どんな住まいでも、限りあるスペースの中にソファ、テーブル、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、テレビボード、収納、本棚など、様々な家具をレイアウトしなければなりません。
家具を配置する時
- 壁を背に家具を並べていく
- 中央の空いてるスペースの中心にテーブルを置く
- 隅に背の高い家具を置く
といったレイアウトの仕方をしていませんか?
特に狭い部屋、ゆとりの無い部屋では、同じ家具の数でも、どこにどう家具を置くかで広さが違って見えてきます。
キッチン・ダイニング・リビングが一つの空間にあるLDKタイプの部屋のパースや図面を元に、部屋が広く見える家具レイアウトのコツを紹介しましょう。
【コツ1】視線の抜けを意識しよう
「ドアを開けた時」「キッチンの前に立った時」「ダイニングテーブルに座ってる時」「ソファに座ってる時」など、それぞれの位置から「視線が抜けるか?」を考えて家具をレイアウトしていきます。
「視線の抜け」を作ることで、自然と開放感が生じ、広々と感じる部屋になります。
ドアを開けた時
ドアのと壁・窓の基本的な構造と開放感の有無を(開放感有)(開放感無)で示すと以下のようになります。
正面に窓がある
正面の壁まで遠い
正面の壁が近い
正面に窓が無い
正面の壁が近い、または窓が無い場合の対処法
ドアと壁の距離は、物理的に動かすことができませんが、正面にミラーを飾ることで、広々とした開放感を演出することができます。
ドアの正面の壁に縦長のミラーを設置して、開口部を映し出し、奥行きを演出。
ミラーの飾り方は、壁に取り付けるだけでなく、床に直置きして壁に立てかける方法もあります。
この飾り方は、天井の照明器具を映し出すので明るさが2倍になります。
ドア(開口)と家具のレイアウト
上記でだった「正面に窓がある」「正面の壁まで遠い」に該当する部屋でも、家具の置き方で狭く見えしまいます。
ドアの真正面に家具(テーブル・椅子)をレイアウト。
「視線の抜け」が無いため、狭く見える。
部屋の中心に家具(テーブル・椅子)をレイアウト。
「視線の抜け」が半分なので、狭く見える。
ドアの端と家具(テーブル・椅子)の端を揃えてレイアウト。
窓まで一直線に伸びる「視線の抜け」があるので開放感がある。
間取りによって、左右の通路幅が均等ではなくなることもありますが、気にせず、抜けを重視してレイアウトして行きましょう。
ダイニングを壁に寄せて、窓側に広く視線の抜け道を作り、開放感を出したワンルーム。
キッチンの前に立った時
マンションに多い、キッチン・ダイニング・リビングがひとかたまりの間取り。
壁が多いマンションでは、LDKに窓が一箇所しかないこともあり、この窓に向かって視線の抜けを作っていきます。
対面キッチンと窓の間に、障害物が無いように、家具をレイアウトしていくと、自然に視線の抜けを作ることができます。
視線の抜けのない家具レイアウト
視線の抜けのある家具レイアウト
テレビを斜めにレイアウトする場合
コーナーにテレビを斜めに置く場合は、「視線の抜け」と「広く空いたスペースの取り方」に注意して家具をレイアウトしましょう。
視線の抜けが無い上に、家具が点在している為、窮屈な印象。
キッチンからの視線は、ダイニングやソファで遮られるが、まとまりのある空間が左側にあるので広々とした印象。
視線の抜け 開放感
キッチンやダイニングからの視線は、ソファで遮られるが、まとまりのある空間が左側にあるので広々とした印象。キッチンからの視線がダイニングを飛び越えてリビングの手前まで抜けるので、キッチンからの開放感は少しアップ。
窓が無い場合でも、ドアや別の部屋へ繋がる開口から奥へ視線が通れば、「視線の抜け」は作れます。
■キッチンから寝室の開口を通して「視線の抜け」を作った例
また、レイアウト上、窓や開口に抜ける視線の通り道を作ることが出来ない場合でも、大きく空いたスペースを設けることで、部屋に広がりを持たせることができます。
■家具を壁に寄せて、右側の通路を広く取った例
【コツ2】大きく空いた空間を作ろう
家具点数が多い場合は、「置ける場所に適当に置く」のではなく、空きスペースを意識してレイアウトしていきましょう。
2人掛けソファ、1人掛けソファ、コーヒーテーブル、テレビボード、本棚、パソコンデスク、ダイニングテーブル、ダイニングチェアの8点の家具をレイアウトしたリビングダイニングを例に見え方の違いを紹介します。
長い方の壁の家具同士は、適度に隙間を空けて、人が通れるスペースも確保。
このリビングダイニングをキッチン側から見ると
ごちゃごちゃと家具が置いてある乱雑な印象で、ソファが窓までの視界を遮り、とても狭く見えます。
続いて同じ、リビングダイニングに「大きく空いた空間を意識」して家具をレイアウトしてみましょう。
テレビボードと反対側の壁を背に2人掛けソファを置き、窓際のコーナーに一人掛けソファを斜めにレイアウト。
テレビとコーヒーテーブルの間を広く空け、キッチン前から「視線の抜け」も意識。
このリビングダイニングをキッチン側から見ると
先ほどと同じ部屋とは思えないくらい開放感がアップ。
背の高い本棚を背の低い本棚2台に変えることで、壁面が多く見えるように工夫。
家具点数が増えたにも関わらず、広々とした印象です。
「目線が低い家具を使う」「白っぽい色を使う」も部屋を広く見せるポイントなので、これらを組み合わせて、開放感のある部屋を作っていきましょう。