「インテリアを北欧っぽくアレンジしたい!!」
既に内装色(床・壁・天井・建具)が決まっていて、家具も置いてしまっているという場合に使える(つまり模様替えや大掃除の時に使える)北欧らしいインテリアの作り方を「配色」「デザイン」「ディスプレイや雑貨」の3つに分け、12個のポイントに絞って解説していきましょう。
下記の一般的な家具でまとめた、何の変哲もないリビングのパースに、北欧らしく感じる「配色」「デザイン」「ディスプレイや雑貨」を駆使して北欧インテリアを作っていきますので参考にしてみて下さい。
①北欧インテリアの「配色」
①ー①淡い配色を心掛けよう
インテリアの配色はインテリアテイストの決め手になる重要な役割を果たしています。
北欧インテリアは、リラックス感のある居心地の良さが魅力のスタイルなので、インテリアのメインカラーを決める時は、薄いグレーやベージュ・アイボリーを多用して、全体的にぼんやりとした印象にしましょう。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、グレイッシュなベージュのフロアソファをコーディネート。
ソファの下に薄いグレーのラグを敷き、高さ違いの2台の茶色の木製丸型コーヒーテーブルを重ねてプラス。ソファと窓の間のコーナーに、ナチュラルなブラウンシェードのフロアランプをレイアウト。
ライトブラウンの寄木組フローリングのリビングに、ナチュラルブラウンと薄いグレーのファブリックを組み合わせたベンチをコーディネート。
ベンチの下に、ナチュラルなベージュのラグを敷き、薄い茶色のヴィンテージな木製丸型コーヒーテーブル、薄い茶色のヴィンテージな木製アームチェアをプラス。天井から、ナチュラルブラウンのラタンシェードのペンダントランプを2灯ハンギング。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングにベージュの2人掛けソファをコーディネート。
ソファの前にシルバーの小ぶりな丸型コーヒーテーブル、ソファとL字に薄い茶色の木製脚とグレーのファブリックを組み合わせたチェアを2台プラス。ソファ正面の壁を背に、床から天井まであるナチュラルブラウンの木目のテレビがビルトインできる収納家具をレイアウト。
メインカラーは床・壁・天井、建具等の元からある室内の配色ではなく、ご自身で選定する部屋のテーマとなる色のことです。
テーブル、チェア、テレビボード、サイドテーブル等に木目の家具(木製家具)を使う時は、濃い茶色のダークブラウンの木目よりも薄い茶色のナチュラルブラウンの木目の方が北欧らしさがアップして見えます。
どの茶色の木目にするか迷った場合は、薄い茶色の木目や木目とホワイトを組み合わせたデザインを積極的に選ぶようにしましょう。
ダークブラウンの家具とナチュラルブラウンの家具を置いた場合のインテリアのイメージの違い
家具を買い替える予定が無い場合は、カーテンやラグ等、面積の大きなファブリックを淡い色に変えるだけでも、北欧っぽい雰囲気を出すことができます。
①-②ホワイトや寒色を取り入れて冷たさを加えよう
北欧インテリアは、温もりを感じる居心地の良さが魅力のスタイルですが、冷たさを加えることを忘れてはいけません。
ウォールシェルフ・アート用額縁・テレビボードの扉・写真立て・クッション・ランプシェード等、小さな面積にホワイトや寒色を加えると冷たい雰囲気がアップして見えます。
特に、メインカラーを温かみのある木目家具やベージュでまとめた場合、冷たさを感じるホワイトを加えることで寒暖のバランスが取れ、北欧らしいインテリアになります。
ナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、グレーの2人掛けソファと薄いグレー扉のキャビネットとナチュラルブラウンの木製天板を組み合わせたテレビボードを対面にレイアウトし、コーヒーテーブルとサイドテーブルの天板をホワイトに。
ダークブルー×ライトグレーのモダンなラグとグレーのシンプルなソファを組み合わせ、ホワイトの無地クッションを乗せたリビング。
白っぽいナチュラルブラウンのフローリングのリビングに、ライトグレーのコーナーソファとナチュラルブラウンの木製ダイニングテーブルをレイアウトし、テレビボードの扉、コーヒーテーブルの天板、ウォールシェルフ、観葉植物の鉢、フロアランプ、ダイニングチェア、雑貨をホワイトで統一。
カーテンやラグ等、広い面積にホワイトや寒色を取り入れると、寒々しい印象の方が勝ってしまう為、小さな面積で加えるのがポイントです。
①-③グレイッシュカラーを取り入れよう
赤・青・黄・緑・紫などカラフルな有彩色を取り入れた北欧インテリアもありますが、ハッキリと目立つ色は、選んだ時の季節や気分に影響を受けていることが多い為、飽きが来るのも早いです。
有彩色を使う時は、周りに馴染むグレイッシュトーンやライトグレイッシュトーンを選ぶようにしましょう。
グレーの2人掛けソファの上に、くすんだピンク(薄い赤)の無地クッションとグレーの無地クッションをコーディネートしたリビング。ラグはグレー×ブラックの幾何学模様、コーヒーテーブルはダークブラウンの木製。
グレーのソファとラウンジチェアの上に、くすんだオレンジ(茶色にも見える)プリント柄のクッションをコーディネートしたリビング。ラグはグレー、コーヒーテーブルはホワイト。
グレーのソファの周りに、くすんだ青緑の無地クッションとくすんだ薄い青緑×くすんだブルーのパターン柄のラグをコーディネートしたリビングダイニング。コーヒーテーブルは、暗い茶色の木製脚と青みがかったガラス天板を組み合わせた小さめの丸型。
「グレイッシュトーン・ライトグレイッシュトーン」ってどんな色?
①-④ブラック・グレーの無彩色を加えよう
無彩色は彩度の無い色です。無彩色で無機質な印象を加えるとインテリアが“ぐぐーん”とセンスアップしてみえます。ブラックを加えると高級感やかっこよさ、グレーを加えると洗練された印象や上品な印象が増して見えます。
ブラック
薄いグレーのソファとラグを組み合わせ、アート用額縁、フロアランプ、クッション、コーヒーテーブル、ラウンジチェアのひじ掛けでブラックを加えたリビング。
グレーのソファをコーナーに沿ってレイアウトし、ソファ背面のアート用額縁、ソファサイドのバスケット、ソファの前のコーヒーテーブルをブラックで揃えたリビング。
アイボリーのソファとグレーのラグを組み合わせ、アート用額縁、コーヒーテーブル、フロアランプ、ペンダントランプ、ラウンジチェアをブラックで統一したリビング。
グレー
ホワイト扉×グレー扉×茶色の木目のテレビボードの前にグレーのラグを敷いたリビング。
ナチュラルな茶色の木目とグレーでまとめたリビング。
ブラック&グレー
オフホワイトのソファの上に、ブラック、グレー、アイボリー、グレイッシュピンクの無地クッションを並べたリビング。
②北欧らしい「デザイン」
②-①シワシワの布を足そう
- キチンと折りたたんだブランケット
- 皺の無いクッションカバー
これらの雑貨でまとめたインテリアは、キチンと整理された印象がしますが、同時に背筋がピンと伸びるような緊張感も生んでしまいます。北欧インテリアは、ほどよいリラックス感があるスタイルなので、皺のあるソファカバーやクッションカバー、クシャっとしたブランケットを活用して少し砕けた雰囲気を出しましょう。
ライトグレーのソファのひじ掛けに、くしゃっと折ったグレーのカウハイドラグを乗せたリビング。
ダークグレーのパーソナルソファのひじ掛けに、クリーム色のガーゼのような素材のブランケットを掛けたリビング。
アイボリーの寝椅子付き2人掛けソファの寝椅子の上に、クリーム色のブランケットを無造作に乗せたリビング。
②-②ニットやファー素材を取り入れよう
ふわっとした見た目のインテリアアイテムは、暖かさを演出するのに最適です。ニットクッション、ニットスツール、ファークッション、ファースツール、ムートン等を活用してみましょう。
これらの素材をインテリアに足す時は、「グレー」「クリーム」「アイボリー」「ホワイト」の4色の中から選ぶと、インテリアがより北欧らしくなります。
ムートン・ファー
ダークグリーンのエレガントな3人掛けソファと対面に、座面がクリーム色のファー素材の丸型スツールを2台置いたリビング。
ホワイトのサイドボードの前に、クリーム色のムートンラグを乗せたホワイトのイームズシェルアームチェア(ロッカーベース)を置いたダイニング。
ニット
ホワイトのエレガントな2人掛けソファの中央に、ライトグレーのニットクッションを乗せたリビング。コーヒーテーブルの隣にもホワイトのニットクッションをレイアウト。
ホワイトの2人掛けソファのひじ掛けにクリーム色のニットブランケットを掛けたリビング。
ムートン・ファー&ニット
コーナーに沿って、グレーのフロアコーナーソファを置き、背もたれにクリーム色のニットブランケット、座面にクリーム色のニットクッションを乗せ、対面のブラウンレザーのラウンジチェアにクリーム色のファーを乗せたリビング。
グレーのソファのひじ掛けの隣にブラックのニットスツール、スツールの隣のブラウンのバタフライチェアにホワイトのムートンラグを乗せたリビング。
スペースに余裕があるなら、ナチュラルブラウンの木製チェアの座面に、ファー、ファークッション、ムートンラグ等を乗せて、ソファから見える位置に置くレイアウトがお薦めです。
ソファと反対側のコーナーを背に、黒の金属脚と茶色の柵のようなデザインの座面を組み合わせたチェアを置いて、ホワイトのファーを乗せたリビング。
②-③幾何学模様のファブリックを取り入れよう
ラグやクッションカバーに幾何学模様を取り入れると、おしゃれな印象がアップして見えるだけでなく、インテリアの雰囲気が北欧寄りになります。
オフホワイトの3人掛けソファの上に、アイボリー×ブラック×くすんだ黄緑の幾何学模様のクッションを乗せたリビング。
グレーのソファの上に、ホワイト×グレーの幾何学模様のクッションを乗せたリビング。
ダークブルーのコンパクトな2人掛けソファとグレーのアームチェアを並べて置き、床にベージュ×グレー×くすんだオレンジ×水色の幾何学模様のラグを敷いたオープンなくつろぎスペース。
ブラックの3人掛けソファの下に、ホワイト×グレー×ブラックの4種類の幾何学模様を組み合わせたラグを敷き、ソファの上にホワイト×グレーの幾何学模様のクッションを乗せたリビング。
木・葉っぱ・動物等をシンプルにプリントしたファブリックは、取り入れるだけで北欧らしさがアップして見えます。
ホワイト×グレー、ホワイト×ブラウンの木のシルエットのプリント柄のクッションをソファとチェアの上に乗せたリビング。
③北欧らしさを引き出す「ディスプレイや雑貨」
③-①観葉植物を飾ろう
観葉植物は、インテリアに生き生きとした印象を加えます。
北欧インテリアは、優しさを感じる木目と冷たい色を組み合わせた淡い配色なので、観葉植物の緑が映えやすいのが特徴です。
ソファと掃き出し窓の間、サイドボードの上、ウォールシェルフの上の3か所に観葉植物を飾ったリビング。
コーナーに、フラワースタンドを使って高さ違いの2種類の観葉植物を飾ったリビング。
サイドボードの上、サイドボードの前の2か所に観葉植物を飾ったリビング。
観葉植物の効果的な飾り方
ボタニカル柄のファブリックやアート、壁紙を活用する方法があります。
コーナーを背にくすんだ薄い茶色の木製ラウンジチェアを置き、隣に大きな葉っぱの写真を黒の額縁に入れて床に直置きしたリビング。
③-②寒色やホワイト、ナチュラルカラーシェードの照明器具を使おう
天井からシェードのついたペンダントランプを下げると、ありきたりな印象のインテリアがグンとセンス良く見えます。また、コーナーやソファの隣にフロアランプを置いて、主照明を消して間接照明のように明かりを灯せば、リラックス感のあるムーディーな空間に。
グレーの3人掛けソファの隣(通路側)に、ナチュラルブラウンの木製脚とホワイトシェードを組み合わせたフロアランプを置いたリビング。
ホワイトの2人掛けソファの隣(窓側)に、シルバーの金属脚とホワイトシェードを組み合わせたフロアランプを置いたリビング。
ソファ、ラグ、カーテンをホワイトでまとめ、天井から薄い茶色のナチュラルな木製シェードのペンダントランプを1灯下げたリビング。
③-③北欧デザインのアートを飾ろう
コーナーの2面の壁に、ホワイト×ブラック×グリーン×ピンクのフェミニンなアート(ポスター)を6枚飾ったリビング。
ソファ横の壁に、モノクロポスターやアルファベットポスターを6枚飾ったリビング。
ソファ背面の壁とサイドボードの上に、モノクロポスターやアルファベットポスターを5枚飾ったリビング。
アートを飾る場所について
北欧感の出るアートのデザイン
家具の上や床に直置きする方法があります。
狭いリビングの壁を背に、ナチュラルブラウンの天然木スツールを置き、上に黒の額縁に入れたモノクロの植物アートをディスプレイ。
ナチュラルブラウンの木製テレビボードの隣の床に、ナチュラルブラウンの木目パネルにキュートなイラストを手書きしてディスプレイ。
③-④ホワイト×ブラックの雑貨を足そう
「色の中で最も明度が高いホワイト」と「色の中で最も明度が低いブラック」を対にしてインテリアに取り込むと、北欧感がアップして見えます。
ホワイト×ブラックの取り入れ方には
- ホワイトとブラックの色違いの雑貨を並べる
- ホワイトとブラックを使ったプリント柄を使う
- ホワイトとブラックを使ったアートを使う
等があります。
ソファ用クッションとラグで、ホワイト×ブラックのストライプ柄を取り入れたリビング。
アート、クッション、ブランケットでホワイト×ブラックを取り入れたリビング。
ポストカード(ディスプレイ)、クッション、ブランケットでホワイト×ブラックを取り入れたリビング。
③-⑤おしゃれなディスプレイコーナーを作ろう
テレビボードの上やウォールシェルフ等の家具、デッドスペースになりがちなコーナー(角)、殺風景と感じる壁面に、観葉植物や雑貨を飾る場所を設けてみましょう。
ソファ背面の壁と掃き出し窓の間に、ディスプレイコーナーを作ったリビング。ポスター、空き瓶、本、花をディスプレイ。
テレビボードを活用して、ディスプレイコーナーを作ったリビング。観葉植物と雑貨をディスプレイ。
コーヒーテーブルを活用して、ディスプレイコーナーを作ったリビング。観葉植物とピンクゴールドの雑貨をディスプレイ。
ディスプレイをおしゃれに見せる方法とは?
既に家具を置いてしまっている部屋で、北欧インテリアに模様替えする時に使えそうな技を12個紹介しましたが、参考になったでしょうか。
このページで紹介した12個のポイントは、全部取り入れなければ北欧インテリアにならないというわけではなく、数個を組み合わせるだけで北欧らしさは十分に出せます。
「①ー①淡い配色を心掛けよう」「①-③グレイッシュカラーを取り入れよう」「①-④ブラック・グレーの無彩色を加えよう」「②-③幾何学模様のファブリックを取り入れよう」「③-①観葉植物を飾ろう」「③-②寒色やホワイト、ナチュラルカラーシェードの照明器具を使おう」「③-③北欧デザインのアートを飾ろう」「③-④ホワイト×ブラックの雑貨を足そう」「③-⑤おしゃれなディスプレイコーナーを作ろう」を取り入れた北欧リビングコーディネート。
新築やリフォームで内装から北欧風にする場合は、下記を参考にして下さい。