ゴツゴツした内装とヴィンテージ家具を組み合わせたインダストリアルインテリア。
「男前な」とも言われるこのテイストは、格好良いを全面的に押し出したスタイルです。
最近、店舗などでも、ウッドパネルに黒の金属を組み合わせたインダストリアル系のコーディネートをよく目にするのですが、これらを見ていて、“おっ”と目を惹くものと“パッ”と見て素通りしてしまうものがあることに気づきました。
「その違いは何なのか」と考えてみた時に、格好良い色=黒やダークブラウンを組み合わせるのが王道だけど、これらの色の配分にヒントが隠されているのではないかと。
例えば、真っ黒なジャケット・パンツに黒の革靴、黒のシャツを組み合わせたファッションは、格好良いと感じます。
しかしながら、真っ黒なジャケットにカーキのパンツ、茶系の革靴に薄いグレーのシャツのスタイルの方が、黒が引き立って見え、「格好良い」に「おしゃれ」がプラスされる気がするんですね。(あいにくファッションセンスを持ち合わせていない為、適当な感じも否めませんが…)
インテリアも同じで、全てを黒でまとめるより、黒を他の色や素材の引き立て役に回した方が、より格好良いスタイルが出来るのではないかと思うのです。
黒の使い方に重点をおいて、リビングを中心にインダストリアルインテリアを見ていきましょう。
黒の割合80%以上のインダストリアルインテリア
全体的に黒
壁・天井に真っ黒な壁紙クロスを貼り、デスクスペースのある壁面収納家具とコーナーソファも黒でコーディネート。
波打ったような天井のシェードが不思議なデザインです。
壁・天井・間仕切りのドアを黒で統一し、ローキャビネットとウォールシェルフを組み合わせた壁面収納兼本棚はダークブラウンの木製。
ゴツゴツとしたインダストリアルというよりは、綺麗で格好良いインダストリアル。
天井と壁と家具の一部を黒
天井と腰壁を黒にして(腰壁より上はレンガ壁)、黒のフロアランプ・黒のサイドテーブル・茶色レザーのソファをコーディネート。
ソファはレンガ壁、その他のインテリアアイテムは天井と腰壁の黒と色が合わせてあります。
黒の割合50%程度のインダストリアルインテリア
天井と壁を黒
天井と窓周りの壁に黒の壁紙クロスを貼り(残りの壁はレンガ)、明るいグレーのソファ・黒のラグ・白っぽい緑のトランクテーブルをサイドテーブル代わりにコーディネート。
天井からは、大きなシェードの黒のペンダントライトを3つずつ等間隔にハンギング。
天井と家具を黒
天井・ロールスクリーン・チェア2脚を黒でコーディネート。
壁はレンガとコンクリート、ソファはダークブラウンのレザー製。
天井に黒の壁紙クロスを貼り、ソファ・チェア・ラグを黒でコーディネート。
リビングテーブルとチェアのひじ掛けとフレームにヴィンテージな木を使用。
黒の割合30%程度以下のインダストリアルインテリア
壁の一部を黒
リビングダイニングの壁面に黒の壁紙クロスを貼り、天井はコンクリート調、残りの壁はリクレイムドウッドパネルでコーディネート。
リビングスペースと別のスペースを分ける腰までの高さの間仕切り兼収納家具・テレビボードは黒スチールと木を組み合わせたヴィンテージデザイン。
壁の一部と家具を黒
テレビの後ろの壁に黒の壁紙クロスを貼り、反対側に黒のレザー製ソファをコーディネート。
テレビボードとオープン収納家具も黒にして、壁面は冷たさを感じるコンクリート調。
壁の一部に真っ黒な壁紙クロスを貼り、黒の壁を背に、黒のフロアコーナーソファをコーディネート。
リビングと他の部屋を分ける間仕切り壁はレンガ調で、黒の壁には、黒のフレームのミラーや黒の支柱のブラケット照明をプラス。
黒のアクセントクロスを貼り、暗い茶色のソファを置いて、反対側に黒のレザーチェアを2脚対面式にコーディネート。
フローリングを明るい茶色、天井をホワイトにした明るめのインダストリアルテイスト。
壁の一部と照明器具を黒
テレビの後ろの壁とリビングの隣にあるスペースとの間仕切りを黒でコーディネート。
天井に黒のダクトレールを取り付け、黒のスポットライトを3灯ハンギング。
家具を黒
窓側の壁面が赤っぽいレンガのワンルームに、黒のデスク・黒のデスク用チェア・黒のソファをコーディネート。
隣にあるベッドスペースとの間仕切りと窓に黒のカーテンをプラス。
黒のレザー製コーナーソファ、黒のアンティークなレザー製ソファ、黒のテレビボードをコーディネート。
フローリングの上に、白と黒のパターン柄のラグをプラス。
ソファ・テレビボードを黒でコーディネート。
壁は、窓側がレンガ調で残りは真っ白とシンプルですが、天井を這うアルミダクトがインダストリアル。
間仕切りが無いLDKに黒キャビネットの壁付けキッチン、黒のダイニングテーブル、黒のレザー製ソファをコーディネート。
リビングスペースには、明るい茶色のチェスターフィールドソファを置き、黒と明るい茶色のソファの間に、黒の脚立を置いて本棚として活用。
コンクリート天井、コンクリート柱が丸見えのリビングに、黒のレザーソファと黒の金具を使ったヴィンテージな収納家具兼本棚をコーディネート。
都会的な印象のインダストリアル。
茶系のレンガ壁の前に、黒のトールタイプの本棚兼リビング収納家具をコーディネート。
背板を無しにして、レンガ壁が透けて見えるようにデザイン。
線と家具を黒
ソファの後ろの壁に黒の格子窓のようなミラーを飾り、黒のフレームと脚のガラステーブルと黒のレザーチェアをコーディネート。
この項目の線とは、家具の脚や格子、ダクトレールや照明器具のコードなど、インテリアアイテムの直線部分のことです。
天井に黒の電線を這わせ、黒のペンダントライトをハンギングして、黒のコーナーソファとチェアをコーディネート。
ダクトレールをパイプ吊りハンガーを使って吊り下げると似たような照明プランができそう。(※要電気工事)
ダイニングキッチンのキッチンキャビネットの一部・カウンタースツール・テイニングテーブルの脚・ダイニングチェア・パイプシェルフのパイプ部分を黒でコーディネート。
ナチュラルな木と黒のバランスが絶妙。
白が多めのリビングに、黒のオープン本棚をコーディネート。
天井から吊り下げてある白いシェードのペンダントランプのコードも黒。
黒の割合10%以下のインダストリアルインテリア
線と家具の一部を黒
アート・ヴィンテージな木を使ったリビングテーブルの脚・チェア・フロアランプの支柱を黒でコーディネート。
茶色・グレー・黒でまとめた格好良く上品なインダストリアル。
ダイニング用ペンダント照明、ダイニングチェア、タイル床の目地を黒でコーディネート。
ホワイト:茶色:黒は、8:1.5:0.5の割合。
ダイニング用ベンチ、サイドボード、サイドテーブル、ダイニングテーブル、リビングテーブルの脚を同じデザインにして、黒でコーディネート。
先ほどのLDKよりも黒の割合は少なめ。
キッチンカウンター用ペンダントランプ、カウンターチェアの脚、リビングテーブルの脚、クッションを黒でコーディネート。
茶色(木・レザー):ホワイト:黒は、6:3:1くらいの割合。
ダクトレール、スポットライト、壁面シェルフ、ダイニングテーブルの脚、ダイニングチェア、ダイニング用ベンチの脚、カウンターバー、カウンターバー用ペンダントランプ、カウンターチェアの脚を黒でコーディネート。
黒が使ってある箇所は多いですが、面積は少なめ。
間仕切りとリビング用チェアを黒でコーディネート。
茶色(木・レザー):ホワイト:黒は、7:2.5:0.5くらいの割合。
線を黒
リビングテーブルとスチール製オープンラックを黒でコーディネート。
ソファは黒ではなく、黒っぽいグレーでリビングテーブルの天板も暗いグレー。
アートフレーム、窓、観葉植物の鉢を黒でコーディネート。
茶色(レンガ壁含む)、黒、グレー、ホワイトを使った上品な雰囲気のインダストリアル。
窓、リビングテーブルの脚、サイドテーブルの脚を黒でコーディネート。
茶色は少なめで、アイボリーやベージュの割合を多くした温もりと開放感のあるインダストリアル。
照明を黒
黒のダクトレールと黒のスポットライトをコーディネート。
壁面にある背の高い収納家具兼本棚とレザーソファは、黒ではなく、ダークブラウン。
ダークトレールとスポットライト、キッチンカウンター用ペンダントランプを黒でコーディネート。
キッチンカウンターはダークブラウン、ソファは明るいグレー。
「取り敢えず黒を使っておけば格好良く見えるのでは?」と思っていた方も「インテリアの中に黒が少量の方が断然格好良い」と感じたのではないでしょうか。
インテリアの黒は、照明器具・家具の部材(脚やフレーム)・アートや写真を飾るための額縁など、取り上げるときりがないくらい種類があるので、見つけるのも比較的簡単です。
黒のソファや黒のラグといったインテリアの主要部分となる大面積に使うのではなく、部分的に使用してインテリアを格上げするコーディネートを目指したいものです。
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