「どんなソファを置けばよいか迷っている。」
雑貨や小物のようにソファを簡単に決めることができない理由には、
- 大型であること
- コストがかかること
- すぐに買い替えできないこと
- リビングのメイン家具であること
などが挙げられます。
クッション性・背もたれの角度や高さなどの座り心地、掃除のしやすさ・お手入れのしやすさなど日常使いに重視する部分は二の次で、ソファを選ぶ時は「まず、見た目と価格帯から入る」という方がほとんどではないでしょうか。
「快適にくつろげるリビング空間を演出するソファが欲しい。」
リビングをくつろげる場所とできるか否かには、ある程度の開放感も必要です。ソファは、選び方ひとつで開放感が欲しいはずのリビングに圧迫感を与えたり、重苦しい雰囲気を作り出します。
上の6畳+αのリビングを使って「広く見えるソファ」の1点に絞り、色やデザインの選び方のポイントを紹介しますので、特にスペースに余裕のないリビングでのソファ選びの参考にしてください。
①周囲とソファの色を馴染ませる
ソファの周囲にあるのは、壁・ラグ・床です。
これらの色を似た色同士にすると、ソファが周りと馴染み、広く感じる空間になります。
また、ソファと壁・ラグ・床の両方を淡い色(薄い色・白っぽい色)にした方が全体的に明るく見え、開放的な印象がします。
①-①壁と似た色のソファ
一般的にソファの後ろには壁があります。
壁の色とソファの色を似た色にすることで、ソファの存在感が薄くなります。
ベージュやグレーのソファもホワイト系の壁紙と馴染みやすいです。
淡い色ではなく、リビングの顔に相応しい色のついたソファを使う場合は、進出色の暖色よりも後退色の寒色の方が小さく見え、開放的に見えます。
- 進出色:前に出て見える色。
- 後退色:後ろに下がって見える色。
寒色のソファを使う場合は、背面も同じ色にすることで「ソファが壁に馴染んで見える」「壁とソファの両方が小さく見える」などの効果が期待できます。
狭い部屋に使うべき!広く見えるソファの色4つとコーディネート比較&実例
①-②ラグと似た色のソファ
ソファの下に敷くラグとソファの色と揃える(似た明るさや濃さの色にする)と、まとまった印象になり、淡い色同士で組み合わせると広々とした空間になります。
これは、床色が濃い(暗い)場合に、とても有効です。
ベージュのラグとくすんだベージュの寝椅子付きソファをコーディネートしたリビング。床・ラグ・ソファを似た色で組み合わせ、窓と同じブラックをリビングテーブルとフロアランプでプラス。心地よい温もりを感じる開放的なインテリア。
薄いグレーのラグとグレージュの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。リビングテーブルとチェアをブラック、テレビボードをホワイト×茶色の木目にして、リラックス感と高級感をアップ。
グレーの線で菱形を描いた白っぽいベージュのラグとグレーの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。ダイニングテーブル・ダイニングチェア・テレビボードはホワイト。ホワイトの面積を多くして、白っぽい色と組み合わせ、窓から見える開放感を消さないように工夫したインテリア。
床色(フローリングの色)が淡い(薄い・明るい)場合に、濃い(暗い)色のラグとソファを組み合わせると、窮屈な印象がします。
ブラックのラグとダークグレーの寝椅子付き2人掛けソファをコーディネートしたリビング。ラウンジチェアもブラック。腰より低い位置に黒っぽい色が集中している為、広々とした印象があまりないインテリア。
ブラックのラグとアンティークデザインのブラックの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。ホワイト×茶色の木目のリビングテーブルとテレビボードをプラス。ナチュラルとかっこよさをミックスしたチグハグな印象のインテリア。
暗めのグレーのシャギーラグとブラックレザーの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。ダイニングテーブル・ダイニングチェア・テレビボード・リビングテーブルの脚をブラックで統一し、重厚感のある空間を演出。
黒っぽいブラウンのラグとブラックの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。ブラックのヴィンテージなトランク型テーブル、ソファと同じファブリックを使った長方形オットマンを置いて、ドシッとした空間を演出。
①-③床と似た色のソファ
ラグと同様に、床の色とソファの色と揃える(似た明るさや濃さの色にする)と、まとまった印象になり、広々とした空間になります。
くすんだブラウンのフローリングとグレーの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。ソファの前に、奥行きが浅く、幅の広いテーブルを置き、ソファと対面の壁に、壁の端から端まである幅の広いテレビボードを置いて、広々とした印象をアップ。
グレージュのフローリングと暗めのグレーの寝椅子付き2人掛けフロアソファをコーディネートしたリビング。ソファ背面のアクセントクロスをソファと同じ暗めのグレー、ラグをホワイト×グレー×暗めのグレーの曲線デザインにして、高級感をアップ。暗めの配色でも、色が揃っているので、すっきりと見える。
明るいブラウンのフローリングと明るいグレーの寝椅子付き2人掛けソファをコーディネートしたリビング。真っ先に目に入るのは、壁面にあるブラックのキッチンとテレビボード。リビング空間とダイニング空間を淡い色でまとめ、開放感のある空間を演出。
床色よりも濃い(暗い)色のソファと組み合わせると、圧迫感が出て狭い印象になります。
明るめのブラウンのフローリングとダークグレーの2人掛けソファをコーディネートしたリビング。リビングテーブルとテレビボードは、床色よりやや濃い茶色の木目。ソファの重みのある色が真っ先に目に入るモダンスタイルのインテリア。
床色が濃い(暗い)場合は、広さを諦め、濃い(暗い)色のソファと組み合わせて「下の方に重心のある重厚感のあるインテリア空間を作る」方法もあります。
②床や壁が多く見えるデザインにする
床や壁が多く見えると、同じ部屋でも広く感じます。
上の一般的なソファを色(広く見える淡い色)はそのままで、床や壁が見えるデザインに変えた場合の見え方をパースで比較してましょう。
※パースに使用しているソファの幅と奥行、ソファが置いてある場所は、どれも同じです。
②-①脚の長いデザインのソファ
脚の長いデザインのソファは、ソファの下から床が見え、広々とした印象になります。
これは、一般的なソファだと隠れてしまう床の隅が見えるからです。
ソファの前に、ソファと似た明るさのグレーのラグを敷き、ソファと反対側のコーナーに、グレーの鉢に入れた背の高い観葉植物をレイアウト。床以外をグレーでまとめた無機質な印象のインテリア。
ソファの前に、ソファと同じ明るさのグレーのラグを敷き、シルバー金属脚とホワイト天板を組み合わせた長方形リビングテーブルをレイアウト。ソファと対面に、シルバー金属脚とホワイト鏡面のキャビネットを組み合わせたサイドボードを配置。家具を全て、床が見えるデザインにして、開放的な空間を演出したインテリア。
ソファの前に、濃いグレー×黄色が強めのブラウンのマダラ模様のラグを敷き、ブラック金属脚とガラス天板を組み合わせた三角形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと対面に、ブラウンの長い脚と薄いグレーのキャビネットを組み合わせた背の高いテレビボードを配置。木目と明るめのグレーを組み合わせた、温もりと冷たさのバランスが良いインテリア。
②-②肘掛が木製・金属のソファ
ソファの肘掛けは、座面と同じファブリックやレザーで包まれたデザインが多いですが、なかには、木製や金属を使ったデザインもあります。
木製や金属の肘掛けは、側面が空洞になっているため、ソファの奥の壁が見え、すっきりと広く感じるインテリア空間になります。
ソファの前に、ソファと同じ明るさのグレージュのラグを敷き、コンパクトなデザインのグレージュの長方形コーヒーテーブルを2台レイアウト。壁・サイドボード・ソファ・ラグ・コーヒーテーブルを似た色で揃え、まとまりのある開放的で上品な空間を演出した北欧スタイルのインテリア。
ソファの前に、ダークグレー×ホワイトの細い線の菱形模様のコンパクトなラグを敷き、高さと配色が違う3種類の丸型コーヒーテーブルをレイアウト。壁色とソファの座面、床色とソファの肘掛けをそれぞれ同じ色にして、家具がギュッと詰まった印象を少なめにした北欧スタイルのインテリア。
ソファの前に、ベージュの丸型ラグを敷き、ホワイトの丸型コーヒーテーブルをレイアウト。ソファ以外をベージュなどのナチュラル感のある色にして、リラックス感のある空間を演出したインテリア。
②-③肘掛けがないソファ
ソファの肘掛けは、肘をゆったりと乗せることができるようにデザインされているため、細いものでも幅が15cm以上あり、ソファの座面よりも高いです。
このデザインのソファは、床の上に、“手前の折り返しと蓋がないが低い大きな箱”を載せているような雰囲気になる為、どんな淡い色であっても存在感が出てしまいます。
肘掛けがないソファは、側面の仕切りがない為、壁の見える範囲が広くなり、開放感のあるインテリア空間になります。
ソファの下に、淡いグレーの薄手のラグを敷き、茶色の木製脚とホワイト天板を組み合わせたコンパクトなコーヒーテーブルを2台レイアウト。ソファをすっきりと見えるデザイン&寒色にして、開放的で爽やかな空間を演出した北欧スタイルのインテリア。
ソファの前に、ソファと同じ明るさのグレーのシャギーラグを敷き、グレーの金属フレーム脚とホワイト×グレーの大理石調棚板、ガラス天板を組み合わせた丸型コーヒーテーブルをレイアウト。階段下の狭いリビングを、淡い色とコンパクトなソファを使って広く見せた北欧スタイルのインテリア。
ソファの下に、アイボリーのラグを敷き、ブラックの丸型コーヒーテーブルをレイアウト。テレビボードは、脚のない、ホワイトの箱型。「肘掛けなし」に加え、白っぽい色や後述する「背の低いデザイン」も取り入れて圧迫感のない空間を演出した北欧スタイルのインテリア。
肘掛けのないソファは、頼りない印象やカジュアル感、安っぽさが出てしまいますが、広さを重視するなら、選択肢のひとつとして加えたいデザインです。
②-④背が低いソファ
脚がなかったり、脚が短かったりする背が低いソファは、脚があるソファを置いた場合と比べると、壁の見える範囲が広くなります。
ホワイト系の壁紙の場合は、壁が多く見えれば見えるほど、広々とした印象になります。
ソファの前に、ベージュのをレイアウト。ダイニングスペースに、ナチュラルな木目の長方形テーブルと曲線デザインの木製チェアを配置。リビングから見える階段の踏み板、デスク、デスク用チェアもダイニングテーブルと同じ明るさの木目にして、リラックス感のある空間を演出した北欧スタイルのインテリア。
ソファの下に、ホワイトの縁取りの濃いベージュのラグを敷き、シルバー金属フレーム脚とブラックの木目天板を組み合わせた背の低いモダンなデザインの正方形コーヒーテーブルをレイアウト。ソファと家具を無彩色にして、足元にベージュを足し、温もりをアップしたインテリア。
ソファの前に、暗めのグレーのムートンラグを敷き、ブラックの木製脚と暗めのブラウンの木目の箱型天板を組み合わせたコーヒーテーブルをレイアウト。ソファの反対側に、濃いめのグレーの背の低いオープンシェルフ型テレビボードを配置。家具の重心を低めにして、壁を多く見せ、ダークな配色でも広く感じる空間を演出したインテリア。
部屋が広く見えるソファの選び方のポイントがわかったでしょうか。
選び方の手順は、②のデザインを決める→①の色を決めるです。
②のデザインは、一般的なデザインのソファと比べると個性的な印象なので「一般的なデザインのソファの方が良い」という方もいらっしゃるでしょう。その場合は、①の色だけでも大丈夫です。
ポイントをもう一度おさらいすると
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ソファの色は
- 壁と似た色
- ラグと似た色
- 床と似た色
- 脚が長い→床が多く見える
- 肘掛けが木製か金属→壁が多く見える
- 肘掛けがない→壁が多く見える
- 脚がない(短い)→壁が多く見える(天井が高く見える)
のいずれかで、淡い(白っぽい)色の方が広く見える。
デザインは
のいずれかです。