オープンキッチンの前に、ダイニング、リビング、窓の順にある長細い部屋は縦長リビングと呼ばれていて、マンションでよく見られる間取りです。
長細い間取りな上に、ダイニングとリビングの間に仕切り壁やドアがない為「ダイニングテーブルやソファやテレビをどのように家具を配置したら良いだろう?」と悩んでしまうことも。
縦長リビングでは、どのような家具レイアウトが考えられるか、メリット・デメリットと共に探っていきましょう。
広々見える一直線レイアウト
一直線レイアウトの作り方
リビング側:ダイニングテーブルセットを寄せて置いた壁を背にソファをレイアウトし、リビングテーブルはダイニングテーブルの通路側の端と揃え、テレビをソファと反対側の壁を背にして置きます。
対面キッチン横の通路から窓に向かって一直線に伸びたまとまった空間(上図の青の箇所)を作ることで、広々としたリビングダイニングを演出できます。
ダイニングテーブルとソファの背もたれの高さはだいたい同じなので、リビングダイニングの左右のどちらかに同じ高さの家具をまとめることで、天井までの空間も必然的に揃い、整然とした印象のリビングダイニングになります。
テレビと窓が近いため、テレビに光が映り込みやすいのがデメリットで、テレビを窓横のコーナーに置くか窓の前に置く方法もありますが、この場合は採光量が減る為、部屋が暗くなります。
一直線レイアウトのレイアウト例
I型ソファ
4人掛けの円形のダイニングテーブルセットとグレーの2人掛けソファを片側の壁に寄せてレイアウト。
暗くなりがちなダイニング側にホワイトの家具をまとめることで、明るさが演出してあります。
4人掛けの円形ダイニングテーブルと薄いグレーの2人掛けソファを片側の壁に寄せてレイアウト。
ダイニングテーブルとソファの間に、フロアランプを置いて、暗くなりがちなダイニングの補助照明としても活用。
4人掛けの円形ダイニングテーブルと明度が高めのグレーの2人掛けソファを壁に寄せてレイアウト。
ソファのひじ掛けが掃き出し窓と被っていますが、窓が大きいので問題なし。
テレビボードと同じ面のダイニング側の壁には、圧迫感が少ない黒のオープンラックを置いて、リビングダイニングのディスプレイ棚として活用。
※通路幅が120cmほど確保できる間口で可能なレイアウトです。
黒の4人掛け円形ダイニングテーブルとグレーの2人掛けソファを壁に寄せてレイアウト。
1個前と同じ間取りで、家具の色を変え、ソファとダイニングテーブルの間にフロアランプをプラス。
ベランダへの導線を邪魔しないように、コーナー部に観葉植物が置いてあります。
木製の4人掛けダイニングテーブルとテレビボードを壁に寄せてレイアウトし、通路を確保するように黒のソファを配置。
ソファの背もたれと壁の間のスペースとダイニングテーブルの端から壁までのスペースが同じでは無いのでデコボコした雰囲気ですが、「リビング側の壁が、片方が壁で、もう片方が他の部屋に繋がる引き戸やドアがある」という場合に参考にすると良いです。
大理石調の正方形4人掛けダイニングテーブルとテレビボードを壁に寄せてレイアウトし、通路を確保するように黒のソファを配置。
通路側のダイニングチェアの背もたれとソファの背もたれを揃えるようにレイアウト。
ソファと掃き出し窓の間に人が通れるスペースが作ってあり、ダイニングの横からソファの後ろを通って、ベランダに抜ける導線になっています。
コーナーソファ
ナチュラルブラウンの4人掛け長方形ダイニングテーブルとグレーのコーナーソファを壁に寄せてレイアウト。
ソファの寝椅子部分を窓側に置き、外気を感じながら昼寝もできるレイアウトにしてあります。
ホワイトの4人掛け長方形ダイニングテーブルとグレーのコーナーソファを壁に寄せてレイアウト。
ソファのL型は、窓と壁を背に。
全体的に白っぽい色でまとめることで、広々とした印象を演出。
4人掛けのガラス製ダイニングテーブルとグレーのコーナーソファを壁に寄せてレイアウト。
ソファとダイニングチェアの生地を同じにすることで一体感のあるコーディネートを実現。
リビング側の床に派手な色を使ったパターン柄のラグが敷いてあるので、ごちゃっとした印象です。
黒の4人掛け円形ダイニングテーブルとグレーのレザー製コーナーソファを壁に寄せてレイアウト。
キッチン横の通路幅に合わせてリビングにラグが敷いてあるので、LDKの入口まで同じ幅の廊下があるかのような印象。
ラグを活用して視覚的に通路を作った事例です。
黒の長方形6人掛けダイニングテーブルと薄いグレーのコーナーソファを壁に寄せてレイアウト。
テレビは、コーナーソファの正面ではなく、窓と壁を背に斜めにレイアウト。
この位置にテレビがあると、ダイニング側の3席とソファから見えます。
開口・家具を避けるジグザグレイアウト
ジグザグレイアウトの作り方
リビング側:どちらかの壁を背にソファをレイアウトし、リビングテーブルはリビング空間の中心、テレビはソファと反対側の壁を背にして置きます。
まとまったスペースを作るというより、ダイニング空間とリビング空間にそれぞれバランス良く家具をレイアウトするイメージです。
リビング側:ダイニングテーブルを寄せた壁と反対の壁を背にソファをレイアウトし、リビングテーブルはリビング空間の中心や片側、テレビはソファと反対側の壁を背にして置きます。
リビングダイニングを一つの空間と考えると、ジグザグレイアウトは、ダイニング空間は右(または左)寄り、もしくは中心。リビングは間口の中心といった具合に、バラバラな印象が強くなり、乱雑な雰囲気になります。
どちらのレイアウトも、通路スペースが細切れになる為、「テーブルをかわして歩く」「ダイニング空間からソファに向かって斜めに移動」など、動線が複雑になります。
ジグザグレイアウトのレイアウト例
4人掛け円形ダイニングテーブルを壁に寄せてレイアウトし、グレーのソファをダイニングテーブルがある壁と反対の壁を背にレイアウト。
対面式キッチンのあるLDKではありませんが、ダイニングテーブルの奥に対面カウンターがあると想定。
4人掛け円形ダイニングテーブルを壁に寄せてレイアウトし、ダークグレーのコーナーソファをダイニングテーブルがある壁と反対の壁に通路スペースを確保してレイアウト。
間口が広い縦長リビングでは、向かい合う2面を壁を背にソファとテレビボードを置くのではなく、ソファの後ろに通路スペースを確保することも可能です。
この事例の場合は、ソファの後ろにリビング収納家具がプラスしてあります。
LDKの入口ドアの前の通路スペースに壁に寄せて4人掛けの長方形ダイニングテーブルを斜めに置き、ダイニングテーブルと反対側の壁を背にアイボリーのソファをコーディネート。
対面キッチン、ダイニング、リビングを3点で結んだような三角形レイアウト。
ダイニングテーブルを斜めに置くことで、キッチンからリビングへの移動のしにくさを緩和してあります。
(ダイニングテーブルを真っすぐに置くと、テーブルを避けてリビングへ移動する必要があります。)
ダイニングの間口の中心に4人掛け円形ダイニングテーブルを置き、グレーのソファをテレビボードをリビングの2面の壁を背にレイアウト。
ダイニングテーブルを置いて余ったスペースには、サイドテーブルやコンソールテーブルなどのコンパクトな家具を置いて収納量をアップ。
広く感じるリビングダイニング一体型レイアウト
一体型レイアウトの作り方
リビング側:窓を背にソファをレイアウトし、リビングテーブルはリビング空間の中心や片側、テレビはダイニングとリビングの間の壁を背にして置きます。
窓を背にソファを置く為、採光量が減りますが、リビングダイニングを一つの部屋として一体的に考えたレイアウトなので、「食事する」と「くつろぐ」を明確に分けたくない方におすすめです。
テレビに光が映り込むことがなく、リビングとダイニングの両方からテレビを見ることができます。
一体型レイアウトのレイアウト例
4人掛け正方形ダイニングテーブルを壁に寄せてレイアウトし、窓を背に赤の3人掛けソファをレイアウト。
腰窓の下にピッタリ納まるソファの事例ですが、端から端まである大きな掃き出し窓のある間取りなら、出入りするスペースだけを確保してソファを置くのも一つの方法です。
4人掛け正方形ダイニングテーブルを壁に寄せてレイアウトし、ホワイトの2人掛けソファをレイアウト。
「リビングにダイニングテーブルが置いてある」または「ダイニングにソファが置いてある」といった印象です。
キャスター付きのテレビボードを置いて、リビングにいる時はリビング寄り、ダイニングにいる時はダイニング寄りのテレビの位置をフレキシブルに移動するのもありかもです。
光を浴びて食事できる窓側ダイニングレイアウト
窓側ダイニングレイアウトのの作り方
リビング側:対面キッチンカウンターの前に、ソファやリビングテーブルを置いたリビングスペースを作ります。ソファとテレビは対面式に。
光が降り注ぐ窓側にダイニングをレイアウトする為、朝食やブランチを重視したい方におすすめです。
ただし、キッチンから一番遠い位置にダイニングテーブルを置くことになるため、移動距離が長くなります。
光が届きにくい位置にリビングをレイアウトする為、リビング全体が暗い印象になるので、補助照明を駆使した明かりの確保が必要になってきます。
窓側ダイニングレイアウトのレイアウト例
対面キッチンの前の壁を背に紫のソファを置き、窓の前に4人掛けの円形ダイニングテーブルをレイアウト。
3つの窓に囲まれた明るいダイニングで、美味しく朝食がいただけそう。
対面キッチンの前に壁を背にホワイトのレザーソファを置き、窓の前に2人掛けの円形ダイニングテーブルをレイアウト。
まるでカフェのよう。
カーテン不要のマンションの上層階なら、夜景を見ながらのディナーも可能ですね。
対面キッチンの前に壁を背に暗い青緑の3人掛けソファを置き、窓の前に2人掛けの正方形ダイニングテーブルをレイアウト。
ソファの後ろは壁ではなく、ミラー仕様にして狭いリビングダイニングに開放感を演出。
対面キッチンの前に壁を背にグレーのフロアソファを置き、窓の前に2人掛けの正方形ダイニングテーブルをレイアウト。
ホワイトとグレーでまとめた北欧テイストなリビングダイニング。
リビングとダイニングの間の壁面に高さや角度を調整できるコンセント式のブラケット照明を取り付けて、リビング側の明るさを確保。
対面キッチンの前の2面の壁を背に、ブラウンの2人掛けソファとホワイトのテレビボードを置き、窓の前に4人掛けダイニングテーブルをレイアウト。
これまでの事例は、腰窓でしたが、これは掃き出し窓の前にダイニングスペースを作ったパターンです。
Advertisements
縦長リビングは、壁面が多い為、家具が置きやすい間取りです。
開放感や広さを重視するのか、一体感のあるレイアウトにするかは、リビングダイニングが他の部屋と繋がっているかも関係してきます。
(他の部屋と繋がってる場合は、家具の置き方にも制約が生まれる)
2人暮らしの筆者は、朝起きたら光を浴び、朝食を食べる健康的な生活を送りたいので、ダイニングを窓側にするのもありかと思います。
家族の人数が多い場合は、キッチンとダイニングを行ったり来たりする必要がある為、「邪魔臭い」と感じてしまうかもしれませんが。