「暖かそう」「冷たそう」「楽しそう」「寂しそう」など、人は色を見て何らかの感情を持ちます。
色は、大きく分けると「暖色系」「寒色系」「中性色系」「無彩色系」の4つに分類することができ、
更に12色に分けると(12色相環)
- 赤
- 赤みの橙
- 橙
- 黄みの橙
- 黄
- 黄緑
- 緑
- 青緑
- 青
- 青紫
- 紫
- 赤紫
に分類することができます。
それぞれの色を見た時、目で認識し、脳に刺激が加わる為、冒頭に記述したような「暖かい」「寂しい」などの何かしらの感情が出てくるという訳なんですね。
この刺激や感情のことを「色の特性」と呼んでいて、壁紙に色を使う時、この特性を上手く取り入れると、より豊かなインテリア空間を演出できることができます。
暖色系の壁紙
暖色は、「赤」「赤みの橙」「橙」「黄みの橙」「黄」の5色です。文字通り、温かさを感じる色ですが、進出色・膨張色なので、寒色の壁紙クロスと比較すると狭い印象になります。
左の暖色の壁紙クロスの部屋は、左側の壁が窓寄り、正面の壁が手前に見える。
赤の壁紙
ダイニングに、赤のクロコダイル調の壁紙クロス、黒のテーブル、白のチェアをコーディネート。
寝室に、暗い赤の壁紙クロス、黒のパイプベッドをコーディネート。
リビングダイニングに、黄みがかった赤の壁紙クロス、オレンジのソファ、黒のテーブル、赤紫と青紫のチェアをコーディネート。
リビングに明るい赤の壁紙クロス、赤の一人掛けチェア、黒のチェアをコーディネート。
リビングに赤の壁紙クロス、茶色のソファをコーディネート。
- 感情:情熱・刺激・興奮・ポジティブ・前進・活気・精力的・危険
- 空間に与える効果:暖かい・暑い・狭い
■トーン違いの赤
赤は、色の中で最も訴求力のある色と言われています。
刺激を受けやすい為、壁全周よりもアクセントクロスのようにポイント的に使うのがおすすめです。
暖色なので狭い部屋には不向きですが、ワインレッドやダークレッドなどの暗い色の壁紙クロスは、温かく高級感のある内装に仕上げるのに適しています。
橙の壁紙
ダイニングに暗い橙の壁紙クロス、明るい茶色の木製ダイニングテーブルセットをコーディネート。
寝室に明度が高い橙の壁紙クロス、ベージュのファブリックベッドをコーディネート。
リビングに彩度が高い橙の壁紙クロス、暗いグレーのソファ、グレーのラグをコーディネート。
リビングに明度が低い橙の壁紙クロス、暗い茶色の木製サイドボードをコーディネート。
リビングに明るい橙の壁紙クロス、黒のソファをコーディネート。
- 感情:楽しい・幸せ・快活・活発・エネルギッシュ・陽気
- 空間に与える効果:暖かい・明るい・狭い
■トーン違いの赤みの橙
■トーン違いの橙
ビタミンカラーとも呼ばれる橙は、ネガティブよりもポジティブ要素の強い色です。
「楽しく過ごしたいリビング」や「会話が弾むダイニング」など、心が温かくなる雰囲気にしたい部屋の壁に使うと効果的です。
ただし、暖色は「暖かい」「暑い」と感じてしまう色なので、季節を通じて使えるコーディネートとして、寒色(水色や青)も取り入れて、寒暖の調和を取るようにしましょう。
黄の壁紙
ダイニングに明度と彩度が低い黄色の壁紙クロス、シルバーのテーブル、透明チェアをコーディネート。
寝室に彩度が高い黄色の壁紙クロス、白っぽい茶色のファブリックベッドをコーディネート。
リビングに彩度が高い黄色の壁紙クロス、黒のレザー製寝椅子をコーディネート。
リビングに明度と彩度が高い黄色の壁紙クロス、水色のチェストをコーディネート。
リビングに明度が高く赤みがかった黄色の壁紙クロス、黄色と白のソファをコーディネート。
仕事部屋に黄色の壁紙クロス、茶色の引き出し付きデスク、茶色のレザーチェアをコーディネート。
- 感情:楽しい・快活・活発・ハッピー・陽気・華やか・個性・知的・注意
- 空間に与える効果:暖かい・明るい・開放的
■トーン違いの黄色
黄色は太陽を連想させる色とも言われており、目にするだけで胸が踊るような気分になる色です。
楽しく過ごしたいリビングやダイニングに使うのはもちろん、発想力を高める効果を利用して、勉強部屋や書斎にポイント的に使うのもおすすめです。
寒色系の壁紙
寒色は、「青緑」「青」「青紫」の3色です。文字通り、寒さ(冷たさ)を感じる色で、後退色・収縮色なので、暖色の壁紙クロスと比較すると広い印象になります。
右の寒色の壁紙クロスの部屋は、左側の壁が左寄り、正面の壁が奥に見える。
青の壁紙
ダイニングに、明度と彩度が低い木目調の壁紙クロス、ホワイトのテーブル、ホワイトのチェア、茶色のチェアをコーディネート。
寝室に暗めの青の壁紙クロス、暗めの茶色の木製ベッドをコーディネート。
リビングに暗い青の壁紙クロス、明るいグレーのソファをコーディネート。
リビングに暗い青の壁紙クロス、明るい茶色のソファをコーディネート。
リビングに青の壁紙クロス、暗い青のソファをコーディネート。
- 感情:冷静・集中力・リラックス・平和・平穏・安心
- 空間に与える効果:涼しい・寒い・広い
■トーン違いの青緑
■トーン違いの青
■トーン違いの青紫
空や海を連想させる青は、寒色の代表色です。
寒色は、物を遠くに見せる色(後退色)なので、狭い部屋の壁に使うと、壁が奥にあるような錯覚を起こし、実際よりも広く感じる効果があります。
また、精神を落ち着かせる効果があるので、寝室や勉強部屋に使うのがおすすめです。
更に、青い食べ物を見て「美味しそう」と感じることが少ないことからもわかるように、食欲を抑制する色なので、ダイニングには不向きです。
ダイニングに使いたい場合は、明度が低い、木や革などのフェイクデザインを選ぶと良いです。
また、壁紙クロスを青にして寒々しくなり過ぎた場合は、オレンジ・黄色・茶色をプラスすると寒暖のバランスが取れたコーディネートになります。
中性色系の壁紙
紫の壁紙
ダイニングに明度が高い紫の壁紙クロス、ホワイトのテーブル、シルバーのメッシュチェアをコーディネート。
寝室に、白っぽい紫の壁紙クロス、ホワイトのベッドをコーディネート。
リビングに明度が低い紫の壁紙クロス、ホワイトのレザーソファをコーディネート。
リビングにくすんだ明るい紫の壁紙クロス、明るい茶色の木製サイドボードをコーディネート。
リビングに紫の壁紙クロス、明るいグレーのソファをコーディネート。
- 感情:高貴・気品・妖艶・神秘・優雅・怪しい・不安・ミステリアス
- 空間に与える効果:上品・洗練・寒暖や広狭を感じにくい
■トーン違いの紫
紫のコートを来た人を見ると「高貴だな」と感じる一方で「下品だな」と感じてしまうこともあるように、赤と青の両方の特性を持つ紫は、二面性を持っています。
大変複雑な印象を持つ紫ですが、洗練された印象や優雅な印象を演出したい時にぴったりです。
また、より個性を発揮した、人とは違うインテリアを作りたい時にもおすすめの色です。
緑の壁紙
リビングにくすんだ緑の壁紙クロス、ホワイトのレザーソファをコーディネート。
リビングに明るい黄緑の壁紙クロス、アイボリーのソファをコーディネート。
リビングに黄緑の木目の壁紙クロス、暗いグレーのソファをコーディネート。
寝室の黒のパイプベッドの頭側に緑の壁紙クロスをコーディネート。
リビングに緑の壁紙クロス、明るい緑のソファをコーディネート。
- 感情:安定・リラックス・バランス
- 空間に与える効果:癒し・穏やか・くつろぎ
■トーン違いの黄緑
■トーン違いの緑
暖色にも寒色にも属さない緑は、季節を通じて使えるインテリアに最適な色です。
植物や自然を連想する色でもあるので、リラックスしたいリビングや寝室に向いており、心を落ち着かせ、集中力を持続できるという意味で、勉強部屋や仕事部屋にも適しています。
無彩色系の壁紙
黒の壁紙
リビングに黒の壁紙クロス、黒のテレビボードをコーディネート。
リビングに黒の壁紙クロス、ホワイトのカーテン、ホワイトの収納家具、茶色のレザーソファをコーディネート。
リビングに黒の壁紙クロス、黒のソファをコーディネート。
- 感情:不安・格好良い・暗い・重い
- 空間に与える効果:重厚感・高級感・上質感
黒は、色の中で最も明度が低い色です。
その為、同じデザインの家具でも、黒を使ったものにはドッシリとした重厚感や高級感を感じます。
また、白っぽい色と比較すると、閉鎖的な印象を持つので、狭い部屋のラグに黒を用いると、余計に狭く感じてしまうこともあります。
壁紙を使う場合は、4面のうち1面だけにポイントとして活用すると、引き締まった格好良い空間ができます。
グレー(灰色)の壁紙
リビングに暗いグレーの壁紙クロスと茶色のソファをコーディネート。
リビングに明るいグレーの壁紙クロスとホワイトのテレビボードをコーディネート。
リビングにグレーの壁紙クロス、暗い赤のレザーソファ、ナチュラルブラウンのローボードをコーディネート。
- 感情:穏やか・寂しい・安堵
- 空間に与える効果:上品・スタイリッシュ・エレガント
寂しい雰囲気のするグレーですが、部屋に上品な雰囲気をもたらしたい時に最適な色です。
白っぽいグレーは開放感、黒っぽいグレーは重厚感といった具合に、黒の多さで印象が180度変わってきます。
また、オレンジや黄色、水色などのビビッドな色をアクセントカラーとしてプラスすると、グレーが元々持つスタイリッシュな印象が倍増し、とってもおしゃれな空間を演出することができます。
日本の家の壁紙クロスは、真っ白なのが一般的でした。
しかし、最近は、自分でも貼れる壁紙クロスが簡単に手に入るので、部屋の中で大部分を占める壁に色を加えることが可能になっています。
色を選ぶときは、心理効果や色の特性を知っておいた方が、あとになって「失敗した」ということが少なくなります。
また、選んだ色は、その時の心境や環境が影響していることが多いです。
例)ポジティブな気持ちの時に暖色を選ぶ、暑い時に寒色を選ぶ、など。
時間をおいて、「選んだ色は、どんな時にも適した色か」を考えるように心がけましょう。
Advertisements