2階建てのお家に必ず必要な階段。
近年は、リビング階段といって、階段の位置がLDKと面している間取りのお家も増えてきています。
リビング階段を検討中の方に、メリット・デメリットやデザイン、インテリア実例を紹介していきましょう。
リビング階段のメリットとデメリット
階段は、「玄関で靴を脱ぎ、玄関ホールを通り、そのまま2階へ行く」動線でレイアウトするのが一般的。つまり、2階へ上がる時は「他の部屋を通過しない。」「誰にも会うことがない。」レイアウトです。
一方、リビング階段は、LDKと階段が繋がったレイアウトです。独立型の階段と違い、2階へ上がる時は「キッチン・ダイニング・リビングのいずれかを通過する。」「キッチン・ダイニング・リビングのいずれかに家族がいた場合、誰かと遭遇する。」レイアウトになります。
リビング階段は
- 家族の動きや表情を察知できる
- どんな友達が来ているのか把握できる
- 開放感がある
などのメリットがある一方
- 音が上階に漏れやすい
- 臭いが上階に漏れやすい
- 階段の埃がLDKに落ちてきやすい
- 冷暖房の効率が悪い
などのデメリットがあります。
筆者が、昨年から今年頭にかけて携わった新築の案件では、「開放感があるリビング」「息子さんを訪ねてどんな友達が来てるのかを把握するため」の2つの目的からリビング階段を希望されたお施主様が、住んで半年で「キッチンの臭いが2階まで上がり、こもってしまうのでなんとかならないか。」といった相談を受けています。
リビング階段は、流行りのレイアウト(間取り)ではありますが、いったん決めてしまうと何十年もその形で生活していくことになります。メリット・デメリットをよく吟味した上で決定するようにしましょう。
リビング階段にはどんな種類がある?-4つのデザインとインテリア実例
リビング階段に限らずですが、階段には以下のようなデザインがあります。
箱型階段は両端が壁や腰壁になっている階段です。
段板と段板の間には蹴込(けこみ)があり、しっかりとした印象のデザインです。
開放感は少ないですが、階段の手前にドアや引き戸(間取りによる)をつけて、階段を隠してしまうこともできます。
リビング階段に憧れるけれど、リビング階段の臭い問題・空調問題・埃問題・音問題などのデメリットを極力少なくしたい場合におすすめのデザインです。
吹き抜けリビングに、ナチュラルブラウンの踏み板&蹴込の箱型階段をレイアウト。
ダイニングの横に、ダークブラウンの踏み板とホワイトの蹴込の箱型階段をレイアウト。
ダイニングキッチンとリビングの間に、ダークブラウンの踏み板とホワイトの蹴込の箱型階段をレイアウト。
デザイン階段・オープン階段は、壁の側面に壁がない階段です。
蹴込板がないため、階段の向こう側が透けて見え、開放的な階段周りになります。
- 大きな窓の光を階段で遮りたくない
- 中庭の横に階段が欲しい
などのシチュエーションにマッチし、階段をインテリアの一部と考えた素敵なデザインもあります。
- 直線的なデザインの側桁で支えるデザイン
- ささら桁で支えるデザイン
- 1本の力桁で支えるデザイン
- 2本の力桁で支えるデザイン
- 稲妻型の力桁で支えるデザイン
など、「踏み板をどう支えるか」によっても、デザインが異なってきます。
ひな段階段は、箱型とオープンをミックスしたデザインの階段です。
側面から見た時に、踏み板の高さに応じて壁ができる為、雛壇のように見えます。しっかりとした見た目と開放的な印象を併せ持つ階段です。
ダイニングの隣にホワイト×ダークブラウンのツートンカラーのひな段階段をレイアウト。
リビングの後ろにホワイト×ナチュラルブラウンのツートンカラーのひな壇階段をレイアウト。
片持ち階段は、踏み板を片側の壁で支えた階段です。
蹴込・桁など、踏み板を支える部材がなく、踏み板が宙に浮いているようなデザインです。
濃いめのベージュの壁と黒っぽいダークブラウンの踏み板の片持ち階段。
ホワイトの壁とナチュラルブラウンの踏み板の片持ち階段。
リビング階段をどこに作る?-5つの場所とレイアウト実例
対面キッチンとダイニング、その隣にリビングがあるようなLDKが一体型になった部屋では、リビング階段の位置をどの場所に作るかで、家具のレイアウトや動線が違ってきます。
3面が窓の中庭の隣に、ブラック金属×茶色の木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。ダイニングキッチンに向かって進み、中庭を見ながら2階に上がっていくスタイル。廊下の隣に階段がある為、ダイニングキッチンと階段の動線は被らない。
ステンレス扉の無機質なアイランドキッチンとくすんだ茶色の木製長方形ダイニングテーブルを横並びにしたダイニングキッチンの対面スペースに、ブラック金属と茶色の木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。ダイニングキッチンの前を通って2階に上がるスタイル。
茶色の木目扉のアイランドキッチンがあるダイニングキッチンのダイニングスペースに、ブラック金属と暗めの茶色の木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。ダイニングの横を通って2階に上がるスタイル。フローリング・キッチン扉・階段の踏み板の木目の明るさを揃えた、まとまりのあるインテリア。
対面キッチンの腰壁をグレーのモルタル調にしたダイニングの短い面に、茶色の木目のひな段階段をコーディネート。茶色の木製長方形ダイニングテーブル、木製ベンチ、木製チェア2脚をレイアウト。木目を多く取り入れてナチュラルでリラックス感のある空間を演出したインテリア。
ナチュラルな天然木っぽい見た目のフローリングの中庭があるダイニングの中庭の窓と平行に、ナチュラルな木目のオープン階段をコーディネート。茶色の木製長方形ダイニングテーブル、木製ベンチ、濃いめの茶色の木製脚とくすんだ濃いベージュのファブリック製座面を組み合わせたチェア2脚をレイアウト。光が入る明るい場所に階段を配置した開放的なインテリア。
濃い茶色の木目扉キャビネットとホワイト系の木目扉キャビネットを組み合わせた対面キッチンがあるダイニングに、ブラック×ナチュラルブラウンの木目のオープン階段をコーディネート。ナチュラルブラウンの木製長方形テーブル、ナチュラルブラウンの木と濃いグレーのファブリックを組み合わせたチェア2脚をレイアウト。キッチン横の通路スペースを通り、ダイニングの横を通過して2階に上がるスタイル。
ホワイトの壁と茶色の木目天板を組み合わせた腰壁がある対面キッチン前のダイニングスペースのコーナーに、ホワイトのささら桁と茶色の木目の踏み板、ブラックの手すりを組み合わせたオープン階段をコーディネート。ナチュラルブラウンの木製長方形ダイニングテーブル、ダークグレーの寝椅子付き2人掛けソファ、ナチュラルブラウンの曲線デザインの木製チェア2脚をレイアウト。ダイニングの上を吹き抜けにした開放的なインテリア。
薄めの茶色のフローリングのダイニングの窓側にホワイト×くすんだ薄めの茶色の木目の稲妻階段をコーディネート。ホワイトの楕円形ダイニングテーブル、ホワイト×グレーのチェアをレイアウト。ホワイトを基調とした開放的なインテリア。
スモーキーなナチュラルブラウンのフローリングのL型のLDKのリビング横に、ナチュラルブラウンのひな段階段をコーディネート。ダイニングキッチンからリビングを眺めながら2階に上がるスタイル。ナチュラルブラウンの木製ベンチを置き、グレーのラグをレイアウト。窓と反対側をオープンな階段にして、明るくしたインテリア。
ナチュラルな薄めの茶色のフローリングのリビングの短い方の壁面に、ホワイトのささら桁とナチュラルブラウンの踏み板を組み合わせた階段をコーディネート。ソファと掃き出し窓の間のスペースを通って2階に上がるスタイル。茶色の木とグレーのファブリックを組み合わせた2人掛けソファ、パーソナルソファ、茶色の木製長方形コーヒーテーブルをレイアウト。階段下のスペースをテレビとエアコンの場所にしたアイデアのあるインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングの縦長リビングの壁際に、ダークブラウンの片持ち階段をコーディネート。ソファ背面のスペースをテラス窓側から2階に上がるスタイル。ブラックレザーの2人掛けソファ、ブラックのラグ、ブラックの丸型サイドテーブルをレイアウト。階段と反対側の壁に、ブラウンの木目のテレビボードを配置。階段と家具の色を暗めにした落ち着きのあるインテリア。
中庭があるナチュラルブラウンのフローリングのリビングのキッチン横に、ダークブラウンの木目の踏み板とブラックの手すりを組み合わせた片持ち階段をコーディネート。ソファ背面のスペースから2階に上がるスタイル。アイボリーのコーナーソファをレイアウト。コーヒーテーブルの色と階段の踏み板の色を揃えた、まとまりのあるインテリア。
ブラウンのフローリングのリビングに、ブラックのひな段階段をコーディネート。ソファの後ろの通路スペースから2階に上がるスタイル。赤みがかったスモーキーなベージュの大きなラグを敷き、グレーレザーの寝椅子付き2人掛けソファをレイアウト。レザー製オットマンテーブルとテレビボードをブラックでまとめた、高級感のあるインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングの縦長リビングの掃き出し窓と反対側に、手すり壁の箱型階段をコーディネート。キッチン横→ダイニング横を通過して2階に上がるスタイル。ベージュ・ホワイト・明るい茶色の木製家具をコーディネートしてナチュラルな空間を演出したインテリア。
ナチュラルブラウンのフローリングと濃いめのブラウン系のレンガ調アクセント壁のリビングダイニングの掃き出し窓と反対側に、ブラックの側桁と明るめのブラウンの木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。リビング横のスペースから2階に上がるスタイル。薄い茶色の木製長方形ダイニングテーブルやくすんだ薄めの黄緑のソファをレイアウトして、ヴィンテージ&ナチュラルな空間を演出したインテリア。
くすんだダークブラウンのフローリングのL字型LDKに、ダークブラウンの木目の箱型階段をコーディネート。LDKのドア横に階段があり、リビング・ダイニング・キッチンのどの動線とも被らずに2階に上がるスタイル。テレビボード・リビング収納・キッチン扉をフローリングや階段と同じ暗めの茶色の木目でまとめ、落ち着いた空間を演出したインテリア。
濃いめのブラウンのフローリングの縦長リビングの掃き出し窓と反対側に、ブラックのささら桁とブラウンの木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。リビングのラウンジチェアの後ろを通って2階に上がるスタイル。吹き抜けのリビングダイニングの天井をブラウンの木目調にして梁を見せ、広々とした空間を演出したインテリア。
ミディアムブラウンのフローリングのリビングの中庭の横に、ホワイトの側桁と薄めのくすんだ茶色の木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。中庭と反対側の壁に、ブラウン系の凸凹したタイルを貼り、くすんだ焦茶のアームチェアをレイアウト。くつろぎ席から、軽めのデザインの階段を眺めつつ、中庭が見えるようにしたインテリア。
ダークブラウンと明るめの茶色のフローリングをミックスしたリビングの中庭の横に、ブラック金属の力桁2本とライトブラウンの木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。中庭と反対側の壁に、ダークグレーのコンクリート調の大きなタイルを貼り、タイル壁を背に、アイボリーレザーのシンプルなデザインの2人掛けソファをレイアウト。ソファの前に、ホワイトのシンプルな長方形リビングテーブルを配置。2階に上がる時は、ソファの前を通過するスタイル。
ヴィンテージなブラウンの細いフローリングの縦長リビングのダイニング側の中庭の横に、ブラック金属の力桁2本とブラウンの木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。茶色の木製長方形テーブル、茶色の木製脚とブラックの座面を組み合わせたチェアをレイアウト。階段がリビングに被らないようにして、リビングを広々と取った間取り。
赤みがかったダークブラウンのフローリングの縦長リビングの中庭の横に、ホワイトの力桁2本とダークブラウンの木目の踏み板を組み合わせたオープン階段をコーディネート。ブラックのフロアキャビネットとホワイトのウォールキャビネットを組み合わせた壁付キッチン、ブラックの丸型ダイニングテーブルとホワイトのチェア、ダークグレーのファブリック製コーナーソファ、くすんだブラウンのベルベット製丸型オットマンテーブルをレイアウト。階段の位置は、キッチン、ダイニング、リビングのどの場所の動線とも被らない間取り。
中庭がある時に参考にしたいL字リビングのレイアウト3パターン&24実例
リビング階段が丸見えになるのを防ぐアイデア-4つのデザイン
ここまで紹介した実例では、おしゃれなリビング階段のデザインがほとんどでしたが、踏み板や桁が丸見えで、「落ち着いて食事をとったり、くつろいだりしにくそう。」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時は、リビング階段を採用しつつ、食事の場所やくつろぎの場所から階段を丸見えにしないデザインの仕方もあります。
ポイントは、階段のオープン側に壁や間仕切りを作ること。この間仕切りが、他のエリアの雰囲気とマッチしていれば、階段が目につくことも少なくなります。
薄めの茶色のフローリングのリビングに、ブラウンの木目の踏み板とシルバー金属の手すりのひな段階段をコーディネート。
階段とリビングの間に、グレーのタイル調壁とブラック金属のオープンシェルフを組み合わせたかっこいい壁を立て、壁の前に、ナチュラルブラウンのテレビボードをレイアウト。廊下からもリビングが丸見えにならないように工夫したデザイン。
白っぽいナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、ブラウンの木目のオープン階段をコーディネート。
階段の壁と反対側に、ナチュラルブラウンの縦格子の仕切りを立て、仕切りを背に、グレーのコンパクトなソファをレイアウト。縦格子に棚板を取り付け、小ぶりな観葉植物を飾ってナチュラルな空間を演出したインテリア。
ダークブラウンのフローリングのリビングに、階段をコーディネート。
階段の側面に、腰までの高さの手すり壁をつけ、リビング側に、ダークブラウンの板を横張りにして、階段が全く見えないように工夫。手すり壁を背に、白っぽいベージュの3人掛けソファをレイアウト。階段の壁をアクセント壁のようにしたデザイン。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、ナチュラルブラウンの木目のオープン階段をコーディネート。
階段の側面に、階段と同じナチュラルブラウンの縦格子を取り付け、階段部分をセミオープンに。階段が天井から吊り下がっているようにも見えるデザイン。
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