方を感じるホテルの待合室のようなインテリア。
ダークブラウンより明るめのサイドボードと明るいグレーのソファをコーディネートしたシンプルなリビング。
ぬくもりと冷たさの両方を取り入れた生活感が少なめのコーディネート。
配色はシンプルですが、観葉植物を窓辺にプラスして癒し効果も演出。
ダークブラウンのフローリングのリビングに、ダークブラウンのレザーチェアとダークブラウンのコーヒーテーブルを置き、ソファとラグをライトグレーでコーディネート。
4畳半ほどの狭いリビングだけど、壁と床に白っぽいグレーを使用することで、暗い床色の閉塞感を解消。
上品な印象も感じるインテリアです。
ダークブラウンのテレビボードとダークブラウンのひじ掛け付き一人掛けソファを置いたリビングにライトグレーのソファを壁を背にコーディネート。
1つ前のリビングコーディネートと似てますが、ラグを白にして、より開放的で明るい部屋を演出。
コーヒーテーブルとサイドボードをダークブラウンで組み合わせ、茶系のレザーソファを置き、壁を白っぽいグレーでコーディネートしたリビング。
薄いグレーを使う場所は、カーテン・ラグ・ソファなどが一般的ですが、壁の色を変えることができるお家なら、明るいグレイッシュな壁紙クロスを選定して張り替えると、上質な空間に。
この時、カーテンにホワイトを選ぶと、清潔感と明るさも演出できます。
おしゃれ感を演出するブルー系
ダークブラウンの家具は、白っぽい茶色(ライトブラウン)やオレンジがかった茶色(ミディアムブラウン)と比較すると重さを感じ、閉鎖的な印象のインテリアになりがちです。
一方、寒色の代表色であるブルーは、後退色。
同じ大きさでも、小さく見せたり、遠くに見せたりする効果を持つ色です。
重厚感を感じる家具で埋め尽くされた部屋に、青を組み合わせると、シャープでおしゃれな印象をアップできます。
またブルー系には、白が多い水色、黒が多いダークブルー(ネイビー)がありますが、黒みがかった青は、ダークブラウンと黒の組み合わせよりも、センスを感させる海外っぽいインテリアを演出します。
水色
ダークブラウンの楕円形テーブルとくすんだ水色のダークブラウンのフレームの椅子を組み合わせたダイニング。
レトロない色使いが懐かしさと清潔感を演出。
椅子のデザインもかっこいい。
アイボリーのソファの隣にダークブラウンの木製ダイニングテーブルセットを置き、窓周りに、水色の模様が入ったホワイトカーテンをコーディネート。
この水色もグレイッシュなので爽やか過ぎず、落ち着いた印象。
ソファの上に飾ってある大きなミラーのフレームもダークブラウン。
ダークブラウンのサイドボートとダイニングテーブルを組み合わせ、短い方の面に、水色のファブリックダイニングチェアをコーディネート。
長い面には、ホワイトのシンプルなチェアを2脚ずつ対面にセット。
サイドボードの上にも水色の花瓶を2本置いて、アクセントカラーに。
青
黒に近いダークブラウンのテーブルに、暗めの青のファブリックダイニングチェアをコーディネート。
壁面は、青の小花をあしらったグレーでラグも明るいグレー。
家庭の食卓というよりは、レストランを思わせる、センスを感じるインテリア。
ダークブラウンのレザーソファ、ダークブラウンのコーヒーテーブルを組み合わせ、ラグとひじ掛け付きチェアを青でコーディネート。
ラグはグレイッシュで明度が高めの青でチェアのファブリックは緑がかった青。
鮮やか過ぎない青を使った、落ち着きを感じるリビング。
青の壁に向かってダークブラウンの引き出し付きデスクをコーディネート。
集中力が出そう。
ベッドの足元と壁の間の広く空いたスペースを活用したデスクスペース。
緑みの青
ダークブラウンのサイドボードとダークブラウンの木製ダイニングテーブルセットを組み合わせたダイニングの壁に緑がかった青のアクセントクロスをコーディネート。
床には、青とホワイトのストライプラグを敷いてカジュアルさを演出。
暗めの緑がかった青の壁が、ダイニングをおしゃれな雰囲気に。
ダークブラウンの食器棚とダークブラウンの木製テーブルとダークブラウンのレザーチェアを組み合わせたダイニングの窓に、緑がかった青のカーテンをコーディネート。
壁が暗いグレイッシュな緑ですが、白い壁でも合いそう。
テーブルの下にも、白っぽくグレイッシュなブルーのラグをプラス。
暗い青
ダークブラウンの木製テーブルとダークブラウンの木製フレーム+暗い青のファブリックダイニングチェアをコーディネート。
隣にある、青いキャビネットのキッチンとダイニングチェアを同じ色に。
椅子同士の隙間が少なめの狭いダイニングのようですが、青の後退効果で窮屈な印象が少なめ。
ダークブラウンの木製テーブルとダークブラウンのサイドボードを組み合わせたダイニングの壁をネイビーでコーディネート。
海外っぽい色使いがおしゃれ。
ダイニングチェアとラグは、上品さを演出する薄いグレー。
黒に近いダークブラウンのフローリングのリビングに、光沢のある黒っぽいダークブラウンのコーヒーテーブルを置き、暗い青のソファをコーディネート。
高級感とエレガントな雰囲気の両方を感じるインテリア。
暖炉がある場所に、ホワイトのテレビボードを置くことで似たようなカラーコーディネートができます。
ダークブラウンのコーヒーテーブルとダークブラウンのレザーチェアを置いたリビングに、暗い青のソファをコーディネートし、壁面をネイビーに。
明るい茶色の床のリビングであることに気づかないくらい重厚感を全面に押し出したインテリア。
ソファやテーブルの一部やテーブルランプにゴールドが取り入れてあるので、ゴージャスな雰囲気も。
ダークブラウンのテレビボードと暗くてくすんだブルーのコーナーソファを対面にレイアウトしたリビング。
絵、チェア、おもちゃをブルー系で統一した広さとおしゃれさを感じるインテリア。
手前にあるキッズスペースの収納家具やテーブルもダークブラウン。
いかがでしたか?
冒頭に書いた「ダークブラウンの家具は、とりあえず黒と組み合わせておけばOKなのでは?」というコーディネートをしたダイニングとリビングを見てみると
ダイニングに関しては、「楽しく食事」というより「落ち着いて食事」といった雰囲気で、リビングも何だか暗い印象。
4つのおすすめ色と組み合わせたインテリアと比較すると、ダークブラウンの家具自体にも目が行かないくらい「馴染んでる」といった感じです。
好みの問題もありますが「せっかく、かっこいいダークブラウンの家具を選んだんだから、さりげなく目立つようにした方が良い」と筆者は考えます。
ダークブラウンの家具と合う4種類の色は、1色だけでなく「イエローとグレー」「イエローと青」「グレーと青」といった具合に2色を組み合わせて使うのもおすすめですよ。
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