日常生活の目的ごとに部屋を変える大人と違い、子ども部屋は、同じ場所で「就寝する」「遊ぶ」「学ぶ」「勉強する」など、様々な行為を行います。
また、子どもは、おもちゃ・絵本・書籍・洋服・スポーツや習い事の道具など、成長するにしたがって、持ち物が変わったり増えたりするため、それらに対応する家具が必要になり、大人と比べると、1箇所に、たくさんの家具をギューッと詰め込まなければなりません。
その為、子供部屋は最低でも6畳くらいあるのが理想的と言われていますが、間取りが限られたマンションでは、部屋自体が狭く、LDKの隣にある和室を子供部屋として使う以外に選択肢が無いという場合もあります。
4畳半・6畳・8畳・12畳の子供部屋に、先述した最低限の家具(ベッドや勉強机の他に、収納家具)をレイアウトするには、どんな置き方があるのか見ていきましょう。
家具レイアウトを考える前に:家具同士に必要な空きスペースを知っておこう
子どもは大人に比べて体格が小さいので、子供用家具は、大人用よりも小ぶりです。
しかしながら、子供用だからと言って「必要なスペースを小さく見積もっても良い」というわけではありません。
デスクとオープン棚
勉強机の後ろに、扉の無い本棚や収納家具を置く場合は、机とオープン収納家具の間に70cm程度のスペースを確保しましょう。
この距離だと、振り返って本を取ることができ、回転椅子だと座ったまま動作が行えます。
扉の無い収納家具がポイントなので、扉付きの家具を選ぶ場合は、下のチェストの数字を参考にしましょう。
デスクとベッド
勉強机の後ろに、ベッドを置く場合は、腰かけるスペース(70~80cm)+人が通るスペース(最低110cm)を確保しましょう。
椅子に座ってる子どもの後ろを通ってベランダに出るレイアウトをする時に覚えておきたい数字です。
チェストとベッド
ベッドの足元に、チェスト(引き出しがついた家具)を置く場合は、引き出す+かがむの両方のスペースが必要となるため、最低75cmは空けておきましょう。引き出しの奥行きは、家具自体の奥行きと関係しているため、「スペースが余ってるから、たっぷり収納できる奥行きの深い引き出し付きの家具を置こう」と思いついた時は注意が必要です。
オープン棚とベッド
ベッドの隣に、オープン棚を置く場合は、人が通れる50~60cm程度のスペースを空けておきましょう。
クローゼットとベッド
ベッドの隣にクローゼット扉がある場合は、両開きタイプで90cm程度、折れ戸タイプで50~60cm必要です。
4畳半の子供部屋のレイアウト
4畳半の子供部屋は、ベッド・勉強机・収納家具の3点で部屋がいっぱいになってしまい、全体的に収納不足です。クローゼット収納が併設していない場合は、別の部屋に子ども服の収納場所を設ける必要が出てきます。
一般的な4畳半のレイアウト
片側にシングルベッド、反対側にカラフルな椅子を2つ置いて床で遊べるようにした就学前の子供の部屋。
本棚を置かずに、壁にウォールシェルフを取り付けて絵本置き場に。取り出しには大人の手が必要になりますが、高い位置に収納を設けることで、床面が広く空くように工夫。
片側にシングルベッド、反対側に勉強机を置いたシンプルなレイアウト。
机と窓の間に本棚、机の上にウォールシェルフをプラスして収納量をアップ。
片側にシングルベッド、反対側にクローゼット収納とカウンターデスクを並べてレイアウト。
クローゼット収納とデスクの奥行きを揃えて、家具の凸凹を無くした例。子供用の勉強机ではなく、カウンターデスクにすることで、勉強机が不要な年になっても使えるインテリアを実現。
片側にシングルベッド、反対側に引き出し付きの勉強机のレイアウト。
収納家具を置かないシンプルな子供部屋ですが、圧倒的に収納量が少ない気も。
ロフトベッドを活用して収納場所を確保したレイアウト
ベッドをロフトタイプにして、「寝る場所と勉強する場所」または「寝る場所と収納する場所」を同じ個所に設けると、収納量がアップします。
ロフトベッドを置いて、下部を遊び場として活用した就学前の子供の部屋。
ロフトベッドを置いて、下部を遊び場や本を読むスペースとして活用した就学前の子供の部屋。
ロフトの下に本棚を置くことで、ベッドの外におもちゃ収納や小物収納を置くスペースを確保。自分で整理整頓できるよう、子どもの目線の高さに合わせた家具をコーディネート。
片側にロフトベッド、反対側にオープン収納と引き出しチェストをレイアウト。
ベッドの下に勉強机と本棚を入れ、収納量をアップ。
片側にロフトベッド、反対側に勉強机と引き出しチェストをレイアウト。
ベッドの下はクローゼット収納になっており、衣類を自分で取り出して着替えることができるように工夫。
6畳半の子供部屋のレイアウト
6畳は4畳半と間口は同じで、もう一方の壁が長い部屋。
その為、クローゼットと窓の間、もしくはベッドとクローゼットの間に収納家具を増やすことができ、デスク側の収納の幅も大きなものに変えることができます。
勉強机の後ろにベッドがある方が集中できる為、このレイアウトが理想。
一般的な6畳のレイアウト
片側にシングルベッドと収納家具、反対にビーズクッションと勉強机を並べてレイアウト。
ベッドと机を斜めの位置に置くことで、空きスペースを広く確保。小さなうちは、この広いスペースで遊んだり、絵本を読んだりすることも可能。
片側に引き出しチェストとシングルベッド、反対に勉強机をレイアウト。
収納量が少なめのスキッとした家具レイアウト。
片側にシングルベッド、反対に勉強机とオープンシェルフとクローゼット収納をレイアウト。
オープンシェルフには、ストレージボックスを並べて、丸見え・乱雑な雰囲気を解消。
2段ベッドを活用して同性同士の2人部屋にしたレイアウト
6畳の子供部屋は、2段ベッドを活用すれば同性2人用の子供部屋として使えます。
※収納は別の場所で確保する必要があります。
片側に2段ベッド、反対側に椅子と丸テーブルを置いて遊び場として活用。
片側に2段ベッド、2段ベッドと繋がるようにカウンターデスクを置いて2人で勉強できる場所に。
デスクの幅が狭い為、デスク用チェアではなく、背もたれが無いコンパクトなスツールを活用。
片側に2段ベッド、正面の壁に勉強机1台、ベッドと反対側の壁に勉強机をもう1台レイアウト。
勉強机をL型にレイアウトすることで、お互いが目に入らず、集中しやすい環境に。
8畳半の子供部屋のレイアウト
8畳は、壁の長さが同じ正方形の部屋です。
一人で使う場合は、真ん中にベッドを置いて、その隣に勉強机を並べるなど、様々なレイアウトができます。収納量も申し分ありません。
8畳一人部屋のレイアウト
隅っこにシングルベッド、ベッドと間を空けて勉強机をレイアウト。
2面の向き合う壁にシングルベッドと勉強机(上部に本棚付)をレイアウト。
片側にシングルベッド、反対側に勉強机(上部に本棚付)と背の高い観音開きタイプの収納家具を並べてレイアウト。
空いてるスペースの天井からハンモックをハンギング。
片側にシングルベッド、反対側に勉強机(上部に本棚付)と引き出しチェストを並べてレイアウト。
壁の真ん中にダブルベッド、空いた左右のスペースに勉強机と引き出しチェストをレイアウト。
片側に下部が勉強机になったロフトベッド、反対側の壁に引き出しチェストをレイアウト。
3面の壁にシングルベッド、勉強机、引き出しチェストをそれぞれレイアウト。
コーナーにシングルベッド、ベッドと離れた場所に勉強机をレイアウト。
片側の壁に真ん中にベッドを差し込める壁面収納家具、窓側の壁に両側に引き出しがついた勉強机をレイアウト。
8畳同性同士の2人部屋レイアウト
8畳の子供部屋は「シングルベッド2台と2人掛けの勉強机」または「2段ベッドと2人掛けの勉強机」を使って、同性同士の2人部屋にすることもできます。(2段ベッドの方が収納場所を多く確保できます。)
片側に2段ベッド、片側に勉強机をレイアウト。
12畳半の子供部屋のレイアウト
新築の際に、作ることが多いのが12畳の子供部屋です。
子どもが小さなうちは同じ空間で過ごし、成長に伴って個室6畳に分けることを想定しています。
就学前
勉強机や収納家具よりも、遊ぶ場所を広く確保した子供部屋。中央に大きく空いたスペースは、子供用テーブルセットを置いたり、おもちゃを思いっきり広げることが可能です。
中央に地図とアルファベットの2種類のラグをレイアウト。
中央に4人掛けの子供用テーブルと椅子をレイアウト。
中央におもちゃの遊び台と椅子2脚をレイアウト。
就学後から中学生くらいまで
学校にあがると勉強机や収納家具が必要になってきます。
壁を頭にベッド2台、窓に向かって広い勉強机(カウンターデスク)をレイアウト。
机の端に天井まである収納、椅子を挟んで3か所に引き出し収納をプラス。
壁を頭にベッド2台、ベッドの足元に勉強机をそれぞれレイアウト。
壁に沿ってシングルベッドを並べ、反対の壁に勉強机をレイアウト。
中学生以降
プライベートな空間が必要になる中学生以降は、同性同士かそうでないかで家具のレイアウトが異なってきます。
同性同士
隣り合う勉強机の間に、家具を置き、間仕切りとして活用。
中央に「見せる隠す」のバランスが取れたオープン収納家具(IKEAのKallax)を置き、遊び場と勉強部屋に分離。(年が離れた同性の2人部屋)
中央にオープン収納家具(IKEAのKallax)を置き、勉強机とピアノを分離。
ベッドを違う方向にレイアウトし、間をオープン収納家具(IKEAのKallax)で分離。(勉強机の間は仕切り無し)
男の子と女の子の独立を想定した子供部屋
真ん中に壁を作り、6畳ずつに完全分離。
子供部屋は部屋の広さだけでなく、年齢、性別によって必要な家具が違い、それによって作り方も変わってきます。
また、成長に伴い、必要なものや好きなものが変わっていくので、最初から完璧を求めず、必要最低限の家具を使って余裕のあるレイアウトをすることが大切です。
狭い子供部屋に多くの家具を上手にレイアウトするコツは、高さ方向も意識すること。2段ベッド、ロフトベッド、勉強机の上のウォールシェルフなど、家具同士を重ねることで、スペースに余裕が生まれます。
高い位置に物を置く場合は、地震対策も忘れないようにしておきましょう。