- 雑誌や書籍などの本
- 資料や保管が必要な書類
- 爪切り・耳かき等、サッと取り出したいもの
くつろぎのリビングは、長時間過ごす場所でもある為、物が溢れかえってしまいやすい場所です。
真っ新なリビングに収納をレイアウトする時、「取り敢えずコンパクトなカラーボックスを置ける場所に適当に置く」ではなく、「どんな収納家具をどこに置くか」で、収納のしやすさやリビングの広さの感じ方などが変わってきます。
「収納が足りない!!」「リビングが狭い!!」となる前に、どのような点に注意してリビング収納を選び、どのようにレイアウトすれば良いかを実例とともに解説していきましょう。
①リビング収納家具レイアウトの基本
①-①壁に沿ってレイアウトする
当たり前のことですが、収納家具は、部屋の真ん中ではなく、壁を背にしてレイアウトするのが基本です。この際、部屋内コンセントがどこにあるかを把握して、家具でコンセントが隠れないように工夫しましょう。
※背板にコードを通す穴がついている家具は別。
高さが違う家具を並べる場合は、壁に囲まれたコーナーに、背の高い家具、その隣に背の低い家具といったように、高さ順にレイアウトするとすきっと見えます。
①-②人の通り道を確保する
- ドアの前
- 掃き出し窓への通り道
など、ドアを開け閉めしたり、人が通る場所を邪魔しないように家具をレイアウトしましょう。
①-③家具自体の扉や引き出しの開閉に必要なスペースを確保する
扉や引き出しがついている家具をレイアウトする場合、家具とテーブル等のスペースが十分に取れるかを確保しましょう。
①-③-①引き出しを引く
①-③-②扉を開閉する
②リビング収納家具デザインの基本
リビング収納には、様々なデザインがあり、どんな高さの家具を選ぶかで室内の圧迫感や広さが違って見えます。
※★の数が多いほど、収納量と圧迫感が大。
②-①トール収納
床から天井付近まである収納家具です。
圧迫感:★★★
リビングの短い面の壁に、壁の端から端、床から天井まであるテレビがビルトインできるトール収納をレイアウト。
②-②ミドル収納
腰くらいの高さまでの収納家具です。天板の上にテレビを置いたり、観葉植物や絵を飾ったり、ディスプレイ棚としても使えます。
圧迫感:★★☆
腰窓を背に、ミディアムブラウンの木目の腰までの高さの引き出し付きテレビボードをレイアウト。
壁を背に、明るい茶色の木目の腰までの高さのオープンラックをレイアウト。最下段に乳白色の小分け引き出しをビルトイン。
オープンリビングの窓が無い面の壁に、腰くらいまでの高さのくすんだ茶色の横木目の引き出し+開き扉デザインのサイドボードをレイアウト。
②-③ロータイプ収納
テレビボードのような膝下付近までの高さの収納家具です。壁面が多く見える為、リビングが広く見えるメリットがあります。
圧迫感:☆☆☆
ソファの正面の壁を背に、ダークブラウンの縦木目扉の脚の無いロータイプのテレビボードをレイアウト。
ソファの正面の壁を背に、ホワイト鏡面扉の脚の無いロータイプのテレビボードをフロートにしてレイアウト。
丸窓の下に、脚のあるホワイトの扉とミディアムブラウンの木を組み合わせたローボードをレイアウト。
③リビング収納家具扉デザインの基本
リビング収納は
- 日常的に使うものをしまうだけ
- 書籍や書類をまとめて収納
- 綺麗な食器やインテリア雑貨を飾る
等、様々な用途に使える家具です。
「家具デザインの基本」で紹介した家具自体の高さ以外に、扉の有無は「見せる・隠す」に重要な役割を果たしています。
※★の数が多いほど、価格が高い。
③-①クローゼット型収納
見せたい時、隠す時を扉の開閉のみで変更できる。
ナチュラルブラウンの木目のテレビボードとウォールシェルフを組み合わせたリビング収納の手前に、ナチュラルブラウンの片引き戸をつけてクローゼット(押し入れ風)に。
ソファ正面の壁に、グレーの棚板のみで構成した収納スペースを作り、テレビ・本・ストレージボックス・ファイルケースを収納。手前に折れ戸を取り付け、全て隠せるクローゼット風に。
③-②扉付き収納
収納物を見せたくない人向けのデザイン。高さのあるデザインにすると、壁が立っている印象になるため、狭い部屋に置く場合は注意が必要。
リビングの短い面の壁に、取っ手無しのフラット扉の端から端、床から天井まである収納をレイアウト。遠くから見ると壁のような印象。
LDKの短い壁面に、シンプルなホワイトのフラット扉と薄い茶色の木を組み合わせたテレビボードにも活用できる収納家具をレイアウト。
③-③ガラス扉付き収納
ディスプレイ向きのデザイン。高さのある収納家具でも圧迫感が少ない。
ソファの後ろに、フロア部が引き出し+開き扉、腰から上がガラス扉の黒のリビング収納家具を壁の端から端、床から天井付近までレイアウト。
ソファの後ろに、クリーム色のガラス引違扉のリビング収納家具をレイアウト。
③-④セミオープン
「見せる・隠す」のバランスが取りやすいデザイン。
入口ドア横の壁面を背に、観音開き扉、片開き扉がついた背の高い茶色の木目のオープンシェルフをレイアウト。
ソファ正面の壁に、壁の端から端、床から天井まである、一番下のキャビネットにだけ観音開きの框扉がついたホワイトのオープンシェルフをレイアウト。
③-⑤フルオープン
全てを「見せる収納」にしてしまうと、丸見えになり、埃もたまりやすい。
リビングの短い面の壁に、床から天井まであるホワイトのオープン収納を端から端までレイアウト。
壁を背に、ホワイトや薄い茶色の木目のオープンボックスを縦横に積み上げた、腰くらいまでの高さのユニークな収納家具をレイアウト。
リビングのコーナーに、側面がホワイト、内側がペールブルー、ペールグリーン、ペールパープルのオープンボックスを大きさの違うオープンボックスを積み上げてレイアウト。
リビングの入口横のコーナーに、ホワイトのオープンボックスとくすんだ薄い茶色の木目のオープンボックスを縦横にして、天井付近まで積み重ね、オープンラック風にレイアウト。
③-⑥シェルフ型
幅が広い棚板のみの収納は、縦の仕切り板が無い為、収納物が倒れてしまうことも。「側板が無いデザインは、端っこにストレージBOXを置いてストッパーにする」「側板があっても棚板の幅が広い場合は、中間にブックエンドを入れる」など、収納の仕方に工夫が必要。
ソファの後ろの壁に、ソファの幅と同じサイズのホワイトの7段ウォールシェルフをレイアウト。
ソファ側面の壁に、幅2mほどのホワイトの5段ウォールシェルフをレイアウト。
ソファ側面の壁に、ミディアムブラウンの木目調の背の高いラダーシェルフを2台並べてレイアウト。
ソファ正面の壁に、太ももくらいまでの高さの黒のオープンシェルフを2台並べてレイアウト。
④リビング収納のレイアウトパターン
④-①広い壁を背に一直線に収納家具を並べる
壁に凸凹がなく、壁のように見えるレイアウトです。収納家具の奥行き分リビングが狭くなるので注意が必要ですが、収納場所が一箇所(1つの壁面)なので、ソファやテーブル等、他の家具のレイアウトもしやすくなります。
ソファ正面の長い壁に、黄みがかった薄い茶色の木目扉とグレーの扉をミックスした、床から天井、壁の端から端まであるクローズドデザインのリビング収納家具をレイアウト。(テレビを置く場所はオープン。)
ソファ正面の長い壁に、シンプルなホワイトのパネル扉と黒のシェルフを組み合わせた、床から天井まであるリビング収納家具をレイアウト。(テレビを置く場所はオープン。ダイニングキッチンのパントリー収納と同じ壁面に、収納を集結。)
ソファ側面の短い壁に、薄い茶色の木目のパネル扉とオープンシェルフを組み合わせた、床から天井、壁の端から端まであるリビング収納家具をレイアウト。(一番下と一番上のキャビネットのみ扉付き。)
ソファ正面の長い壁に、ホワイトのシンプルなフラット扉、ミディアムブラウンの木製カウンター、ホワイトのオープンyセルフを組み合わせた、床から天井、壁の端から端まであるリビング収納家具をレイアウト。(一番下のキャビネットのみ扉付き。)
ソファ正面の長い壁に、ホワイトとくすんだ薄い茶色の木目を組み合わせたロータイプのテレビボードとウォールキャビネットをレイアウト。(上下でデザインを変えておしゃれな印象をアップ。。)
ソファ正面の長い壁に、ホワイトのシンプルなフラット扉とミディアムブラウンの木製カウンターを組み合わせた、壁の端から端まであるロータイプのリビング収納家具を床から浮かせてレイアウト。
ソファ正面の長い壁に、トールタイプのくすんだ赤のガラス製キャビネット、ミドルタイプのくすんだ赤のガラス製キャビネット(テレビボード)、壁の2/3くらいまでの高さの黒のガラス製キャビネットをレイアウト。
リビングの長い方の壁の離れた位置に、ホワイトの引き戸タイプのサイドボードと背の高いホワイトのオープンシェルフをレイアウト。(サイドボードとオープンシェルフの真ん中付近に、2人掛けソファを壁と直角にしてレイアウト。)
ソファ正面の長い壁に、ミディアムブラウンの木目調パネルとホワイトの引き出しを組み合わせたテレビボードをレイアウト。テレビボード横(ダイニング側)に、観葉植物をフラワースタンドに入れて2個並べ、上部の壁に黒のオープンボックスを2個取り付け。
ソファの奥行きを活用する
ソファは奥行きを取る家具です。リビング収納家具の奥行きは、ソファの奥行きよりも短いのが一般的なので、ソファの隣にスペースが余ってるなら、ソファの隣に収納家具を並べるレイアウトの仕方もあります。
ソファの隣に、背の高いホワイトのシンプルな6段引き出しキャビネットをレイアウト。
ソファの隣に、ミディアムブラウンの木とシンプルなホワイトの観音開き扉を組み合わせたミドルタイプのリビング収納家具をレイアウト。
④-②開口間の壁面を活用する
「窓と窓の間」「ドアとドアの間」「ドアと窓の間」などの壁面を背に収納家具をレイアウトします。
リビングから廊下、リビングからキッチンに抜ける2か所の開口部の間の壁を背に、浅型引き出しとオープンラックを組み合わせたミディアムブラウンの木目調のリビング収納家具をレイアウト。
リビングから廊下、リビングからダイニングに抜ける2か所の開口部の間の壁を背に、薄い茶色の木製木箱を積み上げたDIYっぽい収納家具をレイアウト。
④-③窓下を活用する
腰窓(窓の下に壁がある)の場合、窓下に収納スペースを作るレイアウトがあります。
この場合、立ち位置から窓までの距離が遠くなる為「窓の開閉がスムーズにできるか」や「カーテンの長さとカーテンの開閉のしやすさ」に注意しましょう。
3面が窓の凹んだスペースに、座面の下が引き出しになったホワイトのベンチをレイアウト。
3面が窓の変形スペースに、ヴィンテージな黒の大きなトランク収納をレイアウト。
④-⑤隣の空間との間仕切りも兼ねる
近年、間取りの主流である「横長リビング」や「縦長リビング」では、リビングと隣にある空間を収納家具を活用して分けるレイアウトの方法もあります。
黄みがかった薄い茶色の木目のオープンラックを、床から天井、壁の端から廊下の手前までコーディネート。(リビングと吹き抜けの間仕切り)
高さ2mほどの背板の無いホワイトのオープンラックを壁と直角にレイアウト。(リビングとベッドルームの間仕切り)
ヴィンテージな明るい茶色の木の階段型のオープンシェルフを壁と直角にレイアウト。(リビングとダイニングの間仕切り)
ミディアムブラウンの木目のサイドボードをリビングとダイニングの間に腰壁のようにレイアウト。(リビングとダイニングの間仕切り)
④-⑥ソファの背中を活用する
壁面が少ないリビングでは、ソファの背もたれを腰壁のように見立てて、低い家具を置くレイアウトの仕方があります。
※ダイニングとリビングに仕切り壁が無い「横長リビング」の間取りにおすすめ。
横長リビングのダイニングエリアを背に2人掛けソファを置き、ソファの背もたれを壁に見立ててミディアムブラウンの横木目のサイドボードをレイアウト。
横長リビングのダイニングエリアと壁を背にコーナーソファをレイアウトし、ソファの背もたれを壁に見立ててナチュラル素材のバスケットを入れた黒っぽい茶色のオープンシェルフをレイアウト。
横長リビングのダイニングエリアを背に、アイボリーの2人掛けソファをレイアウトし、ソファの背もたれを壁に見立ててホワイトの引き戸タイプのサイドボードをレイアウト。
⑤狭いリビングに収納を作るアイデア2つ
⑤-①家具の下や上を活用する
狭いリビングでは、上から見た時に重なる場所に、収納を場所を増やすと、生活スペースを減らすことなく収納量をアップすることができます。
⑤-①-①テレビボードの周りに収納
壁付けテレビを囲むように、ナチュラルブラウンの木箱を縦や横にして5か所取り付け、本の収納やディスプレイ棚として活用。
⑤-①-②ソファの上に収納
壁を背にソファをレイアウトし、ソファ上部の天井付近にナチュラルブラウンの木製ウォールシェルフを1段取り付け、本やストレージボックスの収納場所に。
壁を背にソファをレイアウトし、ソファ上部の天井付近にホワイトの木製ウォールシェルフを1段取り付け、本の収納場所に。
LDKの対面キッチンの壁を背に2人掛けソファをレイアウトし、ソファ上部にナチュラルブラウンの木製ウォールシェルフを鍵のような形にして取り付け、本の収納場所に。低い位置で折り曲げて、サイドテーブルのような見た目に。
いかがでしたか。
リビング収納は、レイアウトの仕方とデザインによってリビングの広さの感じ方に影響があることが伝わったでしょうか。
また、物は生活する中でどんどん増えていく傾向にあります。
「後から収納家具を増やせばよい」ではなく、予め余裕のある収納計画をしておくと、大掛かりな家具位置の変更をすることなく、快適なリビングを作ることができます。