仕事疲れを癒し、ストレスや緊張感を思いっきり開放したいリビング。
でも現実は「元から狭いので、別荘地にあるような解き放たれたリビング空間を持つのは無理だ」と考える人の方が多いでしょう。
物理的に狭いリビングでも、配色・家具のレイアウトの仕方・照明器具の使い方によって、開放感を演出することは可能です。
狭いリビングを広く見せるコツを紹介していきましょう。
最低限必要な家具だけをレイアウトしよう
「家族が4人だから、大きめのソファか人数分の椅子が必要。」
「リビングで書き物をするのでリビングテーブルはなるべく広いものが良い。」
そう考えて、次から次へと家具を増やしていくと、狭いリビングが満員電車状態になってしまいます。
そのソファ、椅子、テーブルは本当に必要ですか?
もしかすると、ソファの前にテーブルが無くても十分にくつろげるかもしれません。
また、部屋の大面積を占領するソファは必要なく、個々が座れる椅子を用意した方がリラックスできる状態を作れるかもしれません。
当たり前のことですが、狭い空間では、家具の数が少ないほど広く見えることを覚えておきましょう。
狭いリビングで、ソファの前に大きなテーブルが必要な時は、透明感のある素材を使ったテーブルや
床と天板の間の隙間の大きなテーブルをコーディネートすると、広々とした印象になります。
ソファの存在感を消そう
リビングの主役家具であるソファは、好きな色や一目惚れしたデザイン、試しに座って見て、座り心地が良いと感じたものを置くという方も多いでしょう。
しかしながら、ソファは、畳1枚(約900×1800mm)を占領する家具です。
その為「狭いリビングでは、なるべくコンパクトなソファを置いた方が良い」と考えてしまいがちですが、大きなソファでも「色」と「置く場所」の組み合わせを考えることで、広々とした雰囲気を出すことができます。
壁に沿ってソファをレイアウトする
リビングの中心に広いスペースが空いていると狭くても広さを感じることができます。
2面の壁に沿ってコーナーソファをレイアウト。
細長いリビングダイニングの壁に沿って3人掛けソファをレイアウト。
白っぽいソファを選ぶ
リビングの壁が白っぽい場合は、ソファの色と壁の色を似たものにすることで、ソファが壁に馴染み、存在感を薄くすることができます。
黒っぽいソファと白っぽいソファの比較
下の写真は、同じような広さのリビングに、黒と白の3人掛けソファを壁に沿ってレイアウトした場合の比較です。
白っぽいソファを置いたリビングの方が、ソファの存在感がなく、広く感じませんか?
「壁に馴染ませて存在感を消す」か「黒っぽい色にして実際よりも小さく見せる」かは、デザインやレイアウトする場所など、状況により複雑に変わってくるため「どちらが正しい」ということはありません。
ソファを目立たせるなら寒色のソファを選ぼう
同じ大きさのものでも、色によって感じ方が変わってきます。
「暖色は大きく見せる進出色」「寒色は小さく見せる後退色」なので、寒色のソファを置いた方が、「ソファに占領された部屋」という印象が薄くなります。
暖色ソファと寒色ソファの比較
赤の寝椅子付きソファを壁に沿ってレイアウト。
青の寝椅子付きソファを壁に沿ってレイアウト。
青の寝椅子付きソファを置いたリビングの方が、開放感を感じませんか?
広く見えるカラーコーディネートと狭く見えるカラーコーディネート
広く見えるカラーコーディネートは白っぽい色か寒色を中心に
リビングには、家具だけでなく、カーテンやラグが必要になる場合もあります。
明るい部屋は広く感じ、暗い部屋は狭く感じる為、カーテンやラグは、最も広さを感じる「ホワイトまたは白っぽい色」か「寒色」を組み合わせるようにしましょう。
ソファ・テレビボード・ラグをホワイト系でコーディネートしたリビング。
テレビボードをホワイト、ラグを白っぽいグレーでコーディネートしたリビング。
ソファをホワイト、ラグをホワイトと白っぽいグレーのパターン柄、テレビボードを白っぽいグレーでコーディネートしたリビング。
ソファとラグをグレー、テレビボードをグレイッシュな青(寒色)でコーディネート。
狭く見えるカラーコーディネート
ソファを茶色、ラグをワインレッド、一人掛けソファを薄いピンクと暖色ばかりを使ったコーディネート。
壁面やカーテンを黒っぽい暗い色でコーディネート。
ソファやラグを暖色かつ、暗い色でコーディネート。
壁に沿って家具を置いてみよう
リビングの床に幅90cm以上の細長い空きスペースがあると広々とした印象になります。
長方形のリビングでは、ソファだけでなく、収納家具を壁に寄せてレイアウトし、中央にたっぷりとしたスペースを確保するようにしましょう。
2面の壁に、ソファとオープンラック、トールタイプの収納家具とデスクをそれぞれ寄せてレイアウト。
中央に一直線の通路スペースがあるため、背の高い家具があっても“狭い”と感じにくい。
窓に抜ける視線の通り道を作ろう
窓があると人は無意識に窓の外に視線を移します。
1個前のポイントと同様に、窓の前に一直線に伸びる視線の通り道を作ることで、開放感のあるリビングを演出できます。
テレビボードとリビングテーブルの前に、掃き出し窓に抜ける広い視線の通り道を作った例。
均等な通り道とどちらか一方が広い通り道
テレビボード・テーブル・ソファを川の字にレイアウトするが多いリビングで、通り道を作る時は、幅を広く取った方が、より広さを感じることができます。
テレビボード・テーブル・ソファの間に均等に通り道を作った例。(向かって右側が窓)
テレビボード・テーブル・ソファの間に、テレビボードとテーブルの間の通り道が広くなるように通り道を作った例。(手前が窓)
いかがですか?
テレビボードの前に、たっぷりとスペースがある方が広々とした印象を受けませんか?
通り道の広さは、リビングテーブルの奥行きと関係しています。
「置けるから」ではなく「余りのスペースからテーブルの奥行きを引き算して、余裕のある通り道を作れるか」を考えてから、サイズを決めるようにしましょう。
窓や照明器具が映るようにミラーを配置する
ミラーは、光を2倍にする効果があります。
狭いリビングは暗い印象になりがち(窓の大きさにもよります)なので、照明器具や窓(外)が映る位置にミラーをレイアウトして、開放感を演出しましょう。
壁を背に、ハイバックタイプの一人掛けソファをハの字にレイアウトし、間に縦長ミラーを置いて、上部から、おしゃれなペンダントライトを吊り下げて映し出した例。
細長いリビングの窓から一番遠い壁に、縦長ミラーを置いて、窓を映し出した例。
DIYが可能なリビングなら、壁や床などに手を加え、空間自体を広く見せる方法もあります。
同じ位置にある壁でも、白い壁よりも黒い壁の方が遠くに見えます。
広げたい方向の壁に黒の壁紙クロスを貼ると、広がりのあるリビングを演出できます。
フローリングの上から施工できるフロアタイルを使って暗い床色を明るい(白っぽい)茶色にするだけで、広さを演出することができます。
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